桂川有人、地元・愛知でバンテリン東海クラシック制覇 82歳の祖父・征男さんの前で欧州ツアーから2週連続V

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン
愛知県清須市出身の桂川有人(28)=国際スポーツ振興協会=が11月1日、国内男子ツアー「バンテリン東海クラシック」最終日を67で回り、通算12アンダーで逆転優勝した。前週の欧州・DPワールドツアー「ジェネシス選手権」(韓国開催)に続き、欧州ツアーと日本ツアーをまたぐ2週連続の優勝だ。会場の三好カントリー倶楽部には、ゴルフを教えた82歳の祖父・征男さんの姿があった。愛知県出身の選手が大会を制したのは初めてとなった。
首位と3打差から逆転、最後は10メートル超のバーディー
舞台は愛知県みよし市の三好カントリー倶楽部西コース(7300ヤード・パー71)。11月1日は曇りで、観衆は4192人だった。
第3ラウンドを終えた時点で、首位は日本大学の1学年先輩にあたる岩﨑亜久竜の通算11アンダー。桂川は通算8アンダーの3位で、首位とは3打差がついていた。
最終日は2番パー5から連続バーディーで滑り出し、5番パー3ではティーショットをピンそばにつけてもう一つ伸ばす。岩﨑が7番から4連続ボギーで後退し、桂川は2打のリードを持って後半へ入った。
だが、16番パー3で流れが止まる。ティーショットを右に外し、グリーン右手前の深いラフの急斜面からの2打目はボールの下をクラブがくぐり、ほとんど前に進まなかった。4オン1パットのダブルボギー。初優勝を狙う田中裕基に並ばれた。
続く17番パー4もティーショットを左のバンカーに入れ、グリーンを直接狙えない状況から約3メートルのパーパットを残したが、これを沈めて並んだまま最終18番へ向かった。
18番は田中が2打目をピンから約6メートルにつけ、桂川のボールはそれより遠い10メートル超の位置に止まる。桂川は、田中が入れてくると考え「入れるしかない」と思っていたと明かした。スライスしてから最後にフックする複雑なラインを読み切ってカップインさせると、田中のバーディーパットはカップをわずかに外れた。
日本ゴルフツアー機構(JGTO)の公式記録で上位の成績は次のとおりだった。
| 順位 | 選手 | 通算 | 獲得賞金 |
|---|---|---|---|
| 優勝 | 桂川有人 | 272 | 2200万円 |
| 2位 | 田中裕基 | 273 | 1100万円 |
| 3位 | 下家秀琉 | 277 | 748万円 |
| 4位タイ | 細野勇策、 | 278 | 各412万5000円 |
4日間のスコアは65、69、71、67。初日に単独首位で飛び出し、最終日は7バーディー、1ボギー、1ダブルボギーだった。最終日を首位で迎えた岩﨑は77と崩れ、9位タイに終わっている。
4年前に逆転負けした地元大会で雪辱
桂川にとって、三好は苦い記憶の残る場所だった。
2022年の同じ大会で、桂川は最終日を首位で迎えながら河本力に4打差をひっくり返され、2位に終わっている。その年の3日目には16番でボールをなくしてダブルボギーをたたき、これが逆転負けの遠因になったと伝えられた。4年後の最終日にも同じ16番でダブルボギーを打ちながら、最後は勝ち切った。
大会を主催する興和の契約プロとして臨んだ「ホスト大会」でもある。コース脇には桂川の名前を入れたのぼりや応援タオルが揺れ、地元の後押しを受けての優勝となった。
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国内ツアーでの優勝は、2024年4月の「ISPS HANDA 欧州・日本どっちが勝つかトーナメント!」(静岡県)以来2年半ぶり。2022年4月の「ISPS HANDA 欧州・日本、とりあえず今年は日本トーナメント!」(茨城県)に続き、通算3勝目になる。
祖父・征男さんが初めて生で見た孫の優勝
会場で見守った祖父の征男さんは、桂川にゴルフの手ほどきをした人物だ。JGTOによると、征男さんはハンディキャップ1の腕前で、三好のコースも回り慣れているという。それでも決勝のパットには「私が100回打っても入らない」と驚き、3パットもあり得るラインだったと話した。
征男さんは、桂川が4歳のときにクラブを持たせた。小学6年の文集にはプロゴルファーになりたいと書き、中学を卒業するとすぐにフィリピンへゴルフ留学に出た。征男さんは、プロ以外の道も勧めていたが、決意は変わらなかったという。
これまでの国内2勝は茨城県と静岡県での大会で、征男さんは現地に行けなかった。地元愛知で迎えた3勝目が、初めて生で見た孫の優勝シーンだった。優勝が決まるとすぐ、征男さんはスコア提出所へ向かう孫を追い、握手を交わしてから、地元のファンが作った応援の横断幕にサインを頼んだという。
桂川は優勝スピーチで、父親代わりに育ててくれたこと、ゴルフを始めるきっかけも祖父だったこと、フィリピンへ旅立つときに見送ってくれたことを挙げ、感謝を伝えた。
勝って涙ぐんだのは初めてだという。地元の声援や家族が見ている前での優勝に、いろいろな気持ちが重なったと説明し、なぜこみ上げたのかは自分でも不思議だと話した。
欧州と日本、2つのツアーをまたいだ連勝
連勝の起点は、10月25日に最終日を迎えた欧州・DPワールドツアー「ジェネシス選手権」だ。韓国ツアーとの共催で開かれたこの大会で、桂川は通算13アンダーで2打差の優勝を飾り、欧州ツアー通算2勝目を挙げた。優勝賞金は68万ドル。
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この大会は、年間ランキング上位100人に来季の出場資格が確定する通常シーズン最終戦だった。106位で臨んだ桂川は優勝で28位に浮上し、出場資格とプレーオフ進出を決めている。その翌週、日本に戻って地元の大会に出て、もう一つタイトルを加えた。
つまり「2週連続」は、日本ツアーで2大会続けて勝ったわけではない。欧州ツアーと日本ツアーをまたいだ2週連続の優勝だ。
日本ツアーへの出場は、4月の国内開幕戦「東建ホームメイトカップ」(8位タイ)以来、今季2試合目だった。JGTOの賞金ランキング(海外メジャー含む)では、11月1日の大会終了時点で2試合の出場ながら2475万9250円を稼ぎ、26位に入っている。
同じ11月1日には、妻の小祝さくらも埼玉県の武蔵丘ゴルフコースで行われた国内女子ツアー「樋口久子 三菱電機レディス」の最終日を戦っていた。小祝は通算14アンダーで、通算15アンダーで優勝した佐久間朱莉に1打及ばず2位。夫婦そろっての優勝はならなかった。
次はアブダビとドバイ、米ツアーへの挑戦
桂川は11月2日にアラブ首長国連邦へ向かい、欧州ツアーのプレーオフ2連戦の初戦「アブダビ選手権」に出場する。アブダビとドバイでの2連戦は、来季の米PGAツアーの出場権がかかる大事な戦いになる。
桂川は日本大学出身。2020年にプロ転向し、2022年はツアー初優勝を含む活躍で最優秀新人賞を受けた。2023年は米国下部のコーンフェリーツアーを主戦場とし、2024年以降は欧州ツアーを中心に戦ってきた。その積み重ねが、2週続けての優勝につながった。
「来年はアメリカでプレーできるように、頑張ってきます」。優勝スピーチで、桂川は次の目標をそう語った。
[文/構成 by スポーツ担当ライター 疾風(HAYATE)]










































































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