くりえみとは誰で何者?月給5万円の元アイドルが月商1億の”AI起業家”になるまでの経歴とは

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン
くりえみ(32)は、グラビアアイドルから起業家に転身し、現在はAI関連事業を手がける連続起業家だ。月給5万円のアイドルグループ時代を経て独立し、SNS総フォロワー数は約270万人に達する。2023年にはAI研究開発企業AiHUBのCMOに就任、日本初のバーチャルヒューマン芸能事務所「Pinyokio」を設立した。
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「くりえみ」とは何者か
くりえみとは。4月には4冊目の写真集「生栗」を発売し、5月にはAIフィルムコンテストの授賞式を日本工学院蒲田キャンパスで開催。さらにAIスクール「ユニコスクール」との共同セミナーにも定期的に登壇するなど、グラビアとAIビジネスの両軸で露出が増え続けている。
公式サイトによると、SNS総フォロワー数は約270万人。Instagram135万人、X(旧Twitter)70万人、YouTube32万人、TikTok14万人、中国のbilibili17万人という内訳だ。
高校1年で渋谷スカウト、月給5万円のアイドル時代
本名は栗田恵美。1994年6月14日、千葉県生まれ。高校1年のとき渋谷でスカウトされ、芸能界に入った。文春オンラインのインタビューでは「沢尻エリカさんの1リットルの涙を見てお芝居をやりたいと思った。両親にはアナウンサーになるとうそをついてオーディションを受けた」と語っている。
2012年6月、日テレジェニック2012候補生45名のなかからグランプリに選ばれる。2014年にはミスアクション2014でもグランプリを受賞し、グラビアタレントとしての地位を固めた。
同年11月、ミリタリーアイドルグループ「転校少女歌撃団」の初期メンバーとして活動を開始する。だが、集団行動への苦手意識が年々強まった。文春オンラインで「突然生きづらさを覚えた」「誰かに従うことが無理なんだなと思った」と当時を振り返っている。グループの月給は5万円。休みも満足になかった。
2018年4月にグループを卒業し、同年9月に芸名を「くりえみ」に改名。事務所を離れ、セルフプロデュースに舵を切る。
独立後、SNSで爆発的にフォロワーを獲得
改名後のくりえみが武器にしたのはSNSだった。「SNSのフェチ天使」というキャッチコピーを掲げ、InstagramやXにフェティッシュな写真を自主的に投稿。独自のセルフプロデュース戦略で、フォロワー数はみるみる伸びた。
さくらインターネットの公式メディア「さくマガ」のインタビューでは「自分のことを商品だと思っている。くりえみという1個の商品を、本当の私が作ったみたいな感じ」と明かしている。誰かに管理される側からの脱却が、彼女のキャリアの一貫したテーマだ。
2021年、美容事業で起業――そして売却
2021年7月、くりえみはS&E株式会社を設立した。自身の髪の悩みから開発したクリームシャンプー「AIMERTÉ」と、若年層向けオンラインAGA診療のサブスクリプションサービスが主力事業だった。
さくマガのインタビューでは「コロナ禍でイベントができなくなり、事務所に雇われている限り自分のやりたいことはできないと思った」と起業の動機を述べている。
だが美容クリニック市場はコロナ後に急速に競争が激化する。大手企業が月に2〜3億円規模の広告費を投入する環境のなかで、差別化の限界を感じた。文春オンラインのインタビューによると、くりえみは美容事業を売却し、わずか3日で次の事業のリサーチを開始した。
「#AI美少女」との出会いがすべてを変えた
売却後にXを調べていたくりえみの目に飛び込んだのが「#AI美少女」というハッシュタグだった。生成AIで作られたセクシーな女性画像が大きな話題を呼んでいた時期だ。
「これだ、次はAIをやろうとすぐに決めた」。文春オンラインで彼女はそう語る。前の会社では芸能活動と経営の両立が社員から問題視され、「グラビア?コスプレ?何それ」と言われた経験があった。「自分そのものを事業にすれば、みんな認めざるを得ないんじゃないか」「生成AIでもう一人の自分を作って芸能活動をさせたら、100%経営に集中できる」。この発想がAI事業参入の原点だった。
X上でクオリティの高いAI美少女を制作していたクリエイターにDMを送り、100万円するパソコンを即決で購入。そのクリエイターが所属していたのが、後にくりえみがCMOとして参画するAiHUB株式会社だった。
AiHUB CMO就任、そしてPinyokio設立
2023年9月8日、くりえみはAiHUB株式会社のCMO(最高マーケティング責任者)に就任した。PR TIMESのプレスリリースで正式に発表されている。AiHUBは日本のオープンソース生成AIコミュニティから生まれた研究開発型企業で、アニメやバーチャルヒューマンに特化したAI技術を追求する。
同年12月19日には、AiHUBの出資により日本初のバーチャルヒューマン芸能事務所「ぴにょきお株式会社」(英名:Pinyokio)を設立。くりえみが代表取締役CEOに就任した。生成AIで学習させたタレントやインフルエンサーの「分身」をプロデュースする事業だ。
IT専門メディア「Think IT」のインタビューでは、タレント本人のAI学習権利を400〜500人規模で取得していると語っている。現時点ではAIエンタメが一般層を「感動させる」段階にはまだ至っていないと冷静に認めつつ、「スイッチが切り替わる瞬間に備えてIP権利という資産を積み上げる」と戦略を明かした。
著書「個で戦う時代の教科書」と写真集「生栗」
2025年11月28日、初の著書「個で戦う時代の教科書」を出版。月給5万円のアイドル時代からフォロワー200万人超の経営者になるまでの実践的なSNS戦略をまとめた一冊だ。Amazonでは「読みごたえあり」「めちゃくちゃ読み応えもあって素晴らしい」といったレビューが並ぶ。
2026年4月28日には4冊目の商業写真集「生栗(なまぐり)」を玄光社から発売。オーストラリア・ケアンズで撮影された。「大人の色気たっぷりの生感」を打ち出した内容で、発売イベントには多くのファンが駆けつけた。
AIフィルムコンテスト――407作品が集まった新たな試み
2026年5月10日、日本工学院蒲田キャンパスの片柳記念ホールで「くりえみ AIフィルムコンテスト」の授賞式が開催された。AIツールを活用した短編映像作品のコンテストで、Google Cloud、HP、TOPPAN、日本工学院、東京藝術大学などがスポンサーとして参画している。
応募総数は407作品。日本工学院の公式ニュースでも紹介されるなど、教育機関からも注目を集めた。くりえみ自身のIPをクリエイターに開放し、自由に作品を制作してもらうという形式は、AI時代の新たなタレントビジネスの実験だ。
現在の立ち位置と複数の顔
2026年7月現在、くりえみの肩書きは複数ある。AiHUB株式会社CMO、ぴにょきお株式会社(Pinyokio)CEO、KURIEMI株式会社代表。芸能面ではTWIN PLANET ENTERTAINMENTと業務提携を続け、タレント活動も並行する。
ユニコスクール(AIエージェント専門スクール)とは隔週金曜日にAIセミナーを共同開催し、AI動画制作の講座を担当している。2026年5月にユニコスクールが月商1億円を突破したことがスクール運営者のユニコ氏から発表された際、くりえみの名前がともに挙がったことで「グラビアタレントがAI教育で月商1億?」と話題になった。ただし、月商1億はユニコスクール側の数字で、くりえみはセミナー講師としての参加だ。
波乱を乗り越えるタフさ
順風満帆に見えるキャリアだが、トラブルにも事欠かない。2025年4月には自身の会社口座から3000万円以上を横領されたことをXで報告し、スポニチが報じた。2024年にはサンフランシスコ行きの飛行機内で術後の傷口が裂け、敗血症寸前に陥る壮絶な経験もしている。日刊スポーツやTBS NEWS DIGが詳報した。
それでも立ち止まらないのが、くりえみのスタイルだ。RBB TODAYのインタビューで「テクノロジーの力で今までできなかったことを可能にする」というミッションを掲げ続けている姿が伝えられている。
グラビアとAIの間で――32歳の現在地
月給5万円のアイドルだった少女は、14年の時を経て複数のAI関連企業を経営する32歳になった。グラビアを「安っぽい」と見る偏見に対して、経営者としての実績で答えを出すというのが彼女のやり方だ。
さくマガのインタビューでの言葉が、その姿勢をよく表す。「やりたいって言うことは誰にでもできるけど、待っているだけでは実現しない。行動が大事」。AI時代に「個で戦う」ことを実践し続ける彼女の動きは、今後も注目を集め続けるだろう。
[文/構成 by さとう つづり]



































































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