スマートプリエールが秋華賞を回避 軽い捻挫で山口助手「大事をとってやめます」

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン
今年のフラワーCを勝ったスマートプリエール(牝3)=栗東・大久保龍志厩舎=が、10月18日に京都競馬場で行われる第31回秋華賞(G1、芝2000メートル)を回避した。10月14日の最終追い切りの後に軽い捻挫が見つかり、10月15日の出馬投票を見送った。厩舎の山口助手は「大事をとってやめます」と説明している。牝馬3冠の最終戦は17頭立てで争われる。
最終追い切りの後に軽い捻挫、出馬投票を見送る
回避が明らかになったのは、出走馬が確定した10月15日だった。秋華賞に特別登録していた18頭のうち、スマートプリエールだけが出馬投票をしなかった。
報道によると、捻挫が判明したのは10月14日の追い切りの後。山口助手は回避の理由について「追い切り後、軽い捻挫が判明し、少し腫れもあったので、大事を取って回避することになりました」と話した。どの脚を痛めたのか、どれくらいの休養が必要になるのかは、10月16日時点で明らかにされていない。
捻挫は「軽い」とされている。それでもG1の直前に無理をさせず、馬の体を優先した判断だ。
秋華賞のようなG1では、出走を希望する馬はまずレースの約2週間前に特別登録をし、レース週の木曜日に出馬投票をして初めて出走が決まる。スマートプリエールは特別登録まで済ませていたが、最後の手続きとなる出馬投票をしなかった。捻挫が分かったのは、その出馬投票の前日だった。
新コンビの幸英明と好時計、直前まで順調だった
回避の前日まで、仕上がりは順調そのものに見えていた。
10月14日の朝、スマートプリエールは秋華賞で新たにコンビを組む幸英明騎手を背に、栗東トレーニング・センターのCW(ウッドチップ)コースに入った。他の馬と併せない単走で、鞍上が追わずに馬の行く気に任せる「馬なり」。それでも6ハロン(1200メートル)82秒7、ラスト3ハロン36秒6、ラスト1ハロン(200メートル)11秒0の時計を出している。
幸騎手が追い切りに乗るのは2週続けてだった。この日の動きについて、乗りやすさと反応の良さを口にしていた。
最終追い切りの場所も、3走前に勝ったときと同じ形に戻していた。ローズSとその前のオークスでは坂路で最後の追い切りをしていたが、重賞を初めて勝ったフラワーCの前と同じCWコースに切り替えていた。大久保調教師も、ここ数週間の状態が高いところで安定していると手応えを語っていた。
その翌日に回避が決まった。状態の良さを伝えていた矢先の決断だった。
フラワーC勝ち馬、ここまで9戦2勝
スマートプリエールは2023年3月6日生まれ。父は2013年の菊花賞を勝ったエピファネイア、母は重賞4勝のスマートレイアーで、北海道安平町のノーザンファームで生まれた。馬主は大川徹氏だ。
デビューは2歳の6月。新馬戦は3着だったが、2戦目の函館の未勝利戦で初勝利を挙げ、続く札幌2歳S(G3)でも3着に入った。3歳になった2026年3月21日、中山競馬場のフラワーC(G3、芝1800メートル)を6番人気で制し、重賞初勝利をつかんでいる。2着のロンギングセリーヌとの差は0秒1。中団でじっくり脚をため、直線で先頭を行くロンギングセリーヌを差し切った。
ただ、その後は大きな舞台で結果が出ていない。ジュウリョクピエロが勝った5月24日のオークス(G1)は15着。秋初戦の9月13日、阪神競馬場のローズS(G2)は8番人気で6着に終わり、勝ったのはモンローウォークだった。
そのローズSでは、馬体重がオークスから14キロ増えて486キロになっていた。これまでのレースで最も重い数字で、ひと夏を越えて体が大きくなったことがうかがえる。それでもローズSの後、次は秋華賞へ向かうと伝えられていた。
デビューからの全成績は次の通り。
| 日付 | レース | 人気 | 着順 | 騎手 | 勝ち馬 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2025年6月15日 | 2歳新馬(阪神・芝1800m) | 2番人気 | 3着 | 武豊 | サレジオ |
| 2025年7月19日 | 2歳未勝利(函館・芝1800m) | 1番人気 | 1着(勝利) | 武豊 | スマートプリエール |
| 2025年9月6日 | 札幌2歳S(G3) | 4番人気 | 3着 | 武豊 | ショウナンガルフ |
| 2025年10月18日 | アイビーS(L) | 4番人気 | 4着 | 武豊 | アンドゥーリル |
| 2026年1月25日 | 河津桜賞(1勝クラス) | 1番人気 | 3着 | 武豊 | ソルパッサーレ |
| 2026年3月1日 | チューリップ賞(G2) | 5番人気 | 6着 | 吉村誠之助 | タイセイボーグ |
| 2026年3月21日 | フラワーC(G3) | 6番人気 | 1着(優勝) | 原優介 | スマートプリエール |
| 2026年5月24日 | オークス(G1) | 8番人気 | 15着 | 原優介 | ジュウリョクピエロ |
| 2026年9月13日 | ローズS(G2) | 8番人気 | 6着 | 田山旺佑 | モンローウォーク |
通算成績は9戦2勝(2着0回、3着3回)。デビューから5戦は武豊騎手が手綱を取っていた。秋華賞で組む予定だった幸騎手は、この馬に乗る5人目の騎手になるはずだった。
母スマートレイアーは13年前の秋華賞で2着
秋華賞は、この母娘にとって特別な舞台だった。
母のスマートレイアーは、2013年の秋華賞で2番人気に推され、2着に入った。手綱を取ったのは武豊騎手。勝ったメイショウマンボとの差は1馬身4分の1だった。G1には届かなかったが、その後は阪神牝馬S(2014年、2016年)、東京新聞杯(2016年)、京都大賞典(2017年)と重賞を4つ勝ち、息の長い活躍を見せた。
父のエピファネイアにとっても、秋華賞は縁のあるレースだ。2020年には、エピファネイアの娘デアリングタクトが秋華賞を勝ち、史上初めて無敗で牝馬3冠を成し遂げている。
母を管理していたのも大久保調教師で、馬主も同じ大川氏。同じ陣営が、13年を経て娘で同じレースに挑むはずだった。母が届かなかったG1のタイトルを娘で取りにいく。その挑戦は、ゲートに入る前に止まった。
秋華賞は17頭立て、繰り上がりはなし
秋華賞は1996年に始まった3歳牝馬だけのG1で、桜花賞、オークスに続く牝馬3冠の最後のレースにあたる。3歳の牝馬にとっては一生に一度しか挑めない舞台で、2026年で31回目を迎える。舞台は京都競馬場の芝2000メートル。フラワーCとローズSの芝1800メートルより200メートル長く、スマートプリエールにとっては、オークスの2400メートルに次ぐ長さの距離になるはずだった。
出走できる頭数は18頭まで。特別登録はちょうど18頭だったため、スマートプリエールの回避で代わりに出走できるようになった馬はいない。レースは1頭少ない17頭で行われる。
出走馬にはローズSを3馬身差で勝ち、デビューから4戦4勝のモンローウォーク、紫苑Sを勝ったマスターソアラなどが名を連ねる。スマートプリエールがローズSで先着を許したモンローウォークとの再戦も、これで見られなくなった。
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オークスを勝ったジュウリョクピエロも秋華賞を回避しており、牝馬3冠の最終戦にオークス馬の姿はない。桜花賞を勝ったスターアニスもマイル以下の路線へ進んでおり、春のG1を勝った2頭がそろって出ない秋華賞になった。
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スマートプリエールの次のレースや、休養に入るかどうかは、10月16日時点で発表されていない。捻挫がどの程度で回復するのかも、まだ分からない。捻挫が軽いもので済めば、秋から冬にかけての牝馬路線で巻き返す道は残る。フラワーCを制した素質馬が、どこで戻ってくるのか。陣営の発表が待たれる。
[文/構成 by スポーツライター 疾風(HAYATE)]













































































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