Anthropic”Claude”の共有チャットがGoogle検索から閲覧可能でユーザー衝撃…「APIキーや履歴書まで見つかった」対処法は?

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン
AIチャットボット”Claude”の共有チャットが、Google検索で発見・閲覧できる状態だったことが2026年7月25日に判明した。暗号資産ウォレットの鍵や患者の医療記録まで含まれていたとの報告がある。非公開チャットの流出ではなく、ユーザーが「共有」機能を使ったチャットが検索エンジンに拾われた問題だ。
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検索コマンド一つで他人のチャットが並ぶ
7月25日、Redditの”ClaudeAI”フォーラムに一つの投稿が上がった。「site:claude.ai/share」というGoogle検索コマンドを打ち込むだけで、見知らぬユーザーの共有チャットが大量に表示される、という内容だった。投稿はたちまち拡散し、コメントは1,200件を超えた。
Claudeには「共有」機能がある。チャット画面右上のボタンを押すと、会話のスナップショットが固有のURLで生成される。本来は同僚や知人にリンクを送って中身を見せるための仕組みだ。画面上には「リンクを知っている人なら誰でも閲覧できる」との注意書きが出る。
ところが、このURLがGoogleの検索結果に並んでいた。リンクを直接もらわなくても、検索するだけで他人のチャットにたどり着ける。WiredやTechCrunchなど複数の大手メディアが、この状態を週末にかけて確認している。
noindexタグの不在、Googleは「サイト側の責任」
原因はどこにあるのか。
ウェブサイトが検索エンジンに「このページはインデックスしないで」と伝える手段は主に二つある。一つはrobots.txtファイルでクローラーのアクセス自体を遮断する方法、もう一つはページ内にnoindexタグを埋め込んで「検索結果に載せるな」と指示する方法だ。
Anthropicはrobots.txtで共有チャットのディレクトリへのアクセスを制限していた。Wiredが確認したところ、この設定は少なくとも2025年9月から存在する。だが、noindexタグはページ内に見当たらなかった。Wiredは実際に複数の共有チャットページを調べ、そのいずれにもnoindexタグがなかったと報じている。
ここに落とし穴がある。Googleの開発者向けガイドには、robots.txtでクロールを遮断していても外部サイトからリンクされていればURLそのものは認識される、と明記されている。クローラーがページに入れないため、中にnoindexタグがあっても読み取れない。結果としてURLだけが検索結果に載り、クリックすれば中身が見える状態が生まれた。
Googleの広報担当ネッド・エイドリアンスはWiredとTechCrunchに対し、「どのページを公開するかを決めるのは検索エンジンではなくサイト運営者だ。クロールやインデックスを制御する手段はサイト側に提供している」と回答した。
同じ問題、3社目の繰り返し
実はこの種の問題が起きたのはClaudeが初めてではない。
2025年7月、OpenAIのChatGPTで共有チャットがGoogle検索に表示される問題が発覚した。OpenAIは「短期間の実験だった」として共有機能の一部を撤去し、最高情報セキュリティ責任者のデイン・スタッキーが「意図せず情報を公開してしまう機会が多すぎた」とXに投稿している。同年8月にはイーロン・マスク率いるxAIの”Grok”でも約30万件のチャットがGoogleにインデックスされていたとBBCが報じた。
Claude自身にも前例がある。2025年9月、Forbesが数百件の共有チャットがGoogle検索に出ていると報道した。当時Googleは約600件をインデックスしたと推定している。Anthropicの広報担当ギャビー・カーティスはForbesに「検索エンジンによるクロールを積極的にブロックしている」と説明し、問題は収束したかに見えた。
だがrobots.txtだけでは防ぎきれないという根本は手つかずのまま残り、約10か月後に再発した。
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医療記録、子どもの電話番号まで
Redditの投稿をきっかけに、ユーザーたちは次々と共有チャットの中身を確認していった。
Futurismは、実在する患者の詳細な医療記録、患者名入りの臨床試験結果、小学生の子どもの名前と電話番号が載った文書、社内限定の企業文書、従業員の個人情報を含む人事評価などを確認したと報じた。Mashableによれば、暗号資産ウォレットを作成中にその鍵をチャットに貼り付けた事例や、弁護士が職業倫理違反の自己報告の必要性をClaudeに相談していた事例も見つかっている。
Fortuneは、”Anthropicが共有”というラベルがついたチャットの中にClaudeが性的なコンテンツを生成しているものがあったと伝えた。Anthropicの利用規約はこうしたコンテンツの生成を明確に禁じている。TechCrunchがこの件について問い合わせたが、Anthropicからの回答はなかったという。
一方、ZDNetは暗号資産ウォレットの情報について独自に確認が取れなかったと付記しており、報道各社の間で確認できた範囲には差がある。
Anthropicの説明、ユーザーは納得せず
Anthropicはどう答えたのか。
広報担当のアミー・ロザラムはTechCrunchやFortune、Futurismに対して同じ声明を出した。「共有チャットのディレクトリやサイトマップを検索エンジンに提供していない」「リンクはユーザー自身が共有しない限り推測も発見もできない」「共有した時点でそのコンテンツは公開状態になる」という内容だ。
TechCrunchはこの声明について「Anthropicはユーザー側に責任を転嫁するかたちとなった」と指摘している。
2025年のForbesの取材時には、自分のClaudeチャットがGoogle検索に出ていることを知って驚いた当事者が「リンクをオンラインに投稿した覚えはない」と否定していた。外部サイトからのリンクがなくてもインデックスされる経路があるのか、あるいはユーザーが気づかないうちにリンクが外部に出ていたのか。この点はまだはっきりしない。
どう確認し、どう守るか
まず押さえておくべき事実がある。影響を受けたのは「共有」ボタンを押したチャットだけだ。一度も共有していない会話は非公開のまま変わらない。共有リンクからアカウント情報や他のチャットが見えることもない。
過去に一度でも共有したことがあるなら、以下の手順で確認できる。Claudeにログインし、「設定」を開く。「プライバシー」を選び、「共有チャット」に進んで「管理」をクリックする。これまでに共有したチャットの一覧が出るので、不要なものは共有を解除すればよい。
Google検索からは既に削除されたとみられる。TechCrunchが7月28日時点で確認したところ、Redditで示された検索方法では結果が表示されなくなっていた。ただしWiredの報道時点ではBingで依然として約612件の結果が残っていた。検索から消えても、過去にリンクを保存した人がいればそこからアクセスできる。完全に遮断するにはユーザー自身が共有を解除する必要がある。
Fortuneは「共有チャットは通常の文書共有より機密性が高い傾向がある」と指摘した。人はAIチャットボットを相手に、仕事の相談、健康の悩み、法的な問題など、他人には見せたくない内容を”声に出して考える”場所として使いがちだ。
機密情報を含むチャットを誰かに見せたい場合は、共有ボタンを使わずテキストをコピーして別の安全な手段で送る。Futurismはそう助言している。チームプランやエンタープライズプランでは公開共有そのものができない設計になっているとAnthropicのヘルプページに記載がある。
AI各社が同じ轍を踏み続けるなか、「共有=公開かもしれない」という前提で動くしか、今のところ身を守る手段はない。
[文/構成 by さとう つづり]



























































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