あばれる君、世界遺産検定マイスターの認定証を番組で披露 「合格率0.18%」と公式の認定率48.7%は分母に違い

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン
あばれる君(40)が10月31日放送の「サクサクヒムヒム ☆推しの降る夜☆」で、世界遺産検定マイスターの金色の認定証を見せた。報道で添えられる「合格率約0.18%」に対し、公式の2025年度の認定率は48.7%。2つの数字は分母が違う。
「これが目に入らぬか」番組で金色の認定証を出したあばれる君
お笑い芸人のあばれる君(40)が10月31日放送の日本テレビ「サクサクヒムヒム ☆推しの降る夜☆」に出演し、世界遺産検定の最上位「マイスター」の認定証をスタジオで見せた。テーマは「世界遺産」で、同検定1級を持つSnow Manの阿部亮平と並んでの登場だった。
MCの佐久間大介から「あばれる君、そういうイメージない」と言われ、あばれる君は「えっ!?おかしいなぁ~」と返す。そこへ阿部が「まずですね、僕が世界遺産検定1級。さらにその上にマイスターという部門があるんですね、それをお持ちです」と説明すると、スタジオに「えぇーーー!?」と驚きが広がった。
あばれる君は金色のカードを見せながら「これが目に入らぬか」。さらに「世界遺産かたれる君ですから!」と重ね、笑いを誘った。
1級の阿部が「その上」と紹介した資格は、どれほどのものなのか。報道では「合格率約0.18%」と添えられる一方、検定の公式サイトに載るマイスターの認定率は2025年度で48.7%だ。2つの数字がそれぞれ何を指すのかを、公式の資料でたどる。
世界遺産検定マイスターは1級の上にある論述試験
世界遺産検定はNPO法人世界遺産アカデミーが主催し、2006年に始まった。2014年からは文部科学省の後援事業で、級は4級から1級、その上のマイスターまで6段階ある。公式の受検の目安によると、2級以下は誰でも受けられるが、1級と準1級は2級認定者、マイスターは1級認定者に限られる(いずれも、旧制度の「シルバー」「プラチナ」認定者を含む)。
試験は論述3問で120分。20点満点で12点以上が合格基準だが、問1・問2で6点、問3で6点にそれぞれ届かなければ合格にならない。どちらかで稼いで逃げ切ることができない仕組みだ。
公式の例題には、ドレスデン・エルベ渓谷や富士山を題材に「1,200字以内で論じなさい」と求める問題が並ぶ。学習のポイントとして公式が勧めるのは、世界遺産の理念や出来事を丸暗記せず、自分の言葉でまとめておくことだった。
実施は年2回で、2026年度は7月12日と12月13日。会場は東京23区、名古屋、大阪に限られ、受検料は20,400円となる。
「0.18%」と「48.7%」は分母が違う
まず公式の48.7%から見ていく。2025年度のマイスター試験は、7月の第60回が受検44人・認定22人(50.0%)、12月の第62回が受検34人・認定16人(47.1%)だった。2回を足すと受検78人・認定38人で、割り算の答えは公表の48.7%と一致する。分母は、その試験を実際に受けた人数だ。
しかも受検できるのは1級認定者だけなので、48.7%は1級を突破した人のうち、受検した人の中での率にあたる。4級や2級を受けた人は分母に入っていない。
一方の0.18%は、公式サイトの受検者データのページには載っていない数字で、手がかりは2025年8月、あばれる君がTBS系「ひるおび」に生出演したときの報道にある。2024年度の実績で、4級からマイスターまで全受験者を合わせると、マイスターの合格者は受験者全体の0.18%になるという説明だった。その後の記事がすべて同じ計算に基づくのかまでは確認できていない。
公式の2025年度の数字で同じ考え方を試してみる。全6区分の申込者を足すと3万2433人で、マイスターの認定者38人をこの人数で割ると約0.12%。申込者には当日受けなかった人も含まれるため、受検者で割れば少し上がるはずだ。2024年度の0.18%そのものを検算した計算ではないものの、全区分を分母にすると0.1%台まで下がることは確かめられる。
つまり、この報道で説明された0.18%は2024年度に検定を受けた人全体に占めるマイスター合格者の割合で、48.7%はマイスターを受けた人のうち合格した人の割合となる。「合格率」という言葉だけで受け取ると、マイスター試験を1000人が受けて2人ほどしか受からないように読めるが、公式の回ごとの数字はおよそ2人に1人だ。
0.18%も、4級から始めた人のうちマイスターまで進む割合とは別物になる。同じ年度に別の級を受けた人を合わせた数字だからである。検定を受けた人全体の中でマイスター合格者がどれだけ少ないかを見るなら0.18%、試験そのものの通りやすさを見るなら48.7%。知りたいことによって、見る数字が変わる。
認定率が5割近くても難しいと言われるわけ
公式が公表している2025年度の級ごとの数字は次のとおり。
| 級 | 受検できる人 | 申込者数 | 認定率 |
|---|---|---|---|
| マイスター | 1級認定者 | 88人 | 48.7% |
| 1級 | 2級認定者 | 1,871人 | 27.1% |
| 準1級 | 2級認定者 | 1,432人 | 31.1% |
| 2級 | 誰でも | 11,045人 | 60.7% |
| 3級 | 誰でも | 11,995人 | 77.6% |
| 4級 | 誰でも | 6,002人 | 79.9% |
認定率だけを並べると、最も低いのはマイスターではなく1級の27.1%だ。1級は90問90分のマークシートで、200点中140点以上が基準となり、範囲はすべての世界遺産に及ぶ。マイスターの受検者は、原則この1級の認定を持つ人たちである。
だから認定率が近く見えても、誰でも申し込める2級の60.7%とは顔ぶれが違う。マイスターの申込者数は88人で、1級の約21分の1。世界遺産アカデミーの組織紹介によると、マイスター認定者は2026年11月現在で759名にとどまる。検定全体の受検者は2025年度の時点でのべ43万人を超えており、その差は大きい。
問われる力も変わる。第56回の講評は具体的な事例の使い方や自分の意見の書き方で点数に差が出たと指摘し、第60回の講評には第1問で点を落とす答案が多かったとある。覚えた量に加えて、自分の見方を1,200字で組み立てられるか。そこを越えた受検者が、回ごとにおよそ半数残る試験だ。
初受検から認定講師まで、あばれる君の7年
資格の歩みを時系列で並べると次のようになる。
| 時期 | 出来事 |
|---|---|
| 2019年 | 世界遺産検定を初めて受検 |
| 2020年1月 | 3級合格をInstagramで報告し、 |
| 2022年 | 1級を取得 |
| 2024年5月 | オーストラリア世界遺産キャンペーンのアンバサダーに就任 |
| 2025年8月 | 第60回試験のマイスター合格を13日に報告 |
| 2026年6月 | 世界遺産アカデミーの認定講師になったと29日に報告 |
| 2026年10月 | 31日放送の番組で認定証を見せる |
きっかけについて、世界遺産検定の公式インタビューでは「元々歴史が好きだったので、何か形になるものを取りたかったんですよね」と語っている。2026年6月の恐竜ショーのPRイベントでは「いろんなロケに行かせてもらう中で、その場所場所の理解を深めたくなり、4級から受け始めました」とも明かした。大学時代に社会科の教員免許を取っており、もともと近い分野だった。
壁になったのは1級である。2024年刊行の著書のエッセイには「2級までは範囲も限られていて勉強も捗りました。しかし、1級となると範囲は段違い。暗記量もかなり増えました」とあり、思い立ってから5か月の勉強で合格したと記す。公式インタビューによると、勉強時間は朝を中心に1日2時間ほどだった。
その3年後に挑んだのがマイスターだ。「どうせだったら突き詰めたいと思い、マイスターに挑戦して一発合格しました」。同じイベントで、あばれる君はそう胸を張った。
次に選んだのは、教える側の肩書。世界遺産アカデミーの案内によると、認定講師はマイスター取得者を対象にした研修の修了者に認定講師証を出す仕組みで、2026年は6月28日に都内での研修が案内されていた。報道によると、あばれる君は6月29日にInstagramを更新して認定証を披露し、世界遺産アカデミーの認定講師になったと報告した。
認定講師は同アカデミーの組織紹介で460名(引退者を除く)。アカデミーは、講師としての仕事を保証するものではないとも案内している。実際にどんな授業を受け持つのか、具体的な予定は確認できていない。
「世界遺産かたれる君」という一言はスタジオの笑いを誘った。その裏にあるのは、2019年の初受検から続く受検歴と、1級認定者しか挑めない論述試験の合格である。次のマイスター試験は12月13日にある。
[文/構成 by ライター 小川 そら]










































































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