家族系YouTuberの収益化停止、テレビの子役と何が違う? 当事者の主張と子どもの権利をめぐる議論

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子どもが出演する家族系YouTubeチャンネルで、収益化が止められる例が相次いでいると報じられている。YouTubeは子どもの出演を一律には禁じておらず、規定は未成年者を望まない注目から守ることを軸にする。テレビや映画の子役と違い、家庭での撮影には労働基準法の許可の仕組みが基本的に及ばないとの見方がある。フランスは法律で親の責任を定めた。
家族系チャンネルで相次ぐ停止、当事者が語った受け止め
ABEMA TIMESは11月1日、日本でもYouTubeの収益化ポリシーに基づいて収益化を止められるチャンネルが相次いでいると伝え、報道番組「ABEMA Prime」での議論を記事にした。当事者として出演したのは、登録者約62万人の「しょうやん男三兄弟」を運営するしょうやんパパ氏。本人によると、今年に入って収益化の停止を通知され、理由は未成年者が意に反して注目を浴びるよう促す内容に当たるという趣旨だった。過去の動画約2200本を削除して再申請したものの、収益化は戻っていない。
穏やかな内容のチャンネルでも停止が出るなか、ケンカで激しく怒る場面もある自分たちにも「ようやく来たか」と感じた、としょうやんパパ氏は振り返った。
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再審査の結果や活動の方針は、上の記事で詳しく伝えている。番組で問われたのは個別のチャンネルの処遇より、子どもが映る動画で家族が収入を得ることを、どこまで認め、誰が判断するのかという点だった。
YouTubeは子どもの顔出しを禁じたのか
最初に押さえておきたいのは、YouTubeが家族動画や子どもの顔出しを一律に禁止したわけではないことだ。家族系チャンネルをまとめて収益化の対象から外すといった発表は、YouTubeのヘルプページや公式ブログでは見当たらない。
YouTubeの「子どもの安全に関するポリシー」は、未成年者を望まない注目から守ることを目的に掲げる。投稿してはいけない例として挙げるのは、寝室や浴室など家の中の私的な場所での撮影、見知らぬ人との接触や度胸試しのような挑戦、不適切な注目を集めかねない活動、子どもの個人情報が分かる内容など。そのうえで、子どもを出演させるなら大人の監督のもとで年齢にふさわしい活動をさせるよう求めている。
違反していなくても、子どもが映る動画ではコメント欄やライブ配信、おすすめ表示が制限されることがある。YouTubeはこうした制限を2019年に順次取り入れ、同年6月の公式ブログでは、未成年者が出る動画の大半は規定に違反しておらず善意で投稿されたものだと説明している。
収益化には別の物差しがある。チャンネル収益化ポリシーは、子どもの安全を含むコミュニティガイドラインや利用規約、AdSenseのポリシーなどで組み立てられ、違反があれば収益化の停止につながる。動画を公開し続けられるかどうかと、広告収入を受け取れるかどうかは、同じ基準だけで決まるわけではない。
当事者に届いた通知と同じ一文は、公式ヘルプの中では確認できなかった。ただ、子どもの安全に関するポリシーの日本語版は冒頭で、未成年者が意に反して注目を集めないように守ることを掲げており、言葉の上でも通知の理由と重なる。どの動画がどの規定に当たったのかは公表されていない。
テレビの子役と家庭の動画、制度の上で何が違うのか
番組でひろゆき氏は、テレビや映画の子役は労働基準法などで守られているのに、家庭で撮影して稼ぐのは自由なのかと問いかけた。
中学生までの子役を労働者として使うなら監督署の許可がいる
労働基準法は、満15歳に達した日以後の最初の3月31日が終わるまで、つまりおおむね中学校を卒業するまでの子どもを、労働者として使うことを原則として認めていない。例外として、工業的でない事業なら13歳以上、映画の製作や演劇の事業なら13歳未満でも、健康や福祉に有害でない軽い仕事を修学時間外に行う場合に限り、労働基準監督署長の許可を受けて使うことができると厚生労働省や労働局は説明している。
許可を受けるのは子どもを使う事業者の側で、行政が個別に可否を判断する仕組みだ。
弁護士は家庭の撮影に労働法を当てはめにくいと指摘
IT法務に詳しい深澤諭史弁護士は番組で、家庭での撮影に労働基準法などが適用されることは基本的にないとの見方を示した。労働は指揮監督に従って行うものだが、YouTubeは投稿の場を貸すだけで、投稿者は誰の指揮監督も受けていない。親子の間に雇用契約のような合意があるとも言いにくいという。局や制作会社と契約して作るテレビとは構造が違う、という整理だ。
深澤氏はさらに、会社員には労働法、個人事業主にはフリーランス法、消費者には消費者法があり、法律が力関係を補っているが、YouTubeのような場に参加するクリエイターを保護する法律はないと指摘した。どのチャンネルの収益を止めるかは、YouTube側がある程度自由に決められるという。
子どもの意思は誰が確かめるのか
もう1つの論点が、子ども本人の意思だった。保育士のてぃ先生は、子どもは親やきょうだいに合わせて続けてしまうことがあり、本当の意味で意思を確かめるのは難しいと指摘した。嫌だと言い出しにくい家族の関係の中で、出演への同意をどう受け止めればよいのか、簡単には答えが出ない。
しょうやんパパ氏は、長男が小学5年生になり、デジタルタトゥー(ネットに出た情報が消えずに残ること)について考えられる年齢になったとして、家族全員で話し直すつもりだと語った。激しく怒る場面が映っていたことだけで、家庭の内側を外から判断することはできない。ただ、映った本人がいずれその映像とどう向き合うかは、撮った側だけでは決められない。
フランスは2本の法律で親の責任を書き込んだ
てぃ先生が例に挙げたのがフランスだ。同国は2020年と2024年に、ネット上で公開される子どもの動画や画像について法律を定めている。
| 法律 | 主な対象 | 主な中身 |
|---|---|---|
| 2020年10月の法律 | 動画の主役となる16歳未満の子ども | 基準を超えた後の収入を成人などまで公的機関で管理、 |
| 2024年2月の法律 | 親が公開する子どもの画像全般 | 子どもの私生活を親が守る対象に明記、 |
2020年の法律は、子どもが稼ぐ動画を対象にする。雇用関係がある場合は労働法の許可の仕組みに組み込み、雇用関係がなくても、動画の合計時間や本数、収入が基準を超えれば親に当局への届け出を義務づけた。基準を超えた後の収入は公的機関の預金供託金庫に預けられ、子どもが成人するか、法的に自立(émancipation)するまで管理される。当局が定める一部は親の手元に残すこともできる。子ども本人が親の同意なしに自分のデータの削除を求められる権利も盛り込まれた。
2024年の法律は、収入の有無を問わない。民法を改め、親が守るべきものに子どもの私生活を加えた。両親は共同で子どもの肖像権を守り、子どもの年齢や成熟度に応じて、その判断に本人を関わらせる。両親の意見が割れれば、裁判官は一方の親による無断の公開を禁じることができ、公開が子どもの尊厳や心の健康を深刻に損なう場合には、肖像権の扱いを第三者に委ねるよう裁判所に求める道も開かれた。
背景には、親がSNSで子どもの写真や動画を共有することが珍しくないという事情がある。フランスの個人情報保護機関CNILは、2023年の民間調査(OPEN・POTLOC)で同国の親の53%が子どもに関する内容をSNSで共有したことがあると紹介し、投稿の前に子どもと話して同意を得るよう呼びかけている。
日本では、深澤氏の見方に立てば、家庭での撮影は労働基準法の許可の対象にならず、収益化の可否もYouTubeが自社の規定に沿って判断している。子どもが成長したとき、映像の扱いに本人の意見をどう反映させるかという課題は、収益化の可否とは別に残る。
[文/構成 by Webライター 朝倉あずさ]



































































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