マスカレードボール、天皇賞・秋連覇へ最終追い切り 香港・英国の海外2戦明け、鞍上はルメール

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン
昨年の天皇賞・秋を制したマスカレードボール(牡4、美浦・手塚貴久厩舎)が10月28日、美浦トレーニングセンターの坂路で最終追い切りを行った。4ハロン54秒1、ラスト1ハロン12秒4の時計で、僚馬2頭との併せ馬をこなした。今年は香港と英国の海外2戦だけを走り、帰国後初戦が連覇のかかる11月1日の第174回天皇賞・秋(東京芝2000m、G1)となる。本番はクリストフ・ルメール騎手が騎乗する。
坂路で僚馬2頭と併せ、ラスト12秒4
10月28日の追い切りは、美浦の坂路コースで行われた。背中にいたのは嶋田純次騎手。レースで手綱を取るルメール騎手ではない。
併せたのは2頭。リアライズシリウスは、前走の毎日王冠で7着だった3歳馬で、天皇賞・秋にも出走を予定する同じ厩舎の僚馬だ。隊列は、3歳1勝クラスのピエスユニークを前に置き、マスカレードボールが内から追いかける並び。最後はピエスユニークに先着し、さらに内から迫ったリアライズシリウスとは並んでゴールした。時計は4ハロン54秒1、ラスト1ハロン12秒4だった。
数字だけ見れば控えめだ。手塚貴久調教師も時計は遅かったと認めたうえで、併せ馬でしっかりできたことと上がってきた息から、十分に仕上がっているとの印象を語った。
坂路を選んだのには理由がある。3週前からウッドコースで追い切りを重ねてきたため、最後は息を整える程度で十分と判断したという。乗った嶋田騎手も、動きが良く、精神面も悪くなっていないとして、仕上がりに手応えを示した。
強めの負荷をかけたのは、その1週前だった。10月22日には美浦のウッドコースでリアライズシリウスと併せ、6ハロン82秒4、ラスト1ハロン11秒0の好時計で併入。このときも騎乗した嶋田騎手は、もともと調教で動くタイプではなかったが、競馬と同じ走りができるようになってきたと変化を口にしている。
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手塚師は1週前の時点で、以前は嫌々走っていたが今はある程度のペースでも楽についていけるようになったと語り、1年たって体力もついたと成長を挙げていた。
昨年は3歳で天皇賞・秋を制覇
連覇の起点は、2025年11月2日の第172回天皇賞・秋にある。JRAの公式成績によると、3歳のマスカレードボールは1番人気に応え、ルメール騎手を背に1分58秒6で優勝した。同じ3歳のミュージアムマイルに4分の3馬身差をつけ、3着はジャスティンパレス。これが初めてのG1タイトルとなった。
春のクラシックでは、あと一歩が続いていた。2025年は共同通信杯(G3)を勝って皐月賞3着、日本ダービーは同期のクロワデュノールに次ぐ2着。秋に古馬を相手に天皇賞を勝ち、続く11月30日のジャパンカップでも2着に入った。勝ったフランスのカランダガンとはアタマ差。同じ2分20秒3で駆け抜け、4着だったクロワデュノールには先着している。
父はドゥラメンテで、北海道千歳市の社台ファーム生まれ。通算成績は10戦4勝。新馬戦(新潟)、アイビーステークス、共同通信杯、天皇賞・秋(いずれも東京)と、勝ち星はすべて左回りのコースで挙げている。
天皇賞・秋を2年続けて勝った馬は、シンボリクリスエス、アーモンドアイ、イクイノックスの3頭しかいない。マスカレードボールが勝てば4頭目となる。
香港2着、英国7着 海外2戦の中身
4歳になった今年、陣営は国内のレースを使わず、海外へ向かった。2戦の結果は次のとおりだ。
| 日付(現地) | レース(開催地) | 着順 | 騎手 |
|---|---|---|---|
| 4月26日 | クイーンエリザベス2世C | 2着 | ルメール |
| 7月25日 | キングジョージ6世&クイーンエリザベスS | 7着 | ルメール |
香港のクイーンエリザベス2世カップは、地元の絶対王者ロマンチックウォリアーが勝った一戦。マスカレードボールは後方から直線で追い上げ、勝ち馬に迫ったものの届かなかった。レース後、ルメール騎手は「惜しかったですが、とても良い競馬をしてくれました」と振り返り、手塚師は「残念でした、もうちょっとでしたね」と悔しさをにじませた。
英国のキングジョージは9頭立て。勝ったのは地元の牝馬カルパナだった。マスカレードボールはスタートでやや出遅れて最後方からの競馬になり、直線で追い込んだが7着に終わる。ルメール騎手は「スタートがあまり上手ではない馬ですので、後ろの方になってしまいましたが、悪いポジションではなかったです」と振り返り、「今日は良い結果を出すことができなかったです」と話した。
英国の敗戦について、手塚師は1週前追い切りの後、香港より英国遠征時のほうが体調は良かったとし、それでも結果は冷静に受け止めないといけないと語った。帰国後は千葉県の競馬学校で入国検疫を受け、宮城県の山元トレーニングセンターで調整。美浦に戻ったのはレースの約4週間前だった。
手塚師は10月28日の取材で、英国遠征の後もすぐに息が入り、大きなダメージはなかったと説明している。慣れない環境で神経質になる面もあったが、海外2戦の経験は非常に大きく、今に生きているとの見方を示した。
東京2000mは「一番いい舞台」
舞台の東京芝2000mについて、手塚師は、コース形態を考えても「一番いい舞台であることは間違いないのかなと思っています」と話す。走りが変わる理由を問われると、冗談まじりに東京が好きなのかなと答えた。
過去にはゲート入りを嫌がる場面もあった。手塚師は、東京2000mはスタート地点が本線から外れた引き込み線(ポケット)にあり、後ろに逃げる余地がないため、ゲートに入るしかないと早く悟らせやすいと説明する。美浦でのゲート練習もスムーズで、最近は素直に出ていることから、今回は心配していないと明かした。
武器ははっきりしている。手塚師は最後の脚、切れ味を最大の武器に挙げ、日本の現役馬の中でも指折りのものを持っていると評価し、その特性が生きる展開を望んだ。
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相手関係は昨年より厚い。春の天皇賞を勝った同期のクロワデュノールも出走を予定し、手塚師も昨年以上に強力なライバルがそろったと認める。ダービーで敗れた相手だが、去年のダービーと比べれば明らかに力をつけているとし、その差は少し縮まっているとの見方を語った。
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連覇がかかる立場でも、手塚師は自らの馬を有力馬の1頭と位置づける。そのうえで、ここまでの臨戦過程も調整過程も思い描いた通りで、十分な仕上がりで臨めるとの見方を語り、運が味方すればチャンスをものにできるとの考えを示した。
枠順は10月29日に確定する予定だ。レースは11月1日、東京競馬場で行われる。帰国初戦で2年連続の盾を狙うマスカレードボールに、ルメール騎手が再びまたがる。
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[文/構成 by スポーツ担当ライター 疾風(HAYATE)]














































































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