ライアン・ガルシア、メイウェザー戦の合意をSNSで主張 メイウェザー側は公表せず

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン
WBC世界ウェルター級王者のライアン・ガルシア(28)=米国=が、現地時間10月21日、フロイド・メイウェザー・ジュニア(49)=米国=と147ポンド(約66.7キロ)での対戦に合意したと自身のXで主張した。王座を懸けた公式戦で、エキシビションではないという。ただ、10月23日時点でメイウェザー本人や陣営からの公表はなく、日程・会場・契約も決まっていない。
ガルシアが投稿した「合意」の中身
最初の投稿は米太平洋時間10月21日午後2時30分(日本時間22日午前6時30分)だった。ガルシアは、メイウェザーとビデオ通話をしている画面の写真を「Talking about」の短い言葉とグローブの絵文字だけを添えて載せた。
その約6分後、本題が続く。「最初はでたらめだと思った。でも本当だ。フロイドとおれは試合をすることで合意した」。ガルシアはそう書き込み、条件として「147ポンドでWBC世界ウェルター級タイトル戦」「50戦無敗vs現王者」と並べた。インスタグラムでも、メイウェザーとの電話を終えたばかりで、2人とも投稿することに同意したと伝えている。
投稿の反響は大きく、Xの合意の投稿には10月23日時点で1万4000件を超える「いいね」がついた。
だが、話を裏付ける材料は乏しい。米ボクシングメディアの記者は10月21日、関係者の話として「現時点で本格的な交渉は行われていない」と伝えた。WBCが王座戦として承認したという発表もない。メイウェザーはWBCのランキングにも入っておらず、王座戦として組むには団体側の判断が欠かせない。
発端は10月7日の「0を懸けろ」
話が動き出したのは2週間前だった。日本時間10月7日、メイウェザーに近いとされる米メディアが両陣営の間で話し合いが始まったと報じたことが伝わり、ガルシアは同日午前(米太平洋時間6日夜)にXで反応して、条件をはっきり口にしている。
「エキシビションはやらない。あいつの0を懸けてほしい」。ガルシアはそう書き、さらに「準備はできている、フロイド。この話を持ちかけたのはそっちだ。おれはそれに応えているだけだ。オファーは出してある。受けるかどうかは自由だ。受けないなら、おれはこれまでどおり前に進む」と続けた。「0」は、メイウェザーの無敗記録を指す。
ガルシアにとって、公式戦であることが最低条件だった。合意を主張した10月21日の投稿でも、メイウェザーの「50戦無敗」を対戦の看板に掲げている。
50戦無敗のまま引退したメイウェザー
メイウェザーはプロで50戦50勝(27KO)の戦績を残し、2017年8月のコナー・マクレガー戦を最後に公式戦から離れた。5階級で世界王座を手にした実績を持ち、無敗のまま引退した選手として知られる。
引退後はエキシビションに専念する。日本では2018年12月にキックボクサーの那須川天心と、2022年9月には格闘家の朝倉未来と、いずれもさいたまスーパーアリーナで対戦した。米国ではユーチューバーのローガン・ポールとも拳を交えたが、どれも勝敗が公式記録に残らない試合だった。
2026年には、マニー・パッキャオとの再戦が9月に予定されていた。しかし6月26日、パッキャオ陣営が無期限延期を発表する。メイウェザー側を巡る訴訟や日程の重複、資金面の問題が理由とされた。同じ時期には、イベント会社がメイウェザーを相手取り、パッキャオとの再戦と、マイク・タイソンとのエキシビションの興行権として支払ったという少なくとも465万ドルの返還を求めて提訴したとも報じられた。再戦の形式を巡っても、エキシビションとするメイウェザー側と、公式戦を求めるパッキャオ側の主張は食い違っていた。
公式戦の形式を譲らない相手との交渉が流れたばかり。そこへ、同じく公式戦を求めるガルシアが名乗りを上げた。
2026年に初の正規の世界王座をつかんだガルシア
ガルシアは2026年に入って勢いを取り戻した。2月21日、米ラスベガスのT-モバイル・アリーナでWBC世界ウェルター級王者マリオ・バリオスに挑み、3-0の判定勝ち。ジャッジ3人の採点は119-108、120-107、118-109で、これが自身初の正規の世界王座となった(2021年1月にはWBC世界ライト級の暫定王座を獲得している)。1回開始約30秒で奪ったダウンは、オーバーハンドの右だった。ガルシアは試合後、キャンプ中はほぼずっと右を磨いてきたと明かし、相手が左フックを警戒してくると読んで左フックはあえて打たなかったと語っている。
9月12日には同じ会場で初防衛戦に臨み、英国のコナー・ベンを2回1分25秒TKOで退けた。2回早々に右でダウンを奪い、ロープ際で連打をまとめての決着で、ベンは試合後、念のため病院へ運ばれた。戦績は26勝(21KO)2敗となる。
ここまでの道のりは平らではなかった。2023年4月にはジャーボンテ・デービスにKO負けを喫し、2024年4月のデビン・ヘイニー戦は勝利したものの、禁止薬物の陽性反応で無効試合に変わった。ニューヨーク州のコミッションから1年間の出場停止処分を受け、復帰戦となった2025年5月のロランド・ロメロ戦は判定で敗れている。
そこからの王座奪取と初防衛だった。ガルシアは同じ階級のWBA王者テオフィモ・ロペスとの統一戦の候補にも名前が挙がる。
年齢差21歳、実現への壁
ガルシアは28歳、メイウェザーは2027年2月に50歳を迎える。年齢差は21歳で、実現すれば、メイウェザーにとっては2017年8月のコナー・マクレガー戦以来の公式戦になる。
実現には越えるべき手順が多い。公式戦として行うなら、試合を認可する州などのコミッションの許可と、メディカルチェックが前提になる。WBCが王座戦として承認するかどうかも決まっていない。米メディアには、ランキング外の選手を直接挑戦者にすると、上位の選手を飛ばすことになるという批判的な論評も出た。
両者の格の差を考えれば、条件面の調整も簡単ではない。体重は147ポンドとガルシアは書いたが、ファイトマネーの配分や放送先、開催地について、ガルシア自身も何も明かしていない。
結局、10月23日時点で確かなのは、ガルシアが「合意した」と発信したという一点だけだ。メイウェザーは2週間前の挑発にも公には答えていない。50戦無敗の看板を懸けるのか、それとも沈黙を続けるのか。その答えを出せるのは、メイウェザー本人しかいない。
[文/構成 by スポーツライター 久遠(KUON)]












































































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