栗原陵矢、12球団最速30号で年間何本ペースか 球宴前30号はパで中村剛也以来17年ぶり

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン
ソフトバンクの栗原陵矢(30)が7月24日、敵地・西武戦(ベルーナドーム)で逆転3ランを放ち、12球団最速で今季30号に到達した。オールスター前の30本塁打はパ・リーグで2009年の中村剛也以来17年ぶりの記録となる。単純に計算すると、シーズン終了までに自己最多を大きく塗り替えるペースだ。
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4回の逆転3ラン、栗原が仕留めた30号の中身
舞台は西武の本拠地、ベルーナドーム。灼熱の敵地で始まった3連戦の初戦だ。今季から先発に転向したばかりのソフトバンク・上茶谷大河にとっても、踏ん張りどころの一戦だった。立ち上がりにネビンへ一発を浴び、0-1とリードを許す苦しい展開となった。流れが変わったのは4回だ。周東佑京と近藤健介が連打で出塁し、無死一、三塁とチャンスを広げる。
打席には4番の栗原。西武先発・渡辺勇太朗の初球を迷わず振り抜いた。打球は左中間スタンドへ一直線、値千金の逆転3ランとなった。0-1から一気に3-1。栗原は「しっかりとスイングできた」と、この一打を振り返っている。
この日は近藤も3戦連発の23号2ランを放ち、6回には柳田悠岐の勝ち越し打も飛び出した。打線がかみ合い、試合はソフトバンクが7-3で押し切って3連勝を飾っている。2位・西武とのゲーム差は5.5に拡大し、首位独走の態勢が鮮明になった。上茶谷は6回3失点で6勝目(先発転向後は2戦2勝)、渡辺は6敗目を喫した。セ・リーグ勢を含めた12球団を見渡しても、この時点で栗原に並ぶ本塁打数の選手はいない。リーグ連覇中のソフトバンクにとって、4番打者による本塁打の量産ペースは、独走態勢を支える最大のエンジンになっている。
オールスター前30号、パでは17年ぶりの重み
栗原の30号が特別なのは、到達した時期にある。オールスター戦(球宴)を控えたこの時期に30本塁打へ乗せたパ・リーグの選手は、2009年の中村剛也(当時西武)以来17年出ていなかった。両リーグ全体で見ても、球宴前に30本塁打へ到達したのは2022年の村上宗隆以来となる。ソフトバンク球団としては、2005年の松中信彦以来21年ぶりとなる記録だ。パでは中村、両リーグでは村上、球団では松中。歴代の大台到達者と並ぶタイミングで、栗原の名前が刻まれた。
伏線は中1日前の7月22日、オリックス戦で自身初の固め打ちとなる6打数5安打5打点をマークし、28号・29号を放って大台に王手をかけていたことにある。中1日、あっさりと大台に届いた格好だ。
栗原はすでに24本塁打の時点で、ファン投票による球宴のパ・リーグ三塁手部門トップに選ばれていた。今季の栗原はすでに自己最多だった21本を大幅に塗り替え、打点も2024年に記録した自己最多87打点にあと一歩まで迫る。本塁打・打点の「2冠」も、決して絵空事ではなくなってきている。
小久保監督も驚いた急成長、打点は近藤と競る
ベンチで見ていた小久保監督は「こんなにあっさりいくとは…」と驚きを隠さなかった。現役時代の2001年に自身44本塁打を記録した指揮官は、「欲を出して狙ってほしい」と、この日のヒーローにさらなる上積みを促している。
栗原本人は終始謙虚だった。「全然考えてなかった」と数字を意識してこなかったことを明かしつつ、次の大台については「1本ずつ」と言葉少なに語る。ファンの声援については「後押ししてくれています」とも口にした。
実は21号到達の前後には5試合ほど足踏みする場面もあった。だが、そこから抜け出すように25号で状態を上げると、以降は勢いづき、わずか中1日で28号から30号まで駆け上がっている。本塁打数はリーグトップに8本差をつけて独走状態にあり、打点でも同じ4番を争うチームメートの近藤健介と、リーグ首位の座を分け合う状況にある。栗原のこの一発でチームの本塁打数は101本に到達し、早くも昨季1年間の本塁打数に並んだ。この日はさらに近藤の一発も加わり、チームの本塁打数は102本に伸びて昨季の年間本塁打数を上回った。91試合を終えての到達となる。栗原の一振りは、個人記録にとどまらずチーム打線全体の破壊力を映す数字でもある。
単純計算なら47本ペース、後半戦のカギ
ここで気になるのが年間ペースだ。今季のプロ野球は143試合制で、栗原の30号はチームの91試合目に生まれている。単純計算では、このペースを維持した場合の本塁打数はシーズン終了までに47本前後に達する。残り52試合で17本前後を積み増す計算になり、3試合に1本のハイペースだ。
自身の目標である大台40本には、この後わずか10本ほどで届く計算になる。仮に後半戦でペースが落ちたとしても、自己ベストの大幅更新はほぼ確実な情勢だ。もっとも、このペースがそのまま最後まで続くとは限らない。夏場の疲労、相手投手陣がマークを強めてくる可能性、オールスター休養明けの調子次第で数字は上下するはずだ。
それでも栗原が繰り返す「1本ずつ」という言葉の先には、自己最多を大幅に上回る大台40本、さらにその先が見えてきた。本塁打・打点の2冠に王手をかけたまま迎える後半戦は、連覇の行方を占う試金石にもなる。ソフトバンクが独走態勢を築けるかどうかは、この4番打者の一振りにかかっている。
[文/構成 by スポーツライター 久遠(KUON)]

































































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