DeNA、新規事業に特化した子会社「BAKERU」を設立 代表は張本龍司氏で資本金2500万円

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ディー・エヌ・エー(DeNA)は9月2日、新規事業の創出に特化した子会社「BAKERU株式会社」を設立したと発表した。設立日は8月17日、資本金は2500万円でDeNAが全株式を持つ。代表取締役社長に就いたのは、DeNAでイノベーション事業本部副本部長を務めた張本龍司(はりもとりゅうじ)氏だ。
資本金2500万円、渋谷で始動した新会社の中身
BAKERUは東京都渋谷区に本社を構え、資本金2500万円、株主はDeNA1社のみの完全子会社としてスタートした。事業内容は「AIを活用した事業企画・開発・運営等」で、DeNAが「スタートアップスタジオ」と位置づける新しいタイプの会社となった。
会社概要は次の通り。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 社名 | BAKERU株式会社(読み:バケル) |
| 設立日 | 2026年8月17日 |
| 所在地 | 東京都渋谷区渋谷二丁目24番12号 |
| 資本金 | 2500万円 |
| 株主構成 | DeNA100% |
| 代表取締役社長 | 張本龍司 |
| 取締役 | 住吉政一郎、小林清剛 |
| 事業内容 | AIを活用した事業企画・開発・運営等 |
取締役には、DeNAグロース事業本部長の住吉政一郎氏とDeNAイノベーション事業本部長の小林清剛氏が名を連ねる。ゼロから生み出す事業の目標は、売上100億円・営業利益10億円以上。事業責任者は社内にとどまらず、日本や米国、世界の市場から広く募集していく方針だ。
背景にゲーム低迷、南場社長の方針転換
DeNAが8月5日に公表した2026年4~6月期決算は、ゲーム事業の低迷が響く内容だった。営業利益は前年同期比46%減の74億円まで落ち込み、売上高にあたる売上収益も11%減の371億円だった。純利益は出資先のタクシー配車アプリ大手GOの上場に伴う投資収益で3倍の334億円に膨らんだが、本業の苦しさは覆い隠せない。この決算発表の場で、南場智子社長兼CEOはゲームから新規事業の創出へと軸足を移す方針を示していた。BAKERUは、その12日後にあたる8月17日に設立されている。
DeNAは「挑戦を最も大切にする」永久ベンチャーであり続けることを掲げる会社だ。会社のありたい姿として「Delight創造エコシステム」を掲げ、挑戦の成果を次の挑戦へ還元する循環を目指すとしている。ゲームやスポーツ、ヘルスケアといった既存事業の柱に続く「次の柱」を仕組みとして生み出す狙いが、BAKERUには込められている。母体となったのは、DeNAのイノベーション事業本部で新規事業創出を担ってきた部署だ。すでに10件ほどの新規事業案件を動かしてきた実績があり、その知見をそのまま引き継ぐ。独立した会社にすることで、意思決定のスピードを上げる狙いもあるという。
「見つける」「高速検証する」「育てる」DeNA式の事業創出
BAKERUは、投資会社でも起業支援会社でもない。ベンチャーキャピタルが主に資金の出し手にとどまるのに対し、スタートアップスタジオは事業づくりそのものに深く関わる点が異なる。自らが共同創業者のような立場で人材や技術、資金、経験を持ち寄り、起業家と一緒に事業をゼロから形にしていく。DeNAはこの仕組みを「見つける」「高速検証する」「育てる」の3段階で説明した。
最初の「見つける」では、顧客インタビューや海外の事例、技術動向を調べ、人の切実な課題をつかんで検証すべき仮説を定める。続く「高速検証する」は、必要な仲間を集めて最小限のプロダクトをつくり、実際にユーザーに使ってもらい、対価を払ってもらうことで仮説の手応えを確かめる段階だ。そして「育てる」では、顧客の反応やデータをもとにプロダクトや収益モデルを磨き上げ、社会を動かす規模まで育て上げる。市場調査やデータ分析、マーケティングといったDeNAグループの知見を各段階で生かせる点は、単独のスタートアップにはない強みだという。
取締役に就いた小林清剛氏は、シリコンバレーを拠点に約40社の米国スタートアップへ出資してきた連続起業家。2009年に創業したモバイル広告ネットワーク企業を2年で国内2位規模に育て、2011年にKDDIグループへ売却した経歴を持つ。2021年にはAI人材採用プラットフォーム「Noxx」を運営するKnotを創業し、同社は2026年4月にDeNAグループへ加わった。もう一人の取締役、住吉政一郎氏は2012年にDeNAへ入社し、ライブコミュニティ事業などを率いてきた人物だ。張本自身も2014年にDeNAへ新卒入社し、ゲームプロデューサーとして複数タイトルを手がけたのち、2020年から上海で中国事業を統括、2025年1月からは社内の新規AIプロダクト開発を率いてきた。
「日本からだって、もう一度世界を驚かせるような大きいチャレンジができるはずだ」
張本はコメントでそう述べた。アメリカや中国から次々とグローバルなサービスが生まれる状況を見るたびに、そう感じてきたという。
「化ける」に込めた願い、社名の由来
BAKERUという社名の由来は、公式サイトで明かされている。掲げるタグラインは「小さくかけて、大きく化ける」の一言だ。人が化ける、アイデアが化ける、事業が化ける。小さな兆しを見つけ、仲間と育て、想像を超える姿へ変えていく意志を、この名前に込めたという。
DeNAといえば、「怪盗ロワイヤル」や「逆転オセロニア」といったヒット作を生んできたゲーム会社のイメージが強いかもしれない。だが実際の事業は幅広い。プロ野球球団の横浜DeNAベイスターズを傘下に持つスポーツ事業、医療DXやヘルスビッグデータを扱うヘルスケア・メディカル事業なども手がけ、1999年に南場智子氏が設立して以来、事業領域を広げてきた会社だ。BAKERUは、そうした既存事業とは別に、新規事業だけを専門に担う組織として位置づけられている。
事業責任者は世界から公募、次に問われるもの
BAKERUは今後、日本や米国をはじめとする世界の市場で大きな挑戦を率いる事業責任者を、社外からも広く募集していく方針だ。社内の人材だけに頼らず、外部の起業家を迎え入れることで、挑戦する力を増やす狙いがある。
一つの挑戦で得た発見を次の挑戦に引き継ぎ、失敗しても何度でも新規事業に挑める場をつくる。それがBAKERUの根幹にある考え方だという。DeNAのゲーム事業が苦しむ中、次の収益の柱をどれだけ早く、どれだけ多く生み出せるか。設立から間もない新会社の挑戦は、まだ始まったばかりだ。
[文/構成 by MEDIA DOGS編集部]






























































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