鳴門渦潮が八王子実践に2-1サヨナラ勝ち 延長10回タイブレークで現校名では初の甲子園白星

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8月9日の第108回全国高校野球選手権大会1回戦、鳴門渦潮(徳島)が八王子実践(西東京)に延長10回タイブレークの末2-1で勝利した。9回に追いつかれたが10回、山本飛佑雅の一打でサヨナラ勝ち。統合後の2012年以降、甲子園では初めて勝った。前身の鳴門工業時代以来、18年ぶりの白星となった。
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9回追いつかれるも10回にサヨナラ
甲子園球場で行われた1回戦、鳴門渦潮と八王子実践の一戦は大会5日目第3試合として16時に始まった。先発した鳴門渦潮の西村大輝(3年)と八王子実践の塚原翔太(3年)がともに粘りの投球を見せ、試合はロースコアのまま進む。
先に動いたのは鳴門渦潮だった。2回、左中間への二塁打で出塁した西岡が後続の進塁打で三塁に進むと、次打者の飛球が二塁手にファウルゾーンで好捕される間にタッチアップで生還し、1点を先制する。
西村はその後も安定した投球を続け、8回まで八王子実践打線を散発3安打に抑え、三塁すら踏ませなかった。だが九回2死という土壇場、フルカウントから代打・金子侑樹(3年)が外角の直球を右前へはじき返し、試合を1-1に戻す。九回裏、鳴門渦潮にもサヨナラの好機はあった。先頭打者がビデオ判定でアウトに覆り、続く打者の左翼への大飛球も好捕される。両者譲らぬまま、試合は今大会初の延長タイブレークへ突入した。
無死一、二塁から始まる10回、表の八王子実践の攻撃を鳴門渦潮が無失点で切り抜けると、その裏、2死二、三塁から2番・山本飛佑雅(2年)が三遊間を破る一打を放つ。詰まりながらも芯を外れた打球は野手の間を抜け、三塁走者が生還。2-1、鳴門渦潮のサヨナラ勝ちで幕を閉じた。西村は10回を128球で投げ切り、自責点1。両校とも無失策で終えた一戦となった。
校名変更から14年、前身時代以来18年ぶりの白星
鳴門渦潮という校名は、決して古いものではない。旧・鳴門第一高校と旧・鳴門工業高校が統合し、鳴門渦潮高校として新設されたのは2012年4月のこと。校名は一般公募にかけられ、2010年11月5日、鳴門海峡の渦潮にちなんだ「鳴門渦潮」に決まった。2014年度までは旧鳴門第一の校地を撫養キャンパス、旧鳴門工業の校地を大津キャンパスとして併用していたが、2015年度以降は大津キャンパスに一本化されている。
前身の鳴門工業は、2008年の第90回大会で甲子園に出場していた。1回戦で本荘(秋田)を4-3で下したが、2回戦は関東第一(東東京)に2-5で敗れた。鳴門渦潮となってからは今回が2年ぶり9度目の夏の甲子園だが、統合後の白星はこれが初めて。前身時代を含めれば、18年ぶりの甲子園勝利だった。
徳島大会では7月27日の決勝で阿南光を7-4で下し、出場権をつかんだ。ノーシードから第1シードの阿南光を破っての勝利だった。エース西村が5試合すべてに登板し、DH制を一度も使わずに勝ち上がったチームは今大会でも鳴門渦潮だけだ。決勝では先発した西村が一度リリーフに退いた後、再び抑えとしてマウンドに戻る場面もあり、投手陣への信頼の厚さがうかがえた。
一方の八王子実践にとって、今年は創立100周年の節目にあたる。西東京大会決勝で創価を1-0で下し、春夏を通じて初めての甲子園出場を決めている。専用グラウンドを持たない環境で練習を重ねてきたチームにとって、聖地でのこの一戦は特別な意味を持つ舞台だった。8月5日の開会式では主将の矢沢陵磨(3年)が選手宣誓を任され、7月末に熊本で起きた最大震度7の地震にも触れながら「いい顔をして野球をしよう」と誓っている。
サヨナラの山本と両監督のコメント
サヨナラ打を放った山本飛佑雅は、試合後に率直な思いを口にした。「絶対打ってやろうと思っていた。素直にうれしいです」。狙い通りの当たりではなかったという。「ライト方向に強い打球をと思ったけれど、詰まったのがいいところに飛んでくれた」と語り、チームの3年生については「とても優しくて尊敬できる先輩ばっかりですし、格好いい先輩です」と感謝を伝えた。
鳴門渦潮の森恭仁監督(59)は、勝利の実感をこう表現する。「感無量というか、アルプスでの大合唱ができたので、これでとりあえず1つ目のハードルを越えた」。土壇場で結果を出した山本については「修正できる子なので、最後の最後で修正してくれて本当にうれしい」と目を細める。エース西村の投球についても「これぐらい投球のリズムが良いのは県大会を通じてなかったくらい。西村が打たれるなら仕方がない」と全幅の信頼を寄せた。
敗れた八王子実践の河本ロバート監督(40)は、同校OBで亜細亜大卒業後にドジャースとマイナー契約を結んだ経歴がある。「ロバートさん」の愛称で親しまれる指揮官は、聖地での初勝利こそ持ち越しとなったが、選手たちを「いい顔をしてプレーしていた」とねぎらった。九回2死から追いつく粘りを見せたナインに、試合後はスタンドから両校へ大きな拍手が送られている。
SNSでも広がった熱戦への反応
九回2死から追いつかれ、延長タイブレークの末にサヨナラで決着したこの試合は、終了後にSNS上でも大きな反応を呼んだ。初出場校の粘りと接戦の結末を惜しむ投稿が相次ぎ、夏の甲子園らしい一戦として受け止められている。今大会で初めてとなる延長タイブレークだった点も、この一戦への関心を後押しした。
2回戦は8月14日、霞ケ浦と対戦
初戦を制した鳴門渦潮を、2回戦で待つのは霞ケ浦(茨城)だ。対戦は大会10日目にあたる8月14日の第2試合で組まれている。霞ケ浦は9日、鳴門渦潮と同じ大会5日目に行われた1回戦で中京(岐阜)を6-3で下し、勝ち上がってきた。
現校名では初めてとなる甲子園での白星をつかんだ鳴門渦潮にとって、次戦は統合後初となる3回戦進出をかけた一戦になる。西村がどこまで球数を管理しながら次戦に備えられるか、そして山本ら打線がタイブレークの勢いを持ち越せるかが、次の焦点だ。
[文/構成 by スポーツライター 高瀬翔吾]




































































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