花田勝彦監督、LiveRun参加をX投稿 早稲田大が全日本大学駅伝16年ぶり優勝の一夜明け

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン
早稲田大学競走部の花田勝彦駅伝監督が11月2日、自身のXで、ランニングアプリ「LiveRun」に朝から参加したと明かした。前日の11月1日、早大は第58回全日本大学駅伝を5時間3分31秒の大会新記録で制し、16年ぶり6度目の優勝を果たしたばかり。投稿には「興奮であまりよく眠れず」とあり、参加者からお祝いのメッセージが届いたことも伝えている。
「興奮であまりよく眠れず」 優勝翌朝の投稿
レースから一夜明けた11月2日の午前7時すぎ、花田監督はXを更新した。
「興奮であまりよく眠れず、目が覚めたので今朝はLiveRunに参加。参加された方からおめでとうメッセージたくさんいただきました。また、番組の頑張った賞もいただきました😅どうもありがとうございました!」
伊勢路での優勝からまだ一晩。2冠を手にした指揮官は、あまりよく眠れないほどの興奮の中にいた。それでも朝にはLiveRunに参加し、同じ時間に参加した人たちから祝福を受けている。
投稿には「#LiveRun」「#ランニング」のハッシュタグと、LiveRunの記録画像が添えられている。画像には「HIIT(インターバル):タイプ1」の回で、136人中4位、4.03km、20分と表示されている。投稿では番組の「頑張った賞」も受けたと書き、参加者への感謝で締めくくった。
大会記録を3分以上縮め、2位に3分34秒差をつけた翌朝の出来事だ。投稿は報道でも取り上げられ、2冠を達成したチームの監督の朝の過ごし方として伝わった。
LiveRunはトレーナーの生実況を聴きながら走るアプリ
LiveRunは、トレーナーのライブ実況や音声コンテンツを聴きながら、全国の参加者と一緒にランニングやジョギング、ウォーキングができる運動アプリだ。開発・運営はライブラン株式会社で、同社は2017年10月に東京都港区で設立された。
アプリの紹介によると、ライブ実況ではトレーナーが参加者の距離やペース、コメントを確かめ、ニックネームを呼んで応援する。GPSで距離・時間・ペースを測る機能のほか、運動前後のコメント投稿、ランキングやデジタルメダルといった仕組みもそろう。基本は無料で使え、一部のコンテンツは月額プランで利用する。「一人で走っていても、一人ではない。」がアプリのキャッチコピーだ。
離れた場所にいる人同士が、同じ時間に同じ実況を聴いて走る。花田監督に届いた「おめでとうメッセージ」も、そうした参加者同士のやり取りから届いたものだった。早大の駅伝監督が、一般の参加者と同じ配信に加わっていたことになる。
花田監督は、選手として五輪に2度出場した長距離ランナーでもある。
大会記録を3分16秒更新、2区から一度も首位を譲らず
第58回全日本大学駅伝は11月1日、名古屋市の熱田神宮西門前から三重県伊勢市の伊勢神宮内宮宇治橋前までの8区間106.8kmで行われ、27チームが出場した。
早大の総合記録は5時間3分31秒。2022年に駒澤大学が出した大会記録5時間6分47秒を3分16秒縮めた。2位の國學院大學は5時間7分5秒、3位は創価大学だった。全日本大学駅伝での優勝は2010年以来16年ぶり6度目で、10月12日の出雲駅伝に続く2冠となった。
早大の8人の走りは次のとおりだ(11月1日の大会結果)。
| 区間(距離) | 選手(学年) | 区間記録・順位 |
|---|---|---|
| 1区(9.5km) | 本田桜二郎 | 27分47秒・ |
| 2区(11.1km) | 増子陽太 | 30分51秒・ |
| 3区(11.9km) | 新妻遼己 | 32分45秒・ |
| 4区(11.8km) | 小平敦之 | 33分24秒・ |
| 5区(12.4km) | 鈴木琉胤 | 34分31秒・ |
| 6区(12.8km) | 堀野正太 | 36分55秒・ |
| 7区(17.6km) | 山口竣平 | 50分58秒・ |
| 8区(19.7km) | 工藤慎作 | 56分20秒・ |
流れを作ったのは1〜3区に並んだ1年生だった。全国高校駅伝の1区で上位3人に入った3人で、「令和の三羽ガラス」と呼ばれる。1区の本田が区間2位でつなぐと、2区の増子が区間新で先頭に立ち、3区の新妻も区間新で後続との差を1分以上に広げた。新妻は大会MVPに選ばれている。
中盤以降は、5区のエース鈴木が区間新でさらに差を開いた。アンカーの工藤は、前回大会で自らが出した8区の日本人最高記録を34秒更新する56分20秒で区間賞。8人全員が区間4位以内に入り、区間賞は4人、そのうち3人が区間新だった。
関連記事:工藤慎作、全日本大学駅伝8区で日本人最高 大会記録で優勝した早稲田のアンカーの経歴
「想定以上に頑張ってくれた」 優勝会見での花田監督
ゴール後の会見で、花田監督はまず選手への感謝を口にした。
「想定以上に頑張ってくれた。感謝しています」
レース前の想定は5時間6分前後だったという。大会新記録を出さなければ勝てないと考えていたが、選手たちはその見積もりを2分半ほど上回った。つなぎ区間の選手たちも「もっと行ける」と思っていたのでは、と監督は話している。
起用についても明かした。新妻の調子が良く3区に置きたかったこと、エースの鈴木を5区に置くことが一番の狙いだったという。勝因には補員を含めた11人がよい状態で現地に入れたことを挙げ、「勝った経験、勝ち方を覚えてきたのが収穫です」と語った。
自身の学生時代も重ねている。花田監督は3年生で全日本大学駅伝に出たとき、1区から独走で勝った経験があり、そういうレースをしたいと思っていたと話した。
1992年に全日本1区区間賞、指揮官の歩み
花田監督は滋賀県立彦根東高等学校を卒業後、1990年に早稲田大学へ進んだ。
1992年の全日本大学駅伝では1区で区間賞を取り、早大の初出場初優勝に貢献している。翌1993年の箱根駅伝では4区を区間新記録で走って総合優勝に力を添え、同じ年の全日本大学駅伝では8区で区間賞。早大の2連覇のゴールテープを切ったのは、今回工藤が走ったのと同じアンカー区間だった。
卒業後はエスビー食品に入り、1996年のアトランタ五輪で10000m、2000年のシドニー五輪で5000mと10000mの日本代表に選ばれた。2004年からは上武大学でビジネス情報学部の准教授と駅伝部の監督を務め、12年間にわたって箱根駅伝を目指すチームを率いた。2016年からはGMOインターネットグループでアスリーツの監督を務めた。
母校の駅伝監督に就いたのは2022年6月1日付けだ。就任会見では「母校の駅伝監督を拝命し、光栄に思っております」と語り、個人として世界で戦える選手を育てたいとも話していた。
それから4年あまり。出雲で16年ぶりの優勝、全日本でも16年ぶりの優勝と、二つの駅伝タイトルを続けて手にした。
箱根で3冠へ 「箱根駅伝は簡単じゃない」
出雲と全日本を制した早大は、2027年1月2、3日の箱根駅伝で学生三大駅伝の3冠に挑む。早大の3冠は、2010年度に達成して以来となる。
全日本の会見で、花田監督は気を引き締めていた。「箱根駅伝は出雲、全日本とは別物」と話し、ここからの数週間でどれだけ箱根に向けた練習ができるかが大事になると説明した。大会新を出さないと勝てないという想定で練習する考えも示し、「箱根駅伝は簡単じゃない」と口にしている。14人くらいがいつでも走れる状態を作れれば面白い、とも語った。
4位に終わった青山学院大学の原晋監督は、早大を「過去最強チームじゃないですか? 実業団含めて」と評した。各校の指揮官が早大を追う立場で、残り2か月の準備が始まる。
関連記事:青学・原晋監督、全日本大学駅伝を制した早大に「過去最強チームじゃないですか」 「令和の三羽ガラス」ら早稲田のメンバーと箱根の勝機
優勝の翌朝、花田監督はあまりよく眠れないままLiveRunに参加し、参加者たちから「おめでとう」のメッセージを受け取った。箱根駅伝の号砲まで、あと2か月となる。
[文/構成 by スポーツ担当ライター 南條楓]










































































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