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山本由伸、メジャーで日本人投手初の2年連続規定投球回・防御率2点台 9敗目も14勝・防御率2.53

山本由伸、メジャーで日本人投手初の2年連続規定投球回・防御率2点台 9敗目も14勝・防御率2.53

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン

ドジャースの山本由伸(28)が現地時間9月23日(日本時間24日)、本拠地ドジャースタジアムでのパドレス戦に先発し、6回5安打4失点(自責点2)で9敗目を喫した。レギュラーシーズン最後の登板で、成績は28試合14勝9敗、防御率2.53、185回に確定。昨季の2.49に続く防御率2点台で、規定投球回に届いた上での2年連続は日本人投手としてメジャー初となった。

最終登板は6回4失点、15勝目に届かず

ドジャースは1-5でパドレスに敗れた。山本は3回まで相手打線を無失点に抑えたが、4回に流れが変わる。先頭のダスティン・ハリスへの1球は当初、死球と判定されなかったものの、パドレス側のチャレンジで判定が覆って出塁を許すと、続くマニー・マチャドに中堅へ2ランを運ばれた。

5回は連打で無死一、二塁とされ、ハリスの打球を処理した山本自身の送球エラーで1点を失う。さらにマチャドの中犠飛で4点目。この回の2点はいずれも自責点がつかず、自責点は4回の2ランによる2点だけだった。

投げ終えてみれば6回88球、5安打4奪三振、1四球1死球。打線は4回にトミー・エドマンの犠飛で1点を返しただけで、勝ち星は救援したブラッドグリー・ロドリゲスについた。

試合後、山本は4回の本塁打について「ちょうどバッターの得意なコースに失投してしまったので。すごく悔しいですし、その後のプレーも反省するところはあると思う」と話した。5回の悪送球を含め、自分の守備にも目を向けた言葉だった。

「日本人初」の条件は何か

記録の中身を整理したい。条件は二つある。ア・リーグやナ・リーグの防御率ランキングに載るための規定投球回(シーズン162回、チームの試合数×1回)に届くこと。その上で防御率を3.00未満にとどめることだ。これを2シーズン続けて満たした日本人投手は、これまでいなかった。

山本は昨季、30試合に先発して173回2/3を投げ、防御率2.49。今季は9月2日(日本時間3日)のカージナルス戦の途中で162回を超え、最終的に185回まで伸ばした。防御率2.53は、ナ・リーグの規定投球回到達者の中で3番目に低い数字だ。

過去の日本人投手をたどると、1シーズンだけなら条件を満たした例はいくつもある。

投手条件を満たした年(防御率・投球回)翌年の成績
野茂英雄1995年(2.54・191回1/3)1996年 3.19・228回1/3
松坂大輔2008年(2.90・167回2/3)2009年 5.76・59回1/3
ダルビッシュ有2013年(2.83・209回2/3)2014年 3.06・144回1/3
岩隈久志2013年(2.66・219回2/3)2014年 3.52・179回
大谷翔平2022年(2.33・166回)2023年 3.14・132回
千賀滉大2023年(2.98・166回1/3)2024年は故障でほぼ登板なし
今永昇太2024年(2.91・173回1/3)2025年 3.73・144回2/3

いずれも翌年に防御率が3点台以上になるか、投球回が規定に届かなかった。1996年の野茂は228回以上を投げながら防御率3.19で、あと一歩及ばなかったのだ。

60試合制だった2020年には、ダルビッシュ(防御率2.01)や前田健太(同2.70)が短縮シーズンの規定に届いたが、2人とも前年と翌年は防御率3点台以上だった。田中将大の2014年(防御率2.77)は136回1/3で規定に届いていない。

2年続けて、長いイニングを、2点台で。どちらか一方を満たす投手は多くても、両方をそろえ続けるのは簡単ではない。

ローテーションを守った唯一の先発

山本の数字には、もう一つの裏付けがある。今季のドジャース先発陣で、1年を通してローテーションから外れなかったのは山本ただ1人。この状態は昨季から2年続く。

入団1年目の2024年は6月に右肩を痛め、約3か月離脱した。18試合90回にとどまったシーズンから一転、2年目は30試合に先発し、ワールドシリーズではMVPに輝いた。3年目の今季はさらに投球回を伸ばし、185回は渡米後最多となった。

年度登板(先発)勝敗防御率投球回奪三振
2024年18(18)7勝2敗3.0090105
2025年30(30)12勝8敗2.49173回2/3201
2026年28(28)14勝9敗2.53185182

今季は開幕から大崩れがほとんどなかった。28試合のうち、6回以上を投げた登板は25試合。7月19日(日本時間20日)のヤンキース戦では9回を投げ切っている。1イニングあたりに安打と四球で許した走者の数を示すWHIPは0.87。1イニングの走者が平均で1人に満たない計算になる。

関連記事:山本由伸、ブルワーズ戦で6回4安打1失点 渡米後最多に並ぶ12勝目の権利と今季成績を整理

8月14日(日本時間15日)のブルワーズ戦で12勝目を挙げた後、山本は勝ち星を積み上げた。9月9日(日本時間10日)のレッズ戦で13勝目、同15日(同16日)の敵地レッズ戦では7回1安打無失点で14勝目。最終登板で15勝目を狙ったが、届かなかった。

ロバーツ監督「そんな選手はなかなかいない」

試合前の会見で、デーブ・ロバーツ監督は山本を手放しで評価した。

「信頼できる選手というのはぜひともチームにいてほしい存在だが、そんな選手はなかなかいない。ヨシノブは本当に頼りになる」

監督はさらに、今季よくなかった登板は1、2度しかなかったと明かし、常に6回以上を投げて安定していた点を挙げた。

降板後の姿も中継に映った。ベンチに戻った山本はすぐにノートを開き、ペンを走らせる。その姿勢をたたえる投稿がSNSで相次いだ。

山本本人は1年を投げ切った手応えを、こう表現している。「毎年そうですけど、成長も感じますし、もっと頑張らないといけないところも感じるなと。やっぱりシーズン1年やるっていうのはすごく自分の成長につながる」。

上位2シードへマジック1、次は地区シリーズへ

ドジャースは9月17日(日本時間18日)、敵地シンシナティでのレッズ戦に8-2で勝ち、5年連続のナ・リーグ西地区優勝を決めた。9月23日の試合を終えた時点で97勝61敗と、2位パドレスに9ゲーム差をつける。

焦点はシード順位に移る。地区優勝3チームのうち勝率で上位2位に入ればワイルドカードシリーズ(現地時間9月29日開始)を免除され、同10月3日に始まる地区シリーズから登場できる。ドジャースは5連勝でこの条件へのマジックを1としていたが、9月23日の敗戦で確定は持ち越しとなった。日本時間9月25日朝の時点で、レギュラーシーズンは残り4試合。

山本の今季のレギュラーシーズン登板はこれで終わる。ポストシーズンでは、今季途中にタイガースから加入したタリク・スクバルとともに第1戦の先発候補に挙がっており、本人は「最高の投球になるように全力を尽くしたい」と前を向いた。昨秋、ワールドシリーズ連覇の原動力となった右腕が、3連覇を狙う短期決戦のマウンドに向かう。

[文/構成 by スポーツライター 高瀬翔吾]

寄稿者

高瀬翔吾
Webメディアでスポーツ、エンタメ、時事ニュースなど、累計数千本の記事制作に携わってきたスポーツ系ライター。野球分野では、プロ野球の試合結果や選手の記録をはじめ、MLB、高校野球、ドラフト、移籍、契約更改などの記事を継続的に担当。数字や公式記録を基に情報を整理する記事を得意としており、結果を伝えるだけでなく、その記録が持つ意味や、選手・球団を取り巻く背景までわかりやすく解説することを心がけている。主な執筆分野は、プロ野球、MLB、高校野球、侍ジャパン、ドラフト、移籍情報。

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