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大の里、熱海富士を下して11勝1敗の単独首位 最短13日目に優勝決定の可能性

大の里、熱海富士を下して11勝1敗の単独首位 最短13日目に優勝決定の可能性

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大相撲秋場所12日目の9月24日、横綱大の里が関脇熱海富士を下手出し投げで破り、11勝1敗で単独首位を守った。3敗で追うのは大関安青錦、関脇藤ノ川、平幕朝乃山の3人。13日目に大の里が勝ち、3人がそろって敗れれば、6場所ぶり6度目の優勝が決まる。

右下手からの出し投げ、今年3連敗の相手を退ける

東京・両国国技館で9月24日に行われた秋場所12日目。結びの一番で、東横綱の大の里(26)=二所ノ関=と東関脇の熱海富士(24)=伊勢ヶ濱=が顔を合わせた。立ち合いでやや押し込まれたのは大の里の方だった。それでも右を差して素早く下手をつかむと、下がりながら体を開き、出し投げを打つ。頭を下げて前へ出ようとしていた熱海富士は、前のめりに土俵へ落ちた。

決まり手は下手出し投げ。大の里は11勝1敗とし、1敗を守った。

大の里にとって、熱海富士は今年の鬼門だった。全休した5月の夏場所を除き、今年は毎場所この相手に敗れて3連敗中。今年まだ賜杯を抱けていない大きな要因とされてきた相手を、優勝争いの終盤で退けた。

節目の白星でもある。この一番で大の里は通算200勝に届いた。

取組後の大の里は「ここ数場所、負けている相手。勝てたことは大きい」とうなずき、200勝については「しっかり積み重ねたい」と話した。日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)は「(大の里の)投げは初めて見た。大事な相撲だった」と評価している。

関連記事:大の里、秋場所4日目に高安の突き倒しで初黒星 高安は36歳6カ月で通算7個目の金星

12日目を終えた星勘定、3敗は3人に絞られる

12日目の取組が始まる前、1敗の大の里を追う3敗力士は6人いた。この日、3敗同士や3敗力士と上位の対戦が組まれ、ふるい落としが進んだ。

安青錦は金峰山を寄り切り、藤ノ川は大関霧島を押し倒した。朝乃山は同学年の美ノ海との3敗対決を寄り切りで制している。一方、熱海富士、金峰山、美ノ海の3人は4敗目を喫し、3敗の列から外れた。

関連記事:安青錦、藤ノ川に敗れ3連敗で3勝3敗 秋場所6日目、初日から3連勝の大関が急失速

12日目を終えた時点の上位は次のとおりだ。

成績力士(番付)13日目の相手
11勝1敗大の里(東横綱)霧島(大関、6勝6敗)
9勝3敗安青錦(東大関)琴桜(大関、8勝4敗)
9勝3敗藤ノ川(西関脇)美ノ海(西前頭3枚目、8勝4敗)
9勝3敗朝乃山(東前頭6枚目)熱海富士(東関脇、8勝4敗)
8勝4敗熱海富士、琴桜、美ノ海、金峰山、若元春、藤青雲、宇良-

2敗の力士はいない。大の里と2番手グループの差は2勝で、首位は大の里ただ一人だ。

13日目に決まる条件を星の数で検算する

秋場所は9月13日に初日を迎え、千秋楽は9月27日。12日目を終えて、残りは13日目、14日目、千秋楽の3日間になる。

大の里が13日目に勝てば12勝1敗。この時点で、大の里の最終成績は最低でも12勝3敗になる。3敗の3人が13日目にそろって負けると、3人とも9勝4敗となり、残り2日を全勝しても11勝4敗までしか伸びない。12勝に届く力士が大の里以外にいなくなり、優勝が決まる。

4敗の7人も同じ理屈で届かない。8勝4敗から3連勝しても最大11勝4敗で、大の里が13日目に勝った時点で可能性が消える。

では、どちらかの条件が崩れた場合はどうなるのか。

3敗の3人のうち1人でも13日目に勝てば、その力士は10勝3敗となり、2連勝すれば12勝3敗まで届く。大の里が残り2日を連敗すると並ぶ計算で、優勝決定戦の可能性が残るため、13日目の決着にはならない。大の里自身が13日目に敗れた場合も同じく持ち越しだ。

13日目の割は、3敗の3人がそれぞれ別の相手と組まれた。安青錦は結び前で大関琴桜、藤ノ川は美ノ海、朝乃山は熱海富士と当たる。3敗同士の直接対決はなく、3人がそろって黒星を喫する展開もありうる。

大の里の相手は大関霧島(30)=音羽山=。対戦成績は大の里の10勝1敗で、初顔合わせから10連勝したあと、7月の名古屋場所で初めて敗れている。霧島は12日目に藤ノ川に押し倒されて6勝6敗となった。

4日目の初黒星から11勝、優勝すれば横綱として2度目

秋場所の大の里は、初日に小結大栄翔をはたき込むと3連勝で滑り出した。止まったのは9月16日の4日目。東前頭2枚目の高安に突き倒され、初黒星を喫した。

関連記事:大の里、秋場所2日目も白星で2連勝 綱取り目指す霧島や大関復帰の安青錦も勝利

そこから崩れなかった。5日目の義ノ富士戦から白星を積み重ね、11日目には過去2戦2敗だった藤ノ川を寄り切った。12日目の熱海富士戦を含め、4日目の黒星以降は8連勝となる。

師匠の二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)は、スポーツニッポンの評論で熱海富士戦を「大の里の作戦勝ち」と表現した。夏巡業では熱海富士と三番稽古を行い、大の里は手を焼いていたという。「力勝負には付き合わず、現役屈指の圧をうまくかわした冷静な対応が良かった」と評し、「とにかく全部勝つ気持ちで戦ってほしい」と注文をつけた。

大の里は2025年9月の秋場所で、横綱昇進後初の優勝を決定戦で手にした。これが通算5度目の優勝だった。その後は賜杯から遠ざかった。今年は3月の春場所で初日から3連敗し、左肩のけがで4日目から休場。5月の夏場所は全休している。

秋場所で優勝すれば、昨年秋場所以来6場所ぶり6度目。横綱としては2度目の優勝になる。

熱海富士は4敗目、大関昇進は極めて厳しく

敗れた熱海富士は、大関昇進を目指して今場所に臨んでいた。7月の名古屋場所では12勝3敗で優勝決定巴戦に進んだが、安青錦に敗れて初優勝を逃している。

関連記事:熱海富士、千秋楽本割で安青錦を破るも優勝決定巴戦で初優勝ならず 熱海育ちの関脇の歩みを整理

秋場所は3日目に隆の勝、7日目に安青錦に敗れながらも白星を重ね、10日目に8勝2敗で勝ち越しを決めた。だが、11日目に霧島に寄り切られて3敗目。12日目の大の里戦で4敗目となり、成績は8勝4敗になった。

大関昇進の目安とされるのは「三役で3場所33勝」だ。熱海富士がこれに届くには、今場所12勝が必要だった。4敗目で残り3日を全勝しても11勝にとどまり、目安の33勝には届かない。今場所後の大関昇進は極めて厳しくなった。

取組後の支度部屋で、熱海富士は付け人を介して取材に応じない意向を伝えた。九重審判長(元大関千代大海)は「攻め急いで当たれてない」と内容に触れつつ、昇進については「(33勝に)届かないから一言もない」と言及を避けた。

熱海富士は13日目、3敗の朝乃山と対戦する。大の里の優勝が決まるかどうかは、熱海富士の白星にもかかっている。

12日目の取組後、大の里は「また一日一番、集中してやっていきます」と語った。9月25日の13日目で決着するかどうかは、4つの取組の結果次第だ。

[文/構成 by スポーツライター 疾風(HAYATE)]

寄稿者

疾風(HAYATE)
スポーツニュースサイトでの執筆を経て、ゴルフ、競馬、大相撲、フィギュアスケート、陸上など、競技の枠を越えてスポーツ記事を書いてきたWEBライター。経験は6年。大会結果や記録、番付、レース展開など、数字と公式記録を土台に「何がすごかったのか」を整理する記事を得意としている。ルールや採点方式が分かりにくい競技でも、初めて観る人がその一戦を楽しめるよう、背景や見どころまでかみくだいて伝えることを心がけている。主な執筆分野は、ゴルフ、競馬、大相撲、フィギュアスケート、陸上、バスケットボール。

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