ハーランド、ワールドカップ8強で敗退 自らのファウルで勝ち越し弾取り消し、得点王も逃す

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン
サッカーのワールドカップ北中米大会は日本時間7月12日、準々決勝でノルウェーがイングランドに延長戦の末1-2で敗れた。エーリング・ハーランドは今大会初の無得点に終わり、味方の勝ち越し弾も自身のファウルが原因でVARにより取り消しに。今大会7得点のまま敗退が決まり、得点王の可能性も消えた。
↓ 詳細が気になる方は、このまま下へ ↓
エースが沈黙した90分プラス延長 酷暑の中で力尽きる
ワールドカップ準々決勝のノルウェー対イングランドは日本時間7月12日朝(現地11日夕)、米フロリダ州マイアミガーデンズのマイアミ・スタジアム(ハードロック・スタジアム)で行われ、ノルウェーが延長戦の末に1-2で敗れた。前半36分にアンドレアス・シェルデルップのゴールで先制しながら、ジュード・ベリンガムに2ゴールを許しての逆転負けだった。
この日のハーランド(25)=マンチェスター・シティ=は、最後まで本来の姿を見せられなかった。シュートはわずか2本で、枠内は1本のみ。前半には至近距離のヘディングシュートをGKジョーダン・ピックフォードに止められ、2対1の決定機も生かせなかった。この試合のゴール期待値はわずか0.11で、今大会の自己最低だった。
体感温度が38度を超える酷暑もその脚を奪った。後半には脚を痛めた影響もあり、延長戦の残り約15分でベンチに下がる。ノルウェーのスターレ・ソルバッケン監督は試合後、「交代させるのは難しい決断ではなかった。彼は力尽きていた」と語り、疲労が限界だったことを明かした。10分早く代えるべきだったとも認めている。
幻の勝ち越し弾 CK前のプッシュをVARが見逃さず
この試合、ハーランドの名前が最も大きく取り上げられたのは、皮肉にも得点場面ではなかった。1-1の後半10分、コーナーキックの流れからトルビョルン・ヘッゲムがネットを揺らし、ノルウェーが勝ち越したかに見えた。
だが、VARのチェックで判定は覆る。コーナーキックが蹴られる前、ハーランドがイングランドのエリオット・アンダーソンをペナルティーエリア内で押し倒していたことが確認され、ゴールは取り消された。今大会から導入されたルールでは、ボールがプレーに入る前の反則があった場合、コーナーキックはやり直しになる。
リードを奪ったはずの数分間が幻と消え、試合は振り出しに戻った。結果的に、この一件が8強敗退の分岐点になった。
7得点で終戦 メッシ、エムバペに届かず得点王も逃す
ハーランドは今大会、グループステージのイラク戦(4-1)とセネガル戦(3-2)で2得点ずつを挙げ、ラウンド32のコートジボワール戦(2-1)では86分に決勝点。ラウンド16のブラジル戦(2-1)でも2得点と、出場した4試合すべてでゴールを重ねてきた。イングランド戦が出場5試合目にして初の無得点だった。
得点ランキングは7得点で、8得点のリオネル・メッシとキリアン・エムバペを追う展開だった。だが、両者がなお勝ち残る一方でノルウェーの敗退が決まり、逆転の道は閉ざされた。初出場のワールドカップで得点王という夢は、あと一歩で届かなかった。
6得点で追うハリー・ケインとベリンガムのイングランド勢もまだ大会に残る。得点王の行方は、準決勝以降に持ち越しとなった。
「人生が変わった」28年ぶり出場のノルウェーを初の8強に導く
それでも、ハーランドとノルウェーが残したものは大きい。ワールドカップ出場は1998年フランス大会以来28年ぶりで、ラウンド16では優勝5回のブラジルを2-1で撃破。ハーランドの2ゴールで、史上初のベスト8に進んだ。
試合後のハーランドに悲壮感はなかった。「これはとんでもない旅だった」「正直、人生が変わったと思う」「ノルウェーを地図に載せられたと思う」と語り、スタンドのサポーターにあいさつを済ませてからピッチを後にした。
試合終了直後には、この日2ゴールのベリンガムと抱き合う場面もあった。2人は2020年から22年までドルトムントで63試合をともに戦った旧知の仲だ。明暗は分かれたが、互いの健闘をたたえ合った。
25歳のエースに次があるか 4年後へ視線はすでに前
ハーランドは今月21日に26歳の誕生日を迎える。キャリアの絶頂期で挑む次のワールドカップは、スペイン、ポルトガル、モロッコの3カ国を中心に開催される4年後の2030年大会だ。今大会で世代交代を印象づけたシェルデルップら若手も残っており、ノルウェーがこの躍進を一度きりで終わらせない土台はある。
クラブではマンチェスター・シティのエースとして得点を量産してきた。初めてのワールドカップで残した7得点は、8得点で並走するメッシとエムバペに次ぐ数字だった。28年待ったノルウェーの挑戦はいったん幕を下ろしたが、その物語はまだ序章にすぎない。悔しさと手応えの両方を胸に、ハーランドは次の4年へ歩き出す。
[文/構成 by スポーツライター 久遠(KUON)]







































































コメントはこちら