義ノ富士、熊本で初の個人激励会に約400人 熊本県宇土市出身、九州場所は2場所ぶり小結

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大相撲の小結・義ノ富士(25)=伊勢ケ浜部屋=の激励会が10月31日夜、熊本市中央区のホテル日航熊本で開かれ、約400人が集まった。熊本県宇土市出身の義ノ富士にとって、個人の激励会は初めてだった。11月8日に初日を迎える九州場所は、2場所ぶりの小結として臨む。壇上では、地震で被災した人たちに元気を与えられる相撲で優勝を目指すと誓った。
師匠の照ノ富士も駆けつけた激励会
激励会は九州場所(11月8日初日・福岡国際センター)を前に開かれた。報道によると、会は約2時間にわたり、師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱・照ノ富士)のほか、同じ部屋から幕内の伯乃富士、尊富士、嵐富士、十両の炎鵬、幕下の花の富士も出席している。
義ノ富士は十両、幕内、三役と番付を上げてきたが、個人の激励会を開いたのはこれが最初だ。昇進祝賀会を含めても、地元でパーティーを開くのは自身初めてだという。現時点で熊本には義ノ富士の個人後援会がなく、地元では発足に向けた機運が高まっている。
壇上の決意表明では、まず被災した人たちに触れた。地震で被災した人たちや全国の人たちに向け、「元気を与えられるような相撲を取り」優勝を目指すと宣言した。このほか、三役に上がってパーティーを開けたことを喜び、集まった人たちの姿に応援の実感が湧いたとも話している。九州場所で結果を出して恩返しする考えも口にしている。
伊勢ケ浜親方は、まだ若い力士だと前置きしたうえで、昨年の九州場所は幕内、今年は小結と番付が上がった点を挙げた。そのうえで「大関、横綱を目指して頑張ってくれると思う」と、来年のさらなる昇進に期待を寄せた。
7月の熊本地震で実家が被災、3カ月ぶりの里帰り
義ノ富士が熊本を訪れるのは7月下旬以来、約3カ月ぶりだった。7月28日に起きた令和8年熊本地震のとき、義ノ富士は熊本に帰省していた。外出先で揺れに襲われ、これまでに経験したことのない揺れだったと話している。
宇土市の実家は大きな被害を受けた。父親が隣の宇城市で営む焼き肉店も、酒瓶が落ちて割れ、皿のおよそ9割が割れたという。断水が続くなか、義ノ富士も店と実家の片付けを手伝った。店は8月10日に営業を再開し、父親は笑顔の客から元気をもらっていると語っている。
地震から1カ月がたった8月下旬、義ノ富士は熊本の人に元気を与えられるような相撲を取りたいと話していた。そのとき掲げた目標は、秋場所でまず勝ち越し、ご当所の九州場所で三役に戻ること。激励会の決意表明は、この目標を果たしたうえでの言葉だった。
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負け越しから1場所で三役に戻った秋場所
ここに至るまでの道のりは平らではなかった。
2026年5月場所で11勝を挙げて敢闘賞を受け、6月29日に発表された名古屋場所の番付で新三役の小結に昇進した。このとき義ノ富士は、2桁の白星を続けてご当地の九州場所を大関とりの場所にすることを目標に挙げていた。
だが、新三役の場所は思うように進まなかった。場所前にはパリ公演から帰国した後の稽古で首を痛め、7月の名古屋場所は初日に横綱大の里を破ったものの、6勝9敗と負け越した。9月の秋場所は西前頭2枚目に下がっている。その秋場所も序盤は5連敗。それでも6日目に大関霧島を破ってから白星を重ね、14日目に藤凌駕を寄り切って勝ち越しを決めた。千秋楽は元大関朝乃山を寄り倒して9勝6敗とした。5連敗の後の10日間を9勝1敗で乗り切った計算になる。
日本相撲協会が10月26日に発表した九州場所の番付で、義ノ富士は西の小結に就いた。小結は横綱・大関・関脇に次ぐ地位で、大関・関脇と合わせて三役と呼ばれる。三役に戻れば、上位陣との対戦が場所の序盤から続く。大関とりの舞台とはならなかったものの、1場所での三役復帰を果たした。東の小結には、沖縄県出身で初の三役となった美ノ海が並ぶ。
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番付発表の翌日、10月27日には、関取が集まる力士会が福岡国際センターで開かれた。その場で取材に応じた義ノ富士は、九州場所で三役に戻れたことを喜び、優勝を目標に初日から白星を重ねたいと意気込みを語った。熊本県出身の義ノ富士にとって、福岡で開かれる九州場所はご当所場所にあたる。
宇土少年相撲クラブから文徳高等学校、日本大学へ
義ノ富士の本名は草野直哉。熊本県宇土市の出身で、小学1年のときに地元の宇土少年相撲クラブで相撲を始めた。宇土市立鶴城中学校から熊本市の文徳高等学校を経て、日本大学へ進んでいる。
日本大学4年だった2023年11月、第101回全国学生相撲選手権の個人戦で初優勝し、学生横綱になった。宇土市出身の学生横綱は5人目。優勝から6日後には宇土市役所と母校の鶴城中学校を訪ね、「最後の年に、先輩方が手にしてきたタイトルを得ることができてうれしい」と喜びを語った。日本大学では相撲部の主将も務めた。
2024年3月に日本大学を卒業し、伊勢ケ浜部屋に入門した。同年4月の入門会見の場に選んだのは、母校の文徳高等学校だった。会見では「目標は大関、横綱になること」と語り、同年5月場所に幕下最下位格付出で初土俵を踏んだ。
そこからの出世は早い。2025年1月の番付編成会議で新十両昇進が決まり、3月の春場所で関取になった。十両では2025年3月の春場所を14勝1敗、5月の夏場所を13勝2敗として2場所続けて十両優勝を果たし、同年7月の名古屋場所で新入幕を果たすと、東前頭14枚目で千秋楽まで優勝争いに加わり、11勝4敗で敢闘賞と技能賞を受けた。11月の九州場所では10日目に横綱大の里を押し出して金星を挙げ、9勝6敗で技能賞も受けた。しこ名を本名の草野から義ノ富士に改めたのも、この九州場所だった。
| 場所 | 番付 | 成績 |
|---|---|---|
| 2025年7月場所 | 東前頭14枚目 | 11勝4敗 |
| 2025年11月場所 | 東前頭5枚目 | 9勝6敗 |
| 2026年5月場所 | 東前頭2枚目 | 11勝4敗 |
| 2026年7月場所 | 東小結 | 6勝9敗 |
| 2026年9月場所 | 西前頭2枚目 | 9勝6敗 |
| 2026年11月場所 | 西小結 | 11月8日初日 |
福岡での金星から1年。今度は三役の地位で、同じ土俵に戻る。
地元の声援も大きい。2025年12月に熊本県菊陽町で開かれた冬巡業では、義ノ富士に「頑張れ」と大きな歓声が飛んだ。新入幕の名古屋場所で優勝争いに加わったときも、文徳高等学校時代の恩師がその健闘をねぎらっている。宇土市は、元大関・正代の出身地でもある。2025年の九州場所5日目には同郷の2人が顔を合わせ、義ノ富士が勝っている。
九州場所は11月8日初日、熊本から応援に
九州場所は11月8日に福岡国際センターで初日を迎え、11月22日に千秋楽となる。報道によると、熊本からも多くの知人らが会場へ応援に駆けつける予定だという。
地震からの再建が続く地元へ、小結として何勝を届けられるか。15日間の土俵が、師匠の言う「さらに上」への足場になる。
[文/構成 by スポーツ担当ライター 疾風(HAYATE)]










































































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