バヤルボルド、全国学生相撲選手権で初優勝 日本体育大学3年、幕下最下位格付け出し資格

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第104回全国学生相撲選手権大会の個人戦が10月31日、東京・両国国技館であり、日本体育大学3年でモンゴル出身のバットヤッグ・バヤルボルド(22)が初優勝した。決勝では日本大学3年の伊賀慎之助を寄り倒し、学生横綱の称号を手にした。外国出身の学生横綱は2年ぶり6人目。8強以上に入った選手には、大相撲の幕下最下位格付け出しの資格が与えられる。
決勝は日大・伊賀との再戦、寄り倒しで学生横綱
全国学生相撲選手権は1919年(大正8年)に始まった大学相撲の全国大会で、個人戦の優勝者は「学生横綱」と呼ばれる。104回目の今年は10月31日と11月1日の2日間の日程で、初日に学生横綱を決める個人戦Aクラスなど、2日目に大学対抗の団体戦Aクラスの予選と優秀8校による決勝トーナメントなどを行う。
決勝の相手は日本大学3年の伊賀慎之助だった。伊賀は準々決勝で、2連覇を狙った日本体育大学4年の杉本弘樹を突き落としで破って勝ち上がってきた。両者は8月の全国学生個人体重別選手権の無差別級決勝でも顔を合わせており、学生日本一を懸けた舞台での再戦となった。
決勝は激しい突き押しの応酬になった。バヤルボルドは伊賀の張り手を受けながらも引かずに前へ出て、左を差して胸を合わせ、そのまま寄り倒した。
上位は日本体育大学の選手が占めた。3位に入ったのは2年のニャムオチル・トゥルボルドと3年のアルタンゲレル・デルゲルバトで、2人もモンゴル出身。4強のうち3人を日体大勢がそろえ、決勝で日大の伊賀を退けたバヤルボルドが頂点に立った。
日本体育大学の選手が個人戦を制したのは、これで3年連続となる。2年前はモンゴル出身のトワードルジ・ブフチョローンが、大阪府堺市で開かれた昨年の大会では杉本弘樹が学生横綱に就いた。2連覇を懸けて両国の土俵に上がった杉本は準々決勝で姿を消し、学生横綱の座はチームメートのバヤルボルドへ引き継がれた。
| 順位 | 選手(大学・学年) |
|---|---|
| 優勝 | バットヤッグ・ |
| 準優勝 | 伊賀慎之助 |
| 3位 | ニャムオチル・ |
| 3位 | アルタンゲレル・ |
小学4年で出たわんぱく相撲が来日のきっかけ
バヤルボルドはモンゴルの首都ウランバートル出身。小学4年の時にわんぱく相撲の大会で来日して3位に入り、この時に相撲をもっとやりたいと思ったという。高校は福岡県中間市の希望が丘高等学校へ進み、卒業後に日本体育大学へ入学した。
希望が丘高等学校は、九州場所(11月8日初日)で新入幕を果たす出羽ノ龍の母校でもある。バヤルボルドによると、出羽ノ龍とはモンゴルにいた頃から交流があるといい、同じ高校を経て角界と大学相撲それぞれの舞台で上を目指す。
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大学に入ってからは着実に結果を積み上げた。2025年の全日本相撲選手権で3位に入り、2026年8月の全国学生個人体重別選手権では無差別級で優勝している。それでも、学生横綱の座には届いていなかった。
昨年の全国学生選手権の個人戦は、3回戦で敗れて32強止まり。団体戦でも日本体育大学は準々決勝で法政大学に敗れ、連覇を逃した。優勝後、バヤルボルドは、去年は個人と団体のどちらも悔しかったと1年前を振り返っている。
四つ相撲から押し相撲へ、身長171センチの小兵が選んだ道
バヤルボルドの身長は171センチ。大学相撲の上位には体の大きな選手がそろい、その中では小柄な部類に入る。
昨年までは、相手のまわしを取って組み合う四つ相撲を軸にしていた。だが大きな相手と組むと分が悪いと自ら分析し、相手を突いたり押したりして前に出る押し相撲へ切り替えた。両腕を相手の脇に差し込む「もろ差し」を狙う形にも磨きをかけた。
手本にしたのは、元関脇・若隆景の相撲だという。大きな相手と組み合わずに勝つ道を、押し相撲に求めた。
稽古の量も変えた。今年は泣くまでぶつかり稽古に打ち込んだと明かしている。ぶつかり稽古は、胸を出す相手に何度も当たって押し、転がされては立ち上がる基礎の稽古だ。
優勝後は、勝つ気持ちしかなかったと決勝を振り返り、自分の相撲を変えられて良かったと話した。昨年の32強から、1年で学生日本一に立った。
幕下最下位格付け出しとは、資格の条件と期限
大相撲では、新弟子は通常、番付に名前が載る前の前相撲から土俵人生を始める。これに対し、アマチュアの主要大会で好成績を残した選手は「付け出し」として、いきなり幕下や三段目の番付からデビューできる。
番付は上から幕内、十両、幕下、三段目、序二段、序ノ口と続く。十両以上が給料を受け取る「関取」で、幕下はそのすぐ下にあたる。前相撲から始めれば、幕下に届くまでに何場所もかかるのが普通だ。付け出しは、アマチュアで実力を示した選手がその道のりを短くできる仕組みになる。
日本相撲協会は2023年9月に付け出しの基準を改めた。それまでは全国学生選手権などの優勝者に幕下15枚目格、全日本相撲選手権とほかの対象大会の両方で優勝した選手に幕下10枚目格の資格が与えられていたが、この改正で廃止され、幕下付け出しは一律で幕下最下位格になった。幕下付け出しの対象となる大会は全日本相撲選手権、全国学生相撲選手権、国民スポーツ大会成年の部の三つで、8強以上で幕下最下位格、16強以上で三段目最下位格の資格を得る。改正前に対象だった全日本実業団相撲選手権は外れた。
改正前の制度では、幕下付け出しは各大会の優勝者などに限られ、8強の選手は三段目からのデビューだった。条件が優勝から8強へ広がった一方で、デビューの位置は幕下の最下位にそろえられたことになる。
つまり、学生横綱になったことで特別に上の地位からデビューできるわけではない。今大会で8強以上に入った選手は、優勝したバヤルボルドを含めて同じ幕下最下位格の資格を手にした。
資格には期限がある。有効なのは所定の成績を収めた日から1年間で、申請の時点で25歳未満であることも条件となる。期限を過ぎれば、翌年以降の大会で改めて成績を残す必要が出てくる。
角界入りは明言せず、団体戦で2冠を狙う
注目される大相撲入りについて、バヤルボルドは明言を避けた。学生生活がまだ1年残っているとして、まだ考えていると話している。
日本体育大学からは多くの力士が角界へ進んでおり、2年前に学生横綱となったトワードルジ・ブフチョローンも、いまは三段目の和歌ノ富士として土俵に上がる。九州場所では、同じくモンゴル出身で日本体育大学を卒業した旭海雄も新入幕を果たした。
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まずは目の前の団体戦だ。11月1日の団体戦に向け、バヤルボルドは今のチームなら優勝できると口にし、個人と団体の2冠を目標に掲げた。昨年の団体戦は日本大学が決勝で東洋大学を4-1で下して3年ぶり32度目の優勝を飾っており、日体大は王座奪還を懸けて土俵に上がる。
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[文/構成 by スポーツ担当ライター 南條楓]










































































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