旗手怜央、バーンリーへ完全移籍を発表。三重・鈴鹿から欧州へ、川崎・セルティックで築いた経歴

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イングランド2部バーンリーが9月1日、セルティックから日本代表MF旗手怜央(28)=三重県鈴鹿市出身=の完全移籍を発表した。契約は2029年夏までの3年。移籍市場最終日、宿敵ブラックバーンへ向かう途中での急転劇だった。旗手にとって初のイングランド挑戦となる。
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移籍市場最終日、宿敵から奪う形での電撃加入
バーンリーは現地時間9月1日、セルティックからMF旗手怜央を完全移籍で獲得したと発表した。契約は2029年夏までの3年間。移籍金は非公表とした。
イングランド・チャンピオンシップ(2部相当)を戦うバーンリーは、昨季プレミアリーグから降格し、1年でのトップリーグ復帰を目指す。中盤の複数ポジションをこなし、攻撃参加とパスワークを持ち味とする旗手は、昇格を狙うチームの即戦力として期待される。
決め手となったのは、締め切り直前の駆け引きだった。英talkSPORTによると、旗手は移籍市場最終日の夕方まで、同じチャンピオンシップのブラックバーンへ向かっていた。当初、セルティックとブラックバーンはレンタル移籍で合意し、旗手は移動許可を得てメディカルチェックへ向かっていたという。
だが、セルティックは完全移籍での放出を望んでいた。旗手がブラックバーンのメディカルへ向かう間に、バーンリーが名乗りを上げ、合意にこぎ着けた。英メディアはこの経緯を「ハイジャック」と表現している。
バーンリーの本拠地ターフ・ムーアと、ブラックバーンの本拠地イーウッド・パークはわずか24キロしか離れていない。両クラブは古くから激しく争う「イーストランカシャー・ダービー」の間柄だ。今季最初の対戦は11月22日、バーンリーのホームで組まれている。
鈴鹿の少年が歩んだ、川崎からグラスゴーへの道
1997年11月21日、三重県鈴鹿市に生まれた旗手は、FC四日市のジュニアで育った。静岡学園高校、順天堂大学を経て、2018年に川崎フロンターレへ加入する。大学でプレーしていた頃からJリーグのスカウトに注目されていた。
川崎ではJ1リーグ連覇に貢献した。2020年と2021年の2シーズンで公式戦77試合に出場し、12得点。2021年にはJリーグのベストイレブンに選ばれた。順天堂大学出身の攻撃的な選手が、日本を代表するクラブで主力へと成長した。
転機は2022年1月に訪れる。当時アンジェ・ポステコグルー監督が指揮していたセルティックへ、4年契約で移籍した。初の海外挑戦だった。
セルティック・パークでの立ち上がりは鮮烈だった。2022年1月のデビュー戦、対ハイバーニアン戦でいきなりマン・オブ・ザ・マッチに選ばれる。その2週間後、宿敵レンジャーズとの「オールドファーム・ダービー」で2得点1アシストを記録し、一気に主力へと駆け上がった。
以降はグラスゴーの中心選手として走り続けた。在籍した各シーズンでリーグ優勝を経験し、スコティッシュカップ2回、リーグカップ2回のタイトルにも貢献。公式戦通算191試合で33得点を挙げた。プレミアシップの年間ベストイレブンにも2度選出されている。
日本代表としては、2021年の東京五輪代表に名を連ねた。A代表では通算11試合に出場している。
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「僕にとって素晴らしい移籍」本人と古巣の言葉
旗手はクラブ公式サイトを通じてコメントを寄せた。「これは僕にとって素晴らしい移籍。イングランドでプレーするのは初めてで、この素晴らしいクラブに加入できてうれしい」
続けてこう意気込みを語った。「自分の経験と知識をロッカールームに持ち込み、目標達成のためにピッチ上で可能な限り貢献したい」
昨季のセルティックでは、プレミアシップ30試合で2得点2アシスト。ヨーロッパリーグでも9試合で3得点を挙げた。ただ、シーズン終盤から先発機会が減り、今季の公式戦出場はチャンピオンズリーグ・プレーオフのLASK戦2試合の途中出場にとどまっていた。出場時間を求めての新天地選びだった。
古巣も別れを惜しんだ。セルティックのショーン・マロニー・アシスタントコーチは、対戦相手として長く旗手を見てきた立場からこう語っている。「彼は素晴らしい選手だと思う。ここでの彼の働きは本当に良かった。多くのタイトルを勝ち取った。もし彼が去るなら、個人的にとても寂しくなる」
移籍金について、セルティック系メディア『セルティック・ウェイ』などは、追加報酬を含む650万ポンド(約14億円)で合意したと報じている。一方、バーンリーは公式サイトで金額を非公表とし、BBCも移籍金には触れていない。
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「脱出成功」「楽しみでしかない」ファンが沸いた
発表を受け、日本のファンからは歓迎の声が相次いだ。出場機会が限られていた状況からの移籍だったこともあり、「脱出成功」「ついに来た」といった投稿がSNSで広がった。
移籍発表の翌日、旗手は自身のインスタグラムを更新し、セルティックとファンへ長文のメッセージを綴った。
「セルティック・ファミリーの皆さんへ。まずは、この4年半に渡る素晴らしい時間に心から感謝します。セルティックへの移籍は、僕のサッカー人生において最も刺激的な挑戦の1つでした」
初めてセルティック・パークに立った日のことも振り返っている。「満員のスタジアムを目にし、大地が揺れるほどの大きな声で歌われる『You’ll Never Walk Alone』を耳にした時、全身に鳥肌が立ちました。そして、よし、このクラブのために自分のすべてを捧げよう、と心に決めました」
苦しい時期にも触れた。「思うような結果が出ず、心が折れそうになったこともありました。それでも、雨の日も雪の日も、勝っている時も負けている時も、ファンの皆さんはセルティック・パークに駆けつけ、全力で私たちを後押ししてくれました」
最後は再会を誓う言葉で締めくくった。「さようなら、とは言いません。また会いましょう。その時まで」
初のイングランドで挑む、昇格争い
旗手が加わるバーンリーは、ニッキー・ハイエン監督のもとで昇格を目指す。移籍市場最終日には、ブライトンからDFイゴール・ジュリオ、リーズからFWラルジー・ラマザニも獲得し、戦力を積み増した。
11月22日には、ブラックバーンとの「イーストランカシャー・ダービー」が控える。ブラックバーンには日本代表FW大橋祐紀やMF森下龍矢が所属する。移籍の経緯もあり、日本人選手が絡む一戦への注目が高まる。
鈴鹿で生まれ、川崎で日本を代表する選手となり、スコットランドで9つのタイトルを積み上げた旗手が、28歳でイングランドの舞台に立つ。欧州での第二章が始まる。
[文/構成 by 橘すろべ]


























































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