横手高校、57年ぶり2回目の夏の甲子園出場 秋田大会決勝で大曲工業を7-1で下す

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第108回全国高校野球選手権秋田大会決勝が7月21日、こまちスタジアムで行われ、横手が大曲工業を7-1で破って優勝した。1969年以来57年ぶり2度目の夏の甲子園出場となる。エース佐藤宙斗(3年)が9回117球を投げ抜き、1失点12奪三振の完投勝利だった。
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初回から加点、佐藤宙斗が12奪三振完投
横手は初回、1死満塁の好機で5番・武田修治(3年)の中犠飛が二塁走者をかえし、まず1点を先制した。2回には無死満塁からさらに好機を広げ、1番・三浦悠聖(2年)が2点適時打を放って3-0とリードを広げている。5回、6回にはそれぞれ2点を加え、終わってみれば7-1の大差だった。
大曲工業が唯一の得点を返したのは4回。それ以外の8イニングを無得点に抑えられ、横手からリードを奪い返す場面はなかった。
マウンドを守った佐藤宙斗は9回を117球で投げ切り、許した安打はわずか4本、奪った三振は12個に達する。1失点完投で秋田の頂点に立った。
シード校がまさかの初戦敗退、大混戦の秋田大会
今大会の秋田は序盤から大波乱だった。7月9日には、第1シードで今春の県大会を制した秋田商が秋田工に1-5で敗れ、第2シードで春の準優勝校・鹿角も延長10回タイブレークの末に湯沢に4-7で競り負けている。昨秋の県大会を制したノーシードの明桜も新屋に3-5で敗れ、上位校が初日から次々と姿を消した。
その混乱に拍車をかけたのが、7月10日の金足農の敗退だった。夏3連覇を狙っていたノーシードの金足農は3回に先制したものの、横手に4回で逆転を許し、7回にも加点されて3-1で敗れている。実は横手は今春の県大会でも金足農に6-2で逆転勝ちしており(初回に先制を許すも3回に3点を奪い逆転)、その勝利で夏の大会のシード権をつかんでいた。夏の初戦で再び金足農を下したことは、決勝までの快進撃の起点になった。
準々決勝は7月17日、シードの横手が今春の県大会3位・秋田修英に3-2で競り勝ち、5年ぶりの4強入りを果たした。同じ日、大曲工業も秋田西を7-2で下し、9年ぶりの準決勝進出を決めている。準決勝(7月19日)で大曲工業が3-0で下した新屋は、初戦で明桜を破った実力校だった。
横手勢対決を制して決勝へ、10年ぶりと57年ぶりの一戦
横手の準決勝の相手は、同じ横手市内の横手城南。ノーシードから4強まで勝ち上がってきた地元同士の対決を、横手が10-4で制して決勝に駒を進めた。
決勝の相手となった大曲工業は、2016年以来10年ぶり2度目の優勝を懸けていた。10年ぶりの頂点を目指す大曲工業と、57年ぶりを目指す横手との顔合わせは、大会前から地元の関心を集めていた。
佐藤宙斗「1人で投げ抜くぞと」、山信田監督「選手が力証明」
佐藤宙斗は決勝後、「この1勝を絶対につかみ取りたいと、この大会を通して実力のある高校さんに対しても自分1人で投げてきたので、決勝も自分1人で投げ抜くぞと思っていました」と振り返った。県大会の登板は5試合中4試合が完投で、通算39イニングを投げて5失点にとどめている。
指揮を執る山信田善宣監督(49)は就任5年目、指導歴20年以上にして初めての甲子園出場となった。「選手たちが力を証明してくれて、本当に最高です」と喜びを語り、「対戦した学校さんから育てていただいたと思っています」と対戦相手への感謝も口にした。
母校に戻ったナインを、高橋透校長は涙ながらに出迎えた。「こんなにうれしいことはない。どうもありがとう」。集まった卒業生の1人、72期生のOBは「57年待ったので本当にうれしい。現実になって校歌を聞いたら、やっぱり涙が出てきた」と喜びをかみしめた。
かまくらとやきそばの街、57年ぶりの悲願に沸く
横手市は急きょ、生涯学習館「Ao-na」でパブリックビューイングを開いた。優勝が決まった瞬間、集まった約100人が拳を突き上げて喜びを爆発させた。卒業生らはテレビから流れる校歌を口ずさんだという。市秘書広報課の担当者は「57年ぶりの悲願ですから、盛り上がっています」と地元の高揚感を語った。一方で関係者からは「みんな応援に行きたいが、なにせ久しぶりでノウハウもない」ととまどいの声も上がっている。横手高校は終業式を1日延期し、全校で決勝の行方を見守っていた。
横手市は450年続く伝統行事「かまくら祭り」や、目玉焼きをトッピングした横手やきそばで知られるB級グルメの街だ。漫画原画専門の美術館や、作家・石坂洋次郎の文学記念館もある。1898年創立の横手高校は、衆院議員の御法川信英を卒業生に持つ地域の伝統校でもある。
前回出場は1969年、伝説の決勝から57年
横手の前回の夏の甲子園は1969年。1回戦で平安に1-3で敗れている。この年の決勝は松山商対三沢のカードで、延長18回0-0の引き分け再試合の末に松山商が4-2で制した大会史に残る一戦だった。三沢のエース・太田幸司は準優勝投手として大きな注目を集めている。
あれから57年、横手は甲子園の舞台に戻ってくる。第108回全国高校野球選手権大会は8月5日に開幕し、22日までの18日間、阪神甲子園球場で熱戦が繰り広げられる。1〜3回戦の組み合わせ抽選は8月1日にオンラインで行われる予定だ。
山信田監督は甲子園での目標を「校歌を歌うこと」と語った。57年ぶりの夏、横手ナインの挑戦はここから始まる。
[文/構成 by スポーツライター 久遠(KUON)]


































































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