VIVANT別班・廣瀬役の珠城りょう、「元宝塚」の枠に悔しさも今は「すごく幸せ」 月組トップスターから退団5年の歩み

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン
TBS日曜劇場「VIVANT」で別班員・廣瀬瑞樹を演じる珠城りょう(38)が、第23話が放送された11月1日に公開されたインタビューで、「俳優・珠城りょう」として認められてきたことを「今はすごく幸せ」と語った。第1シーズンでは「宝塚出身」の枠で見られている悔しさを抱えていたという。元宝塚歌劇団月組トップスターで、2021年の退団から5年がたつ。
「立ち方がふわっとして見える」から始まった第2シーズンへの挑戦
TBS日曜劇場「VIVANT」(日曜午後9時)の第23話が11月1日に放送され、同じ日に別班員・廣瀬瑞樹役の珠城りょうのインタビューをTBSが公開した。廣瀬は、第2シーズンで拉致された別班員のうち、ただ一人の女性だ。
悔しさの出発点は、2023年に放送された第1シーズンにあった。別班員として登場する女性は珠城一人で、初めて登場した会議室で主要勤務歴を述べる場面でも「立ち方がふわっとして見える」と指摘を受けた。ドラマの撮影現場の経験はまだ浅く、セリフの語尾を直されたこともあったという。
「その時に、『宝塚(歌劇団)出身』という枠組みだけで見られているように感じたことが、自分の中ではすごく悔しくて。」
そこから珠城が選んだのは、地道な方法だった。監督に「自分の撮影がない時も見学に来ていいよ」と言われ、出番のない日も現場へ足を運ぶ。堺雅人や二宮和也の芝居を、監督が見るモニターの横で見せてもらっていたと明かし、通い続けた理由を「骨のあるやつだなと思ってもらいたい気持ちもあって」と説明した。
第2シーズンでは、撮影への向き合い方を変えている。第1シーズンは「監督が求める正解を探していた」と感じ、作品の世界観や現場の空気にのまれて「ちょっと尻込みしてしまった」。だから今回は、まず自分が思ったことをやり、リクエストがあれば変えるという姿勢で臨んだ。第1シーズンで受けた指導は一切言われなかったといい、「少しは成長したと思ってもらえたのかな」と手応えをにじませた。
「別班の廣瀬って誰?」から広がった名前
作品とともに「別班」という言葉が広く知られた今、「私、別班なんです」と言えることを、珠城は「本当にすごいことだなって思います」と笑いまじりに話している。
うれしかったのは、廣瀬という役から自分を知る人が増えたことだった。「元宝塚のトップスターだった珠城りょうが出ている」という入り口ではなく、「別班の廣瀬って誰が演じているんだろう」と気になった人が名前を調べ、「あの人って元宝塚の人だったの?」とたどり着く。そんな広がり方を、珠城は「個人的にはすごくうれしい」と喜んだ。
「宝塚でやってきたことは自分の大切な土台で、もちろん誇りもあります。でも、一人の俳優として勝負したいという気持ちは、退団した時からずっとありました。」
「元宝塚」という肩書はこれからもついてくる。それでも、肩書だけでなく自分自身を知ってほしい。退団から5年で「ようやく理想としていた形に近づいた気がします」と話し、こう続けた。
「『俳優・珠城りょう』として認めてもらえてきたのが、今はすごく幸せです。」
廣瀬瑞樹はどんな役か 拉致された別班員で唯一の女性
廣瀬瑞樹は、陸上自衛隊の秘密情報部隊「別班」のメンバーだ。第1シーズンでは第6話で初めて登場し、2023年のインタビューでは、別班が訓練された精鋭に見えるよう「10度の敬礼」などの所作を事前に学んだと語っていた。
第2シーズンでは一転、拉致された別班員の一人として描かれる。8月16日放送の第14話では、傷を負って顔がぼろぼろになった姿で登場した。
役作りで珠城が拠り所にしたのは、作品の中の別班像だった。実際の別班がどういうものかははっきりしないからこそ、作品が描く別班のあり方を正解と捉え、台本とにらめっこしながら”別班らしさ”を探ったという。一見普通に見えて、どこか普通の人とは違う立ち振る舞いがのぞくように、「動きや目線、セリフの言い方はすごく考えました」と明かしている。
乃木(堺雅人)たちが救出に現れる場面では、任務のために隠してきた感情を見せることを意識した。「別班員もやっぱり一人の人間で、当然それぞれ感情がある」。気持ちが前へ出すぎて、リハーサルではセリフを噛んだこともあった。
黒須役の松坂桃李とは同い年だ。第21話では松坂から「こっちのことは気にしなくていいので、思いっきりやっちゃってください」と声をかけられ、緊張が少しほぐれたと感謝を口にした。
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※各話の記事には、その回までの内容を含みます。
第1シーズンと第2シーズンは、U-NEXTがいずれも見放題で配信している(第2シーズンは放送終了直後から最新話を順次追加。同社の発表を11月2日に確認)。
94期で入団、天海祐希に次ぐ速さで月組トップに
珠城は1988年10月4日生まれ、愛知県出身。2006年に宝塚音楽学校へ入学し、2008年に94期生として宝塚歌劇団に入団した。初舞台は同年3〜5月の月組公演「ME AND MY GIRL」で、そのまま月組に配属されている。
172センチの長身を生かした男役として新人公演やバウホール公演で主演を重ね、2016年9月5日付で月組トップスターに就任した。入団9年目でのトップ就任は、天海祐希に次ぐ速さとなった。
トップを約5年務め、退団公演は「桜嵐記(おうらんき)/Dream Chaser」。2021年6月21日に兵庫・宝塚大劇場で千秋楽を迎えると、東京宝塚劇場の千秋楽となった8月15日に退団した。
退団後の主な出演作 日曜劇場から大河、医療ドラマまで
退団翌年の2022年、日曜劇場「マイファミリー」に出演した。二宮和也とは同作で共演したものの一緒の場面はなく、集合写真であいさつを交わした程度だったという。第1シーズンのモンゴルで再会した際、二宮から「お久しぶりです」と声をかけられたエピソードも、今回のインタビューで明かしている。
その後は日曜劇場への出演を重ね、2025年にはNHK大河ドラマにも出演した。主な出演ドラマは次のとおり。
| 年 | 作品(放送局) | 役 |
|---|---|---|
| 2022年 | 日曜劇場「マイファミリー」 | 東堂亜希 |
| 2023年 | 日曜劇場「VIVANT」第1シーズン | 別班員・ |
| 2024年 | 日曜劇場「アンチヒーロー」 | 出版社の副編集長・ |
| 2025年 | 大河ドラマ「べらぼう〜 | 松葉屋の番頭新造・ |
| 2025年 | 「人事の人見」第2話 | 商品企画部の植木奈緒子 |
| 2026年 | 「ファーストクライ | 麻酔科医・ |
| 2026年 | 日曜劇場「VIVANT」第2シーズン | 別班員・ |
2026年は、7月期の水曜ドラマ「ファーストクライ 母子救命救急班」と、7月に始まった「VIVANT」第2シーズンの放送時期が重なった。麻酔科医と別班員という対照的な2役が、同じ夏に放送された。
11月8日に最終回 「細部まで見ていただけたら」
「VIVANT」第2シーズンは、11月8日午後9時からの第24話で最終回を迎える。
インタビューの最後に、珠城は視聴者へ、まだ驚く場面が待っていて、ひもとけていないこともたくさんあると呼びかけた。第2シーズンはモンゴルやタイ、アゼルバイジャンなど、さまざまな国の俳優とスタッフが力を込めて作った作品だとして、「ぜひ、細部まで見ていただけたらと思います」と締めくくっている。
「元宝塚」の肩書から入るのではなく、廣瀬という役から名前を知られるようになった。退団した時から思い描いてきた俳優の形に、珠城は5年かけて近づいた。
[ 文/構成 by ライター 望月 りん子 ]










































































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