パトリック・スチュワートさん死去、86歳 プロフェッサーX役の名優、最後の映画出演は『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』

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『X-MEN』シリーズのプロフェッサーX役や『新スタートレック』のピカード艦長役で知られる英国の俳優パトリック・スチュワートさんが、現地時間10月28日、米ロサンゼルスの自宅で亡くなった。86歳だった。マーベル・スタジオは、12月18日公開予定の『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』が最後のスクリーン出演になると明らかにしている。
10月28日にロサンゼルスの自宅で死去、家族が声明
訃報は29日、広報担当のケリー・ブッシュ・ノヴァク氏の声明で伝えられ、本人のSNSにも同じ内容が掲載された。声明によると、スチュワートさんはアルツハイマー病とレビー小体型認知症との「短く、胸に迫る旅」の末、妻サニー・オゼルさんに見守られて息を引き取った。
最期の日々は家族や友人に囲まれ、生演奏や祈り、涙と笑いのなかで過ごしたという。声明は、穏やかな表情を「これからも大切にしていく」とも結んでいる。
1940年7月13日、英イングランド北部ウェスト・ヨークシャーのマーフィールド生まれ。遺族は2013年に結婚したシンガー・ソングライターのサニー・オゼルさんと、最初の妻シーラ・ファルコナーさんとの間に生まれた息子ダニエルさん、娘ソフィーさんだ。
シェイクスピア劇団から始まった俳優人生
キャリアの土台は舞台にある。1966年にロイヤル・シェイクスピア・カンパニー(RSC)に加わり、1982年まで中心メンバーとして60作以上に出演した。英国の古典劇で鍛えた声と存在感が、のちに映像の世界で生きることになる。
転機は1987年に訪れる。米国のSFドラマ『新スタートレック』で、宇宙船エンタープライズの艦長ジャン=リュック・ピカード役に起用されたのだ。
実はこのとき、友人で舞台仲間でもあった俳優イアン・マッケランから出演を思いとどまるよう助言されていた。スチュワートさんは2023年に出した回顧録『Making It So』でもこの逸話をつづっており、マッケランものちにインタビューで自分の判断が間違っていたと認めている。結果的に同作は7シーズン続き、スチュワートさんの名前を世界に広めた。
舞台への情熱は最後まで続いた。2008年にはブロードウェイの『マクベス』でトニー賞にノミネートされ、2009年のロンドン、2013年のニューヨークではマッケランと『ゴドーを待ちながら』で共演している。2001年に大英帝国勲章(OBE)を受け、2010年には演劇への貢献でナイトの称号を授与された。
ピカード艦長とプロフェッサーX、2つの当たり役
ピカード艦長は、テレビシリーズ(1987〜1994年)のあと映画4作に引き継がれた。2020年からは配信ドラマ『スター・トレック:ピカード』で、映画『ネメシス/S.T.X』(2002年)以来約17年ぶりに同じ役へ戻り、2023年まで3シーズンを務めた。
もう一つの代名詞が、2000年公開の映画『X-MEN』から演じたプロフェッサーX(チャールズ・エグゼビア)だ。超能力を持つミュータントたちを導く車いすの指導者を、続編やスピンオフで繰り返し演じ、2017年の『LOGAN/ローガン』でいったん区切りをつけた。
だが、物語は終わらなかった。2022年の『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』で、別の世界のエグゼビアとして再登場する。ギネス世界記録は、2017年の『LOGAN/ローガン』の時点で、ウルヴァリン役のヒュー・ジャックマンと並び「実写のマーベルキャラクターを最も長く演じた俳優」(16年228日)と認定した。ドクター・ストレンジ出演後の2022年には期間を21年296日に延ばし、記録を取り戻している。
主な出演作は次のとおり。
| 公開・放送年 | 作品 | 役 |
|---|---|---|
| 1987〜 | 新スタートレック | ピカード艦長 |
| 1994〜 | 『スター・ | ピカード艦長 |
| 2000年 | X-MEN | プロフェッサーX |
| 2003年 | X-MEN2 | プロフェッサーX |
| 2006年 | X-MEN:ファイナル | プロフェッサーX |
| 2014年 | X-MEN:フューチャー&パスト | プロフェッサーX |
| 2017年 | LOGAN/ | プロフェッサーX |
| 2020〜 | スター・ | ピカード |
| 2022年 | ドクター・ | プロフェッサーX |
| 2026年 | ひつじ探偵団 | リッチフィールド卿 |
| 2026年12月18日公開予定 | アベンジャーズ/ | プロフェッサーX |
『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』が最後の映画に
最後のスクリーン出演となるのが、12月18日に日米同時公開予定の『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』だ。マーベル・スタジオは追悼の中でこの作品が最後の出演作になると明らかにした。スチュワートさんは再びエグゼビアとして、マグニートー役のマッケラン、ナイトクローラー役のアラン・カミングら『X-MEN』シリーズ初期のキャストと顔をそろえる。
マーベル・スタジオは公式Xなどで深い悲しみを表明し、エグゼビアに気品と知性、人間味を与えたと評した。「唯一無二の才能」「寛大な仕事仲間」「真の紳士」と言葉を重ね、妻サニーさんや子どもたち、ファンにお悔やみを伝えている。
社長のケヴィン・ファイギ氏は、1作目『X-MEN』の撮影現場で初めて目にしたときの畏敬の念を振り返り、聡明で温かく、静かな強さを備えた人だったとコメントした。監督のルッソ兄弟もInstagramで、子どもの頃のヒーローと仕事ができた幸運に感謝している。
本人に引退するつもりはなかった。2026年7月に公開された米メディアのインタビューでは、「正式に引退するなんて想像できない。私はいつまでも俳優だ」と語っていた。
同じ年の5月には、ヒュー・ジャックマン主演の映画『ひつじ探偵団』が日米同時公開され、羊のリッチフィールド卿の声を担当した。米国のアニメ『アメリカン・ダッド』でも、2005年から長く声の出演を続けた。
ジャックマンやシャトナーが追悼
訃報を受け、共演者からも追悼が相次いだ。『X-MEN』シリーズで長く共演したジャックマンはInstagramで「舞台とスクリーンの偉大な一人を、きょう失った」とつづった。
マッケランもInstagramで「感情を隠さない人だった。だからこそ頼りにでき、尊敬でき、私にとっては愛する人だった」としのび、『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』での別れの演技は「まだこれから見られる」とつづった。
『スター・トレック』のカーク船長役で知られるウィリアム・シャトナーはXなどで、スチュワートさんを「友人であり、仕事仲間であり、すばらしい俳優」と呼んでいる。2人はシリーズの新旧の艦長として、映画『ジェネレーションズ/STAR TREK』(1994年)で共演した間柄だ。
古典劇の舞台に立ち続け、40代でSF、60歳でアメコミ映画の世界へ入って新しい観客を得た俳優だった。12月18日、最後のエグゼビアがスクリーンに映る。
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[文/構成 by ライター 小川 そら]







































































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