遠藤航は不在、吉田麻也が”精神的支柱”に W杯開幕6日前、37歳が埋める主将の空白

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W杯北中米大会(6月11日開幕)前の事前合宿で、DF吉田麻也(37)=LAギャラクシー=がサポートプレーヤーとして日本代表に合流することが決まった。主将MF遠藤航(33)=リバプール=が脚に不安を抱えて別メニュー調整を続ける中での合流は、異例の措置だ。5月末のアイスランド戦を「1週間限定」のつもりで臨んだ37歳が、開幕直前のモンテレイに戻ってくる。
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■ 山本技術委員長が明言、現地6日から合流予定
日本サッカー協会の山本昌邦技術委員長は4日(日本時間5日)、事前合宿地のメキシコ・モンテレイで練習前に取材陣の前に立ち、翌日からの合流を発表した。「明日からサポートプレーヤーとして、チームに合流してもらいます」。
続いて山本委員長は吉田の役割をこう説明した。「彼は現役選手なので、一緒にプレーもできる。一緒に(練習に)参加してもらいつつ、彼の経験を(伝えてもらいたい)」。26人の招集メンバーには入っていないが、サポートプレーヤーとして練習に加わる。
もともと吉田は5月31日の壮行試合アイスランド戦(1-0)限定の追加招集で、「1週間限定」の代表活動を予定していた。試合では先発して14分間プレー。22年カタールW杯以来3年半ぶりの代表復帰で、国際Aマッチ出場は127試合(日本代表歴代3位)、この試合での年長出場は歴代5位の記録だ。前半14分ごろにピッチを去る際、両チームが花道を作り、国立競技場を埋めたファンから万雷の拍手が注がれた。
その幕引きから約1週間、吉田は再びチームに戻ってくる。
■ 遠藤が連日別メニュー、チームに生まれた空白
なぜ今なのか。
遠藤は2月11日のリバプールのリーグ戦(サンダーランド戦)で左足甲を負傷し、リスフラン靭帯断裂の診断を受けた。「足の甲の親指と人さし指をつなぐ靭帯が完全に切れていて、骨の開きが4ミリほどあった」として手術を選択。骨の開きがある以上、保存療法は選べなかった。W杯本番で足を踏まれてプレートが割れるリスクを避けるため、人工靭帯を採用する判断だった。
5月31日のアイスランド戦で約3カ月半ぶりに実戦に戻ったが、前半45分で「違和感」を訴えて交代した。その後のメキシコ合宿でも初日から練習会場に姿を見せず、ホテルで別メニュー調整が続く。山本委員長は「回復途中でリバウンドもある」と明かし、見通しは不透明だ。
主将がピッチ外に置かれる状況は、チームに目に見えない影響を与える。声かけ、試合前のムード作り、若い選手への経験の伝達——こうした役割の補完を、協会は37歳のベテランに求めた。
■ 「けがして引退してもいい」吉田が語った覚悟
吉田自身には葛藤があった。
W杯メンバー26人発表後、森保一監督から「チームに麻也の経験を伝えてほしい」と電話が入る。打診を受けた吉田が真っ先に感じたのは「W杯の準備の邪魔になるんじゃないか」という懸念。1晩考えて出した答えは「行く」だった。
「今までずっと日本を強くしたい思いでプレーしてきた。自分にできることはまだあるんじゃないか」
アイスランド戦の前、吉田はこう言い切った。「明日けがをして、引退してもいいという気持ちで来ている」。全体練習後には黙々とダッシュを繰り返す。コンディションの良さを指摘した記者には「ここで良くないと来た意味がないでしょう」と笑い飛ばした。
精神論を超えた実地の知識も、吉田はチームに持ち込む。吉田は23年夏から米プロリーグMLSのLAギャラクシーに在籍。W杯で導入される遅延行為防止の新ルールもMLSではすでに運用中で、コーチ陣も実地の知識を必要としていた。「W杯で勝つ可能性を1ミリでも1%でも上げられるように、自分の持っているものを一つでも多くチームに伝えていきたい」。吉田が語ったこの言葉に、協会側も動かされた。
■ 開幕6日前、本大会メンバー入りの可能性も
吉田は当初、今大会のピッチには立てないと受け止めていた。
だが、状況は変わりうる。山本委員長は「けが人の状況によってはメンバー入りの可能性もある」と明言した。サポートプレーヤーは緊急時に選手登録が認められる立場で、遠藤の回復次第では本番のピッチに立つ場面も排除できない。
アイスランド戦のころ吉田は「この合宿とアイスランド戦が僕にとってのW杯なので。もう毎日、思いをかみ締めながら練習している」と語っていた。向かう先がメキシコに変わった今、その言葉はより切実な重みを持つ。
6月11日の開幕まで6日。遠藤の復調は見通せず、37歳の役割は開幕後に変わる可能性を残している。
[文/構成 by たかなし もか]



























































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