サイゼリヤ、7月17日に上場来高値を更新 値上げ検討表明で連日大幅高、原価率42%でも111億円の最高益

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サイゼリヤ株が7月17日、一時前日比14.74%高の7,780円まで買われ、株式分割を考慮したベースで上場来高値を更新した。終値は7,600円で前日比12.09%高、16日のストップ高に続く連日の急伸となった。本稿は値上げ検討表明そのものより、この株高を支える原価率42%という同社特有の経営構造と、前期に記録した過去最高の純利益111億円に焦点を当てる。
終値7,600円、上場来高値を更新した1日
17日の東京株式市場で、イタリアンレストランチェーンを展開するサイゼリヤの株が大きく買われた。前日比820円(12.09%)高の7,600円で取引を終え、取引時間中には一時1,000円(14.74%)高の7,780円まで買いが進んだ。この7,780円という水準は、株式分割の影響を調整したベースで同社の上場来高値を更新するものだったと報じられている。
前日16日には、東証が定める値幅制限の上限である前日比1,000円(17.3%)高の6,780円でストップ高となっていた。2営業日連続の急伸で、株価は15日終値の5,780円から2日間で3割超上昇した計算になる。
きっかけは15日の決算と社長発言
買いを呼んだきっかけは、15日の取引終了後に発表された2026年8月期第3四半期(2025年9月〜2026年5月)決算と、松谷秀治社長の発言だった。決算会見で松谷社長は「消費者物価指数の動向を見ながら、9月以降の価格改定を視野に入れている」と述べ、全国一律の価格体系を見直し、立地で価格を変える案も選択肢に含めた。この発言に加え、同時に発表した期末配当予想の増額(30円から35円へ)も好感され、16日はストップ高、17日も買いが続いた。
値上げ検討表明の詳細な経緯や16日のストップ高については既報の通りだ。ここからは、この株高の土台にある収益構造に目を向ける。
原価率は42%、飲食業の目安3割を大きく超える
サイゼリヤの決算を読み解くと、一見して株高と矛盾するような数字が目に入る。2025年8月期の売上原価は約1,076億円で、売上高2,567億円に対する原価率は約42%に達した。飲食業界で目安とされる3割前後を、大きく上回る水準だ。
この原価率は決して低くない。2019年8月期には約36%だった原価率は、円安と食材価格の高騰を受けて6ポイントほど上昇した。値上げをせず価格を据え置いてきたため、コスト増の影響がそのまま原価率に跳ね返った。
それでも過去最高益を更新できているのは、販管費率の大幅な低下があるからだ。販管費率は2019年8月期の約58%から2025年8月期には約52%まで、6ポイントほど下がった。原価率の上昇分を、販管費率の低下がほぼ相殺した計算だ。
背景にあるのは、値上げをしない姿勢が客数増につながった好循環だ。2019年8月期から2025年8月期にかけて、客数は約2億2,800万人から3億人へ31%増え、客単価も686円から857円へ25%上昇した。この結果、売上高は1,565億円から2,567億円へ64%拡大し、販管費率の分母となる売上高が膨らんだことで比率そのものが下がった。QRコード注文やセルフレジの導入による店舗運営の効率化も、利益率の維持を後押ししている。原材料の生産から加工、配送までを自社で担う垂直統合型のビジネスモデルも、原価率上昇を抑える一因になっている。
前期純利益は111億円、37%増で過去最高
原価率の上昇を吸収した結果として表れたのが、2025年8月期(2024年9月〜2025年8月、第53期)の決算だ。売上高は2,567億1,400万円(前期比14.3%増)、営業利益は154億9,900万円(同4.3%増)、経常利益は158億500万円(同1.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は111億6,400万円(同37%増)で、いずれも過去最高となった。
この111億円という数字は、17日の株高で材料視された2026年8月期第3四半期(2025年9月〜2026年5月)累計の純利益87億円(前年同期比12%増)とは別の期間の数字だ。87億円は今期(2026年8月期)の9カ月分の途中経過であり、111億円は1期前(2025年8月期)の通期実績にあたる。両者を混同しないよう整理しておきたい。
値上げが実現すれば6年ぶり、焦点は9月以降に
松谷社長が示した価格改定の時期は「9月以降」で、踏み切るかどうかを含めてなお検討段階にある。実現すれば、2020年7月にミラノ風ドリアを299円から300円に改定して以来、約6年ぶりの本格改定になる。
原価率42%という高コスト体質を抱えながらも、客数増と販管費率の低下で利益を伸ばしてきたのがこれまでのサイゼリヤの戦略だった。価格改定に踏み切れば、原価率の圧力を和らげながら、これまで築いてきた集客力を維持できるかが問われる。9月以降に示される価格改定の詳細と、2026年8月期通期決算の着地が次の焦点だ。
[文/構成 by MEDIA DOGS編集部]




























































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