滋賀銀行と池田泉州HD、経営統合を検討 総資産14兆円超で関西トップ地銀へ 銀行同士は合併する?半年前の提携からの経緯

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滋賀銀行と池田泉州ホールディングス(HD)が経営統合する方向で調整していると、10月23日に報じられた。両社は同日夜、統合の検討を事実と認めつつ「具体的に決定した事実はありません」とのコメントを出した。報道によると、傘下銀行同士の合併は予定せず、持ち株会社を設立して統合する案が軸だという。両社は4月に資本業務提携を結んだばかりで、そこから半年での動きとなった。
滋賀銀行と池田泉州HDが経営統合を検討、両社「具体的に決定した事実はない」
滋賀県大津市に本店を置く滋賀銀行と、大阪市に本社を置き池田泉州銀行を傘下に持つ池田泉州HDが、経営統合に向けて調整を進めている。10月23日、複数のメディアがそう報じた。
報道によると、統合が実現すれば両社を合わせた総資産は14兆円を超え、関西でトップの地方銀行グループが誕生する。顧客基盤を広げ、競争力を高めることが狙いだと伝えられ、月内にも正式に発表される見通しとも報じられた。
両社の対応は早かった。23日午後6時過ぎ、滋賀銀行と池田泉州HDはそれぞれコメントを公表し、「経営統合を検討していることは事実」と認めている。
ただし、決まったことはまだ何もない。両社のコメントは「具体的に決定した事実はありません。今後、開示すべき事項を決定した場合は、速やかに公表いたします」と続く。統合の時期や形、新しいグループの名前などは、10月23日時点で公式には何も示されていない。
銀行同士は合併する?報道では持ち株会社を設立して統合する案が軸
利用者がまず気になるのは、滋賀銀行と池田泉州銀行という2つの銀行が1つになるのかどうかだろう。
報道によると、現時点の案では傘下銀行同士の合併は予定していない。持ち株会社を設立したうえで統合する案を軸に検討が進むという。経営統合と合併は、言葉は似ていても中身が異なる。合併は銀行そのものが1つの会社になることを指し、持ち株会社方式では、それぞれの銀行が会社として残ったまま、同じグループの経営のもとに置かれる。
もっとも、これは正式発表前の報道ベースの情報だ。両社は統合の方式について公式には何も発表しておらず、最終的な枠組みは正式発表を待つ必要がある。
半年前に結んだ「池田泉州・滋賀アライアンス」
両社の距離が一気に縮まったのは、2026年4月17日だった。この日、滋賀銀行と池田泉州HDは資本業務提携を結んだと共同で発表している。
提携の名称は「池田泉州・滋賀アライアンス」。副題には「中長期的な協働関係を通じた地域金融力の強化」と掲げた。お互いの株式を取得して資本関係をつくり、取得する割合は0.5%から1%程度を想定するとしていた。業務面で手を組む分野は、次の4つだ。
| 分野 | 主な中身 |
|---|---|
| 法人分野 | 企業の成長支援、事業承継・M&Aなど企業課題への支援、法人向けサービスの相互活用 |
| 個人分野 | 資産形成・資産承継、ウェルスマネジメント(富裕層向けの資産管理) |
| サステナビリティ・地域支援分野 | サステナブルファイナンス、地域の産業振興や社会課題の解決 |
| 人材・デジタル分野 | 人材育成・人材交流、デジタル技術やデータの活用 |
両社の発表資料によると、背景には人口減少や産業構造の変化、デジタル化、脱炭素への対応といった環境の変化がある。滋賀県・京都府を地盤とする滋賀銀行と、大阪府・兵庫県を地盤とする池田泉州HD。隣り合う営業エリアの店舗網や顧客基盤、人材、ブランドを互いに生かすことで、地域への貢献につなげる考えを示していた。
提携発表の時点では「統合は考えていない」
4月17日に大阪市で開いた記者会見には、滋賀銀行の久保田真也頭取と池田泉州HDの阪口広一社長がそろって出席した。経営統合について問われると、久保田頭取は「将来の可能性を否定するわけではないが、経営統合は(現時点で)考えていない」と答えている。
当時の報道では、日本銀行の利上げで「金利のある世界」に戻り、銀行同士の競争が激しくなっていることが提携の背景にあると説明されていた。将来の可能性は否定しない。そう含みを残した発言から約半年で、両社は統合の検討を認めるところまで進んだ。
両社のつながりは2017年のATM相互無料化から
両社の協力は、今回の提携が始まりではない。滋賀銀行の発表によると、2017年12月4日から、滋賀銀行と池田泉州銀行のキャッシュカードで、平日8時45分から18時までの互いのATM利用手数料を無料にする取り組みを始めている。4月の提携発表でも、両社はこのATMの相互無料化をこれまでの協力の例として挙げていた。
総資産14兆円超、両社の規模と店舗網を比べる
報道にある「総資産14兆円超」は、両社の規模を足し合わせた数字だ。4月の共同発表資料に載る2025年12月末時点の連結総資産は、滋賀銀行が7.62兆円、池田泉州HDが6.51兆円。合計すると約14.1兆円になる。
両社の概要を並べると、規模はほぼ互角だとわかる。
| 項目 | 滋賀銀行 | 池田泉州HD |
|---|---|---|
| 本店所在地 | 滋賀県大津市 | 大阪府大阪市 |
| 代表者 | 取締役頭取 久保田真也 | 執行役社長兼CEO 阪口広一 |
| 銀行の設立 | 1933年10月1日 | 1951年9月1日(池田泉州銀行) |
| 総資産(連結) | 7.62兆円 | 6.51兆円 |
| 預金等残高 | 5.93兆円 | 5.83兆円 |
| 貸出金残高 | 4.61兆円 | 4.83兆円 |
| 当期純利益(連結・2026年3月期予想) | 200億円 | 165億円 |
| 従業員数(連結) | 2,290人 | 2,287人 |
| 国内拠点数(銀行) | 107拠点(132カ店) | 110拠点(139カ店) |
※総資産・預金等残高・貸出金残高は2025年12月末時点、従業員数・拠点数は2025年9月末時点。両社が4月17日に公表した資料による。
総資産は滋賀銀行がやや大きく、貸出金は池田泉州HDが上回る。従業員数の差はわずか3人で、国内の拠点数も100拠点台で並ぶ。
店舗網の重なりは少ない
違いがはっきり出るのは、店舗の場所だ。4月の資料では、府県ごとの拠点数が次のように示されていた。
| 府県 | 池田泉州銀行 | 滋賀銀行 | 合算 |
|---|---|---|---|
| 大阪府 | 81 | 5 | 86拠点 |
| 滋賀県 | - | 85 | 85拠点 |
| 京都府 | 1 | 12 | 13拠点 |
| 兵庫県 | 26 | - | 26拠点 |
池田泉州銀行は大阪府と兵庫県、滋賀銀行は滋賀県と京都府に拠点が集まる。両社はこの店舗網について「重複が少なく、補完関係にあり」と説明していた。互いの空白地帯を埋め合う組み合わせだ。
口座やATM、銀行名はどうなるのか
統合の報道を受けて、両行に口座を持つ人や住宅ローンを組んでいる人が気にするのは、日々の取引への影響だろう。
10月23日時点で、口座番号や通帳、キャッシュカード、ATMの利用条件、銀行名がどうなるかについて、両社からの発表はない。報道で伝えられているのは、銀行同士の合併は予定せず持ち株会社のもとで統合する案が軸だという点までだ。具体的な取り扱いは、正式発表やその後の両社からの案内で示されることになる。
両社は、開示すべき事項が決まれば速やかに公表するとしている。報道どおり月内に正式発表があれば、統合の方式や時期、グループの名前などが明らかになる。滋賀と大阪・兵庫を地盤とする2つの地銀グループの統合が、関西の地域金融の勢力図をどう変えるのか。まずは両社の正式発表が待たれる。
[文/構成 by 凪]
















































































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