西条農業高校駅伝、男子31年ぶり・女子22年ぶりのアベック優勝 広島県立西条農業高等学校のメンバー

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン
全国高校駅伝の広島県予選が11月1日、三次市のみよし運動公園陸上競技場を発着点とするコースであり、広島県立西条農業高等学校(東広島市)が男女とも優勝した。男子は2時間6分8秒で31年ぶり5回目、女子は大会新記録で22年ぶり3回目の頂点。男子は世羅高校の連覇を22で止め、男女そろって12月20日に京都市で開かれる全国大会(都大路)へ進む。
男子は1区から首位を譲らず世羅の22連覇を止めた
男子第77回、女子第38回の全国高校駅伝につながる県予選で、男子は7区間42.195キロに県内42チームが出場した。三次市のみよし運動公園陸上競技場を出て戻るコースは上りと下りが激しく、区間の距離も3キロから10キロまでばらつく。レースは午前11時にスタートした。西条農業は1区から一度も先頭を明け渡さず、2時間6分8秒でフィニッシュ。31年ぶり5回目の優勝で、全国大会は2年ぶり10回目の出場になった。
流れをつくったのは10キロの1区だった。原心傘が29分40秒の区間賞で走り、最初の中継所をトップで通過する。原は大会直前に左膝を故障しており、そのなかでの区間賞だった。2位で続いたのは広島国際学院で、世羅は3位からの追走になった。
3区(8.1075キロ)で世羅の中西雄也が24分28秒の区間賞を出し、世羅が2位に浮上する。だが、西条農業は4区(8.0875キロ)の仲重柊晴が23分46秒の区間賞で応え、首位を守った。3キロの5区、5キロの6区でも中継所の順位は変わらない。最後の7区(5キロ)を任された久田祐也が、午後1時過ぎにトップでゴールへ飛び込んだ。
2位は世羅、3位は広島国際学院、4位は沼田、5位は千代田、6位は広島皆実と続いた。世羅は2004年から県予選を勝ち続けていたが、その連覇は22で途切れた。全国大会では歴代最多の11回の優勝を重ねてきた名門で、2025年も22年連続55回目の都大路に出場していた。県内のライバル校にとって、長く越えられない壁だった。
公表された男子の主な走者
| 区間(距離) | 走者 | 記録・結果 |
|---|---|---|
| 1区(10キロ) | 原心傘 | 29分40秒で区間賞、 |
| 2区(3キロ) | 千葉 | 原からたすきを受け、 |
| 4区(8.0875キロ) | 仲重柊晴 | 23分46秒で区間賞、 |
| 7区(5キロ) | 久田祐也 | 1位でフィニッシュ |
3区、5区、6区の走者と、世羅とのタイム差は11月2日時点で報道に出ていない。
女子は1時間8分台の大会新、銀河学院の3連覇を阻む
女子は5区間21.0975キロに県内24校が出場した。西条農業は1区から首位を走り、1時間8分台の大会新記録で優勝。2004年以来22年ぶり3回目の頂点に立ち、全国大会は3回目の出場となる。
レースは午前11時10分にスタートした。6キロの1区は大歳愛永が先頭で中継し、4.0975キロの2区も藤本華琳がトップを守る。銀河学院は1区、2区とも2番手、世羅は3番手で続いた。
3キロの3区では銀河学院の川手が区間最速で走ったものの、西条農業は首位を譲らなかった。3キロの4区を経て、5キロの5区を走ったアンカーの藤井柑奈がゴールテープを切った。
銀河学院は前年のタイムを59秒縮める1時間9分26秒でゴールしたものの、3連覇はならなかった。西条農業との差は30秒あまり。銀河学院の森政監督は「力負け」と認めた。
公表された女子の主な走者
| 区間(距離) | 走者 | 記録・結果 |
|---|---|---|
| 1区(6キロ) | 大歳愛永 | 首位で中継 |
| 2区(4.0975キロ) | 藤本華琳 | 首位で中継 |
| 3区(3キロ) | 檜山果子 | 首位で中継 |
| 4区(3キロ) | 馬上杏奈 | 首位で中継 |
| 5区(5キロ) | 藤井柑奈 | 1位でフィニッシュ |
西条農業の区間ごとの記録は、11月2日時点で報道に出ていない。
2025年の県予選は銀河学院が1時間10分25秒(速報値)で2連覇を飾り、2位が世羅、西条農業は3位だった。1年で順位を二つ上げ、優勝タイムの水準も1分以上引き上げての戴冠となる。
世羅一強だった広島の勢力図が動いた
広島県の高校駅伝は、長く世羅の時代が続いた。女子も世羅が2009年から2023年まで15連覇を果たし、男女そろっての県制覇は2023年で15年連続に達していた。
変化が出始めたのは2024年だ。女子で銀河学院が1時間10分42秒で初優勝し、世羅の女子の連覇を15で止めた。この年の男子は世羅が21連覇を飾り、2位に入ったのが西条農業だった。2025年も男子は世羅、女子は銀河学院が制している。
2026年は、その両方の流れを西条農業がまとめて塗り替えた。同じ年に男女とも県予選を制した学校が出たのは、2023年の世羅以来となる。
選手と監督が語った言葉
男子1区の原は「雑草魂。入学後から『絶対に世羅を倒す』と思って走ってきた」と話した。
女子のアンカーを務めた藤井は「1秒を削ることにこだわった1年。みんなで長い壁を打ち破ることができた」と語っている。
敗れた側の言葉も残った。世羅を今季から率いる箱崎監督は「ベストメンバー。一度も先頭に立てなかったことが差となった」と語った。1区で先手を取られ、そのまま押し切られたレースだった。
東広島市鏡山の農業高校「西農」
広島県立西条農業高等学校は、東広島市鏡山にある県立の農業高校。1910年に広島県立西条農学校として開校し、創立から100年を超える。地元では「西農(さいのう)」の愛称で呼ばれ、農業に関する7つの学科をそろえる。
西条農業は1959年、第10回全国高校駅伝に初めて出場し、2時間14分27秒で優勝している。
駅伝では、男子が2015年の全国大会に出場したあと、2024年には中国高校駅伝で2位に入り、9年ぶりに都大路を走った。中国高校駅伝では1区の11位から順位を上げ、最後は世羅を9秒差で抑えて2時間10分35秒で地区代表をつかんだ。このときの全国大会は2時間12分33秒の52位で、3年生は1人だけという若いチームだった。それから2年、今度は地区大会を経由せず、県予選の優勝で全国への切符をつかんだ。
女子にとっては22年ぶりの県制覇。同じ学校の男女が同じ大会でそろって優勝することを、駅伝ではアベック優勝と呼ぶ。西条農業は男子が31年、女子が22年という長い空白を同じ日に埋め、男女そろって全国大会に挑む。
全国高校駅伝は12月20日、京都で男女そろって出場
全国高校駅伝は12月20日、京都市で開かれる。男子は7区間42.195キロ、女子は5区間21.0975キロで、県予選と同じ距離を走る。西条農業は男子が10回目、女子が3回目の出場となる。男子は2024年に地区代表として出た前回の52位から、どこまで順位を上げられるか。県予選で区間賞を取った1区の原と4区の仲重が、全国の強豪校の主力とどう渡り合うかも見どころになる。
世羅の連覇を止めた男子と、大会新で勝ち切った女子。広島代表として、同じ日に都大路を駆ける。
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[文/構成 by スポーツ担当ライター 南條楓]










































































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