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Kimi K3、中国Moonshot AIが2.8兆パラメータの新AIモデル発表 人気殺到で新規契約を一時停止

Kimi K3、中国Moonshot AIが2.8兆パラメータの新AIモデル発表 人気殺到で新規契約を一時停止

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中国のMoonshot AIが7月16日、パラメータ数2.8兆の新型AIモデル「Kimi K3」を発表した。公開されている重みを持つモデルとしては世界最大級で、性能は米国の最上位モデル群に迫る水準だという。想定を超える利用希望が殺到し、19日には新規契約の受け付けを一時停止した。モデルの重み一式は7月27日に公開予定だ。

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パラメータ2.8兆、世界最大級で発表

2023年設立の北京拠点の新興企業Moonshot AIは7月16日、大規模言語モデル「Kimi K3」を公開した。パラメータ数は2.8兆に達し、公開されている重みを持つモデルとしては世界最大級になるという。

Kimiは同社のAIチャットサービスの名称で、K3はその中核を担う最新の基盤モデルにあたる。実際に処理で動くのは一部だけで、896個の専門家群から16個を選んで働かせる「専門家混合(MoE)」の仕組みを採用。

文章に加えて画像も直接理解でき、回答の前に段階を踏んで考える「思考モード」を常時備える。読み込める文章量は最大100万トークンで、長い資料や複数の文書もまとめて扱えるのが特徴だ。

発表は、上海で開かれる世界人工知能会議(WAIC)の開幕前日というタイミングだった。WAICには140を超えるフォーラムが予定され、世界各国から1400人を超すゲストが集まる大規模な会議だ。中国政府も後援するこの場での発表には、政治的な意味合いも重なる。

新型注意機構で前身から効率2.5倍

Kimi K3は、2025年に公開された前身モデル「Kimi K2」の後継となる新モデルだ。開発チームは新たな注意機構「Kimi Delta Attention」と「Attention Residuals」を採用したと説明する。

この仕組みにより、K2と比べて処理効率を2.5倍に高めたとしている。巨大なモデルだが応答の速さや運用コストを抑えられる設計だという。

モデルの重み一式は7月27日に公開される予定で、発表時点ではまだ手元の環境で動かせる状態ではなかった。世界人工知能会議の開幕を翌日に控えたタイミングでの発表は、中国の生成AI開発が米国勢に迫る現状の表れだ。

総合3位、コーディングでは首位も

独立系の評価機関Artificial Analysisが算出する総合指数で、Kimi K3は57点を記録した。首位はClaude Fable 5の60点、2位はGPT-5.6 Solの59点で、Kimi K3はこの2つに次ぐ3位につける結果だ。Anthropicの「Opus 4.8」は56点で、僅差ながらKimi K3が上回る。

別の評価指数Vals AIでは2位に浮上し、コーディング性能に特化したFrontend Code Arenaでは首位に立った。複数のコーディング課題では、前の世代にあたる「Opus 4.8」や「ChatGPT 5.5」を上回る結果も報告されている。

米国の最新モデルにはなお一歩及ばないものの、重みを公開するモデルとしては異例の水準だ。中国のアリババも7月19日、上海のWAIC会場でパラメータ数2.4兆の新モデル「Qwen3.8」を披露した。Kimi K3の発表から数日後のことで、アリババ自身は「Fable 5に次ぐ性能」と主張するものの、この評価は自社発表にとどまり第三者機関の検証はまだ済んでいない。同じ週に複数の中国企業が兆単位のパラメータを持つモデルを相次いで打ち出したことは、AI開発競争における中国勢の存在感を裏付ける。

需要が6倍に急増、新規契約を停止

Kimi K3の公開後、Moonshotのサービスには利用希望が殺到。48時間ほどで需要はおよそ6倍に膨らみ、稼働を支えるGPU(画像処理半導体)の容量が逼迫したという。

Moonshot側は前例のない規模の計算資源の課題に直面していると説明したと海外メディアが伝え、19日には新規契約の受け付けを一時停止した。

既存の有料利用者を優先する判断で、新規分の再開時期は示していない。香港市場では競合する中国AI企業の株価が下落する場面もあり、Kimi K3の登場が業界地図を揺さぶったことをうかがわせた。これほど急な需要が集まったこと自体、米国勢を追う中国のAI開発の勢いを示す。

重み公開は27日、IPO観測も浮上

モデルの重み一式が予定通り7月27日に公開されれば、Moonshotのサービスを介さずに、自前のサーバーで動かす開発者や企業が現れる。処理速度やデータの扱いを自社の都合に合わせて調整できるため、企業システムへの組み込みを検討する動きも広がりそうだ。

Moonshotはゴールドマン・サックスなどと、香港での新規株式公開(IPO)に向けた協議も始めていると報じられている。20億ドル規模の資金調達を目指しているという。競合のZ.aiは今年1月に香港市場へ上場済みで、中国のAI企業が相次いで資本市場に活路を求める流れも強まっている。

世界人工知能会議には各国のAI関連企業が集まっており、Kimi K3の登場は米中のAI開発競争が新たな局面に入ったことを印象づけた。新規契約がいつ再開するかは、今のところ明らかになっていない。

[文/構成 by MEDIA DOGS編集部]

寄稿者

MEDIA DOGS 編集部
メディアドッグス株式会社のMEDIA DOGS 編集部チーム。インターネットマーケティングに約10年携わるメンバーで編成し、企画・取材・執筆から公開後の改善まで一貫して担当。「出会いを、設計する。」のもと、人と企業が正しく出会える場をつくるために、一次情報の確認とファクトチェックを徹底。情報をわかりやすく誠実に届け、読者の疑問を解決します。

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