全日本大学駅伝、8区で12チームが繰り上げスタート 基準は先頭から15分、日本学連選抜は35秒届かず 各校の遅れ一覧

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン
11月1日の第58回全日本大学駅伝で、最終8区のスタート地点にあたる第7中継所で12チームが繰り上げスタートとなった。基準は先頭から15分。関東の15校以外の全チームが対象で、最も近かった日本学連選抜は繰り上げの35秒後に中継所へ着いた。各チームの遅れと、繰り上げの仕組みをまとめる。
8区のスタート地点で12チームが一斉に出発
秩父宮賜杯第58回全日本大学駅伝対校選手権大会は11月1日、名古屋市の熱田神宮西門前から三重県伊勢市の伊勢神宮内宮宇治橋前までの8区間106.8kmで行われた。出場は25大学とオープン参加の日本学連選抜、東海学連選抜を合わせた27チームだった。
8区へのたすきリレーがあったのは第7中継所で、場所は三重県松阪市豊原町のJAみえなか前。大会公式の成績表によると、先頭の早稲田大はレース開始から4時間7分11秒でここを通過した。この中継所の繰り上げ基準は先頭から15分なので、4時間22分11秒の時点でまだ到着していなかったチームは、前の走者を待たずに8区の選手が走り出す決まりだ。
結果は12チーム。関東の15校はすべて間に合い、それ以外の全チームが繰り上げとなった。関東勢で最後に着いた山梨学院大は4時間20分11秒で、先頭との差は13分ちょうど。繰り上げの2分前だった。
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繰り上げスタートとは この大会の基準は10分と15分
駅伝はたすきをつないで走る競技だが、大会の運営上、大きく遅れたチームをいつまでも待つことはできない。そこで主催者が時間の線を決め、それを過ぎたら次の走者を先に出発させる。これが繰り上げスタートだ。
全日本大学駅伝の競技注意事項は、次のように定めている。
「繰り上げスタートは、各中継所において先頭チームから10分を超えて遅れたチームがある場合に実施する。ただし、第5、第6、第7中継所は15分とする。」
つまり第1〜第4中継所は10分、後半の第5〜第7中継所は15分が線引きになる。繰り上げで出発する走者は、チームのたすきの代わりに主催者が用意した白色のたすきをかけて走る。
前の区間の選手は中継所まで走り切るが、たすきは次の走者に渡らない。駅伝で「たすきが途切れる」と言われる場面がこれにあたる。
ただし、失格や棄権とは違う。チームはそのままレースを続け、ゴールすれば総合記録も付く。
12チームの遅れ一覧 最短は日本学連選抜の35秒
成績表には、繰り上げとなったチームが繰り上げ時刻から何分何秒遅れて中継所に着いたかが「出発時間との差」として載っている。これに基準の15分を足すと、先頭の早稲田大が通過してから何分後に着いたかが分かる。なお、成績表の「トップ差」は前の中継所での繰り上げ分も足し戻した通算記録の差のため、第6中継所までにも繰り上げがあった7チーム(立命館大、札幌学院大、志學館大、愛知工業大、広島経済大、東北大、信州大)は、成績表のトップ差がこの表の数字より大きくなる。
| チーム | 繰り上げ時刻からの遅れ | 先頭の通過から到着まで |
|---|---|---|
| 日本学連選抜 | 0分35秒 | 15分35秒 |
| 東海学連選抜 | 2分27秒 | 17分27秒 |
| 関西学院大 | 3分44秒 | 18分44秒 |
| 立命館大 | 3分51秒 | 18分51秒 |
| 札幌学院大 | 4分18秒 | 19分18秒 |
| 大阪経済大 | 4分27秒 | 19分27秒 |
| 志學館大 | 4分28秒 | 19分28秒 |
| 愛知工業大 | 5分13秒 | 20分13秒 |
| 広島経済大 | 5分33秒 | 20分33秒 |
| 京都産業大 | 5分59秒 | 20分59秒 |
| 東北大 | 6分14秒 | 21分14秒 |
| 信州大 | 7分22秒 | 22分22秒 |
日本学連選抜は、東海を除く全国7地区の学生で組むオープン参加のチームで、あと35秒早ければたすきがつながっていた。関西学院大と立命館大の差は7秒、大阪経済大と志學館大は1秒差と、中継所への到着も競り合いが続いた。
最も遅れた信州大でも、繰り上げからの差は7分22秒。12チームの8区の選手は、白いたすきで一斉に伊勢へ向かった。
8区だけではなかった 第3〜第6中継所でも繰り上げ
繰り上げがあったのは第7中継所だけではない。成績表を中継所ごとに見ると、第1と第2中継所、そしてゴールでは繰り上げはなかったが、第3から第7までの5つの中継所で白いたすきの出発があった。
| 中継所(場所) | 基準 | 繰り上げのチーム数 |
|---|---|---|
| 第3 | 10分 | 1 |
| 第4 | 10分 | 2 |
| 第5 | 15分 | 2 |
| 第6 | 15分 | 7 |
| 第7 | 15分 | 12 |
第3中継所では東北大が1分1秒届かず、第4中継所では志學館大と東北大、第5中継所でも同じ2校が繰り上げとなった。第6中継所になると、立命館大、札幌学院大、愛知工業大、広島経済大、信州大、志學館大、東北大の7チームに増える。立命館大は39秒差だった。
後半の基準は15分に広がるが、それでも第6中継所で7チーム、第7中継所で12チームと、対象のチームは大きく増えた。差が積み上がっていった様子が、数字からそのまま読み取れる。
なぜここまで差が開いたのか
背景には、優勝した早稲田大のペースがある。早稲田大のタイムは5時間3分31秒。2022年に駒澤大が出した5時間6分47秒の大会記録を3分16秒縮め、16大会ぶり6度目の優勝を飾った。
早稲田大は2区の増子陽太、3区の新妻遼己、5区の鈴木琉胤が区間新を出し、8区では工藤慎作が区間賞を取った。7区を終えた時点で2位の國學院大とも2分34秒の差があった。基準が「先頭から何分」で決まる以上、先頭が速いほど後ろのチームは繰り上げの線に近づく。
上位の顔ぶれも偏った。大会公式は「15位までを関東の15校が独占しました」と伝え、関東勢以外では関西学院大の16位が最高だった。17位に大阪経済大、18位に立命館大、19位に札幌学院大が続く。
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この大会では、今年から一般公開されたリアルタイムの速報マップで複数校の位置が止まる不具合もあった。
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記録の扱いと来年への影響
繰り上げになったチームの総合記録はどう付くのか。
成績表の通算記録は、各区間の記録を合計した実際のタイムだ。繰り上げでは前の走者が着く前に次の走者が出発するため、繰り上げ時刻から到着までの差を足し戻して計算される。関西学院大は8区のゴール到着がレース開始から5時間22分58秒だったが、総合記録は5時間26分42秒。繰り上げ時刻からの遅れ3分44秒を足した数字だ。
日本学連選抜と東海学連選抜は、大会要項で総合記録が参考記録扱いと定められている。
来年への影響は、8位以内に与えられる次の大会の参加権に表れた。要項では8位までのチームが第59回大会(2027年)に出られる。今回それを手にしたのは早稲田大、國學院大、創価大、青山学院大、中央大、駒澤大、大東文化大、帝京大の8校。順天堂大は9位で、8位の帝京大とは18秒差だった。
この8校以外は、来年も各地区の選考会を勝ち抜いて伊勢路を目指す。第7中継所で白いたすきをかけた大学も、その道から再び挑む。
[文/構成 by ライター 凪]










































































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