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箱根『金乃竹 仙石原』の夕食は部屋食の京懐石12品!泡の塩と鮎の骨抜き体験を写真付きでレポ

📷写真・📝レビュー提供:やままる
取材・編集:MEDIA DOGS 編集部/ © 2026 MEDIA DOGS

旅館の夕食って、終盤になるとお腹が苦しくなって、最後のご飯を残してしまう……なんてこと、ありませんか。せっかくのごちそうなのに、味わうより耐える時間になってしまうのはもったいないですよね。

今回は、箱根・仙石原の温泉旅館「金乃竹 仙石原」で、部屋食の京懐石をいただいてきました。竹林に囲まれた全室露天風呂付きの宿で、夕食は料理長が組んだ本格京懐石を、一品ずつお部屋まで運んでくれるスタイルです。

お品書きに並んだ12品を最後まで気持ちよく食べ切れた夕食でした。品数は多いのに、苦しくならない。それでいて満足感はしっかり残る。この組み立てが絶妙だったんです。

泡状のお塩に、煙をまとって運ばれてくる鮎、その骨を自分で抜く体験。食べるだけで終わらない仕掛けが、コースのあちこちに仕込まれていました。実際に出てきた料理を、提供順に写真付きで追っていきます。

18時ごろに一品目が運ばれてきて、食後のお茶を飲み終えたのが20時すぎ。約2時間半、ずっと楽しい時間でした。大満足の夕食です。

金乃竹 仙石原の夕食は、部屋から一歩も出ない京懐石

金乃竹 仙石原の夕食は、公式サイトでも「一品ずつ運ばれる本格京懐石」と案内されている通り、コースの流れに沿って一皿ずつ提供されます。会場は宿泊した客室内の食事用スペースで、レストランへ移動する必要はありません。

私たちが泊まったのは「煌」というお部屋。寝室とは別に、重厚な彫りの入ったテーブルが据えられた一角があり、そこが食事の場になります。窓の外は竹林。座った瞬間から、もう特別な時間が始まっている感じ。

この「煌」というお部屋そのものは、95㎡のフラットタイプで源泉掛け流しの露天風呂付き。間取りや館内の竹づくしの意匠まで別の記事にまとめていますので、よければご覧になってみてくださいね。

【客室「煌」を写真多めでレビュー】
【箱根・仙石原】金乃竹の客室「煌」に宿泊!95㎡フラットタイプの源泉掛け流し露天風呂と竹づくしの空間をレポ

お膳が整えられた食卓には、朱色の丸盆、箸置き、おしぼり、そしてお品書きが並んでいました。

金乃竹 仙石原の客室内に用意された食事用テーブルと朱色の丸盆
この盆が並ぶと、いよいよ始まる感じ

部屋食のいちばんの良さは、食べ終わったあとの動線です。レストランから部屋へ戻る移動がないので、最後のお茶を飲み終えたら、そのままベッドで横になれます。お腹いっぱいのあとに廊下を歩かなくていいのは、想像以上に快適でした。

金乃竹 仙石原は全9室すべてに露天風呂が付いた宿で、チェックインから食事まですべてお部屋で完結します。宿そのものの様子は別の記事にまとめていますので、あわせてどうぞ。

【金乃竹 仙石原に泊まった全体レポ】
箱根『金乃竹 仙石原』に泊まってきた!全9室の露天風呂付き隠れ宿は、チェックインも食事もお部屋で完結でした

お品書きは料理長の遊び心たっぷり 読めない漢字も楽しみのひとつ

席に着くと、まず目に入るのが手書き風のお品書きです。和紙に金銀の箔が散った一枚で、先附から水物まで、この日の献立が縦書きで並んでいます。書き手は料理長の太田靖章さん。

おもしろいのは、食材の当て字です。「石刁柏」でアスパラガス、「姫玉蜀黍」で姫とうもろこし、「極小蕃茄」でマイクロトマト。パッと見ただけでは何の料理か分からない字が並んでいて、読み解くところから食事が始まります。

スタッフの方も「料理長のセンスで書いているので、調べても出てこないかもしれません」と笑っていました。正解が用意されていない前提の遊び、粋です。

金乃竹 仙石原の夕食の献立が縦書きで並んだ和紙のお品書き
読めない字を当てるのも楽しい

お品書きの末尾には「入荷状況により、内容が異なる事がございます」と添えられています。以下で紹介するのは、あくまで訪問時の献立です。季節が変われば中身も変わるので、そのつもりで読んでみてください。

いざ実食!京懐石12品を提供順にレポート

ここからは、実際に運ばれてきた順番に沿って紹介していきます。お品書きに並ぶのは、先附・添え・猪口・御椀・造里・凌ぎ・焼物・強肴・留椀・御飯・香物・水物の12品。一皿ずつ、スタッフの方が食材と食べ方を説明してくれます。

先附・添え・猪口|夏の食材が少しずつ、三つの器で

最初のお膳には、三つの器が並びました。平たい白皿の先附、小さな器に入った緑色のすり流し、そして猪口の一品です。

白い皿の先附と緑色のすり流し、猪口が並んだ最初のお膳
一皿目から器の取り合わせが美しい

先附は、鱸の旨煮に才巻海老の酒煮を合わせ、雲丹の醤油漬け、だだちゃ豆、オクラを添えて梅肉の餡でまとめた一品。白身のやさしさと、雲丹の濃さと、梅の酸味が一口ごとに入れ替わります。

鱸の旨煮と才巻海老、雲丹の醤油漬けを梅肉の餡で仕上げた先附
この一口目で、期待が一気に上がる

添えは、アスパラガスのすり流しです。上に干子の炙りとマイクロトマトが浮かび、柚子が振ってありました。とろりとした冷たいスープで、アスパラの青い香りがはっきり立ちます。

猪口は、茄子の和蘭煮に鴨のそぼろをのせたもの。とろけるほど柔らかく煮た茄子に、鴨の旨味がしっかり効いています。

御椀|蓋を開けた瞬間の香りが、もうごちそう

続いて運ばれてきたのが御椀です。黒漆に金で竹が描かれた蓋つきのお椀で、宿の名前とそろえた意匠になっています。器を眺めているだけで、開ける前から気分が上がる。

黒漆に金で竹が描かれた金乃竹 仙石原の椀の蓋
宿の名前とそろえた竹の蒔絵

中身は、蒸したクエの潮汁仕立て。金糸瓜、十六ささげ、万願寺唐辛子を添え、柚子の香りをのせています。出汁は鰹と昆布に加えて、魚のアラからも取っているとのこと。

一口飲んだだけで、しみじみおいしい。金乃竹の夕食では魚料理が特に印象に残ったのですが、その最初のきっかけがこのお椀でした。

蒸したクエと十六ささげを盛った潮汁仕立ての御椀
透き通った出汁が本当にきれい

造里|泡状のお塩で食べる、初めての体験

お造りは鮮魚の五種盛り。この日は中トロ、オナガダイ、イサキ、メダイ、スズキの5種類でした。氷を敷き詰めた器に金魚草をあしらってあり、見た目からもう涼しい。

氷を敷いた器に盛られた中トロやオナガダイなど鮮魚五種盛り
透明感がすごい

おもしろかったのが、つけダレの用意です。土佐醤油とは別に、真っ白な泡が入った小鉢が添えられていました。昆布出汁と塩で作った「泡の塩」だそうです。

造里の膳に土佐醤油と泡の塩、わさびが並んだ様子
左の小鉢が泡の塩

箸ですくうと、ふわっと持ち上がります。ムースのような見た目なのに、口に入れると塩の輪郭がしっかり残る。魚そのものの味が分かりやすくなるのは、断然こちらでした。

箸ですくい上げた泡状の塩
ふわっとしてるのに、塩の味はしっかり

もちろん土佐醤油で食べてもおいしくて、同じ魚が2通りの表情を見せてくれます。塩と醤油の両方を用意してくれるのが、うれしいところ。中トロは箸で持つと崩れそうなほど柔らかく、口に入れると本当に溶けました。

凌ぎ|何を食べているのか分からないのに、おいしい

凌ぎは、姫とうもろこしのおこわに毛蟹の餡をかけた一品。上には素揚げしたとうもろこしのひげが、ふわりとのせてあります。

とうもろこしの甘みと蟹の旨味が混ざり合って、正体をつかむ前においしさが先に来る。「何を食べているのか分からないけど、おいしい」と言い合いながら食べ進めました。創作の楽しさがある一皿です。

毛蟹の餡をかけた姫とうもろこしのおこわに素揚げしたひげをのせた凌ぎ
このひげがいい仕事してる

焼物|煙の演出と、鮎の骨抜きに挑戦

焼物は鮎の塩焼きです。ただ、運ばれてきた状態がまず違いました。焼き網を渡した器の中から白い煙がもうもうと立ちのぼり、テーブルに置かれた瞬間、香りが一気に広がります。

煙が落ち着くと、一人分ずつ皿に盛り直して出してくれます。添えは石川小芋と青唐辛子、たれは蓼酢です。

石川小芋と青唐辛子を添えて皿に盛られた鮎の塩焼き
香ばしい皮の焼き目がきれい

ここで、スタッフの方が骨の抜き方を教えてくれました。手順は、まず箸で身を上から押したり、軽くもんだりして骨と身をはがすこと。次に尻尾を外し、ヒレを取ります。

そのうえで頭をゆっくり引っぱると、背骨がすーっと付いてくる、という段取りです。「きれいに抜けるのは5割くらいですけどね」と笑いながら教えてくれました。

実際にやってみると、これが思いのほか集中する。うまくいったときの達成感がちゃんとあります。料理を食べるだけでなく、体験として楽しめるのがこの一皿の魅力でした。

強肴|八重山郷里牛は、ローストビーフのような仕立てで

強肴は八重山郷里牛の蒸し煮です。公式サイトでも特別プランに使われている銘柄牛で、ここではローストビーフのような薄いスライスで提供されました。

合わせるのは、からすみ、生黒胡椒、水菜、茗荷、芽紫蘇。彩りに姫トマトと柑橘が添えられ、さっぱりと食べられる構成になっています。

からすみと生黒胡椒、姫トマトを添えた八重山郷里牛の蒸し煮
断面のピンクがきれい

コースの中盤で肉が出ると重くなりがちですが、蒸し煮で脂を落としてあるうえ、薬味と柑橘が効いているので後を引きません。ここまでの流れを崩さない出し方だな、と思いました。

御飯|鰻とほうじ茶の茶飯が、いちばん記憶に残った

そして御飯。釜ごと運ばれてきて、目の前で蓋を開けてくれます。中身は三河産の鰻と新生姜の茶飯で、青葱がたっぷり。

この茶飯、私たちの中でいちばん評価が高かった一品です。理由のひとつは、鰻がご飯に混ぜ込まれていないこと。別で取り分けられるようになっていて、自分の好きな量をのせて食べられます。

もうひとつは味の設計です。ほうじ茶の香りがふわっと立つのに、味そのものは濃すぎない。それでいて、しっかりおいしい。コースの終盤でも「もう入らない」とならず、最後まで気持ちよく食べられました。

御飯とあわせて出てきたのが、まるや八丁味噌の赤出汁と香の物です。赤出汁にはじゅんさいと豆腐が入っていて、とろりとした喉ごしが心地いい。

ちなみに、釜は空になりました。旅館のコースでは終盤にお腹がいっぱいになりすぎて、ご飯をおにぎりにしてもらうこともあるのですが、この日はその発想すら浮かばなかった。

鰻の茶飯を食べ切って空になった釜
きれいに完食

誕生日ケーキのサプライズと、水物の五種盛り

御飯まで終わったところで、部屋の照明が少し落ちました。運ばれてきたのは、ろうそくを立てた誕生日ケーキです。スタッフの方が歌でお祝いしてくれ、写真撮影にも快く応じてくれます。

ろうそくを灯して運ばれてきた誕生日ケーキ
まさか出てくるとは思っていなかった

ケーキが下がったあと、コースの締めくくりとして水物が出てきます。こちらは五種盛りで、抹茶アイスのリキュールミスト、南瓜プリンのキャラメルソース、びわの甲州煮に佐藤錦とミント、新甘藷と胡桃、そして「金色羅皇」という黄色いスイカでした。

抹茶アイスや南瓜プリン、黄色いスイカなどを盛り合わせた水物の五種盛り
ひとつずつ味が違って、最後まで飽きない

そのあとに、切り分けたケーキが登場。生クリームと苺のシンプルなショートケーキで、水物のあとでもするりと入る軽さです。

皿に取り分けられた苺のショートケーキ
断面のクリームがふわふわ

スタッフの接客が、今までで一番かもしれない

料理と同じくらい印象に残ったのが、スタッフの方の接客です。一品ずつ食材を説明し、鮎のように食べ方にコツがあるものは、その場で丁寧に教えてくれます。

特に感動したのが、誕生日ケーキの扱いでした。コースを食べ切ったあとにホールケーキが出てくると、正直なところ全部は食べられません。そこをスタッフ側から「4等分して、一部を今、残りを明日の朝にお出ししましょうか」と提案してくれたんです。

こちらが困る前に先回りしてくれる。しかも、押しつけがましくない。終始感動する、というのが正直な感想でした。

宣言どおり、残りのケーキは翌朝きちんと出てきました。その朝食の中身も別の記事にまとめていますので、よければのぞいてみてくださいね。

【金乃竹 仙石原の朝食レポ】
箱根『金乃竹 仙石原』の朝食は全部お部屋で!金目鯛の干物と釜炊き「つや姫」でご飯がすすむ和朝食を体験レポ

食事が終わったあとも、部屋を移動する必要はありません。ほうじ茶を飲みながらゆっくり過ごして、そのままベッドへ。この流れが本当に贅沢でした。

食後のほうじ茶と取り分けたケーキが並んだテーブル
ここからのんびりモードに切り替わる

同じ箱根のラグジュアリー宿でも、夕食の楽しみ方はさまざまです。「ふふ箱根」では、14種類以上の候補から料理を選んで自分たちのコースを作る、プリフィックス会席を体験しました。決められたコースを味わう金乃竹とは、対照的な設計になっています。あわせて読むと、箱根の宿選びの参考になるはずですよ。

【ふふ箱根の夕食についての体験レポ】
ふふ箱根『山の笑』夕食レビュー メイン14種から選ぶプリフィックス会席で自分だけのコースを創る贅沢体験

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