酒税、10月からビール系を350ml換算54.25円に一本化 チューハイ等は35円に引き上げ、清酒・ワインは変更なし

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10月1日の酒税改正で、ビール・発泡酒・新ジャンル(第3のビール)の税額が350ml換算54.25円にそろった。ビールは9.10円の減税、発泡酒と新ジャンルは7.26円の増税だ。缶チューハイなどは28円から35円へ7円上がり、清酒とワインは2023年10月に一本化済みのため今回は動いていない。
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ビール9.10円減、発泡酒・新ジャンル7.26円増 1日から新税率
財務省によると、ビール系飲料の税率は1日から1kLあたり15万5000円に一本化された。350ml缶に直すと54.25円、500ml缶なら77.5円になる。
これまでの税額は350mlあたりビールが63.35円、発泡酒(麦芽比率25%未満)と新ジャンルが46.99円だった。ビールは差し引き9.10円の減税、発泡酒と新ジャンルは7.26円の増税で、16円余りあった税の差がゼロになる。
缶チューハイやハイボール缶などの「その他の発泡性酒類」も1kLあたり10万円に上がり、350ml換算で28円から35円へ7円の増税となった。24本入り1ケースなら168円分の負担増だ。財務省は、アルコール分の低い蒸留酒やリキュールにかかる特例税率も同じ1日に引き上げている。
一方、清酒とワインなどの醸造酒は、2023年10月に1kLあたり10万円で一本化を終えた。今回の改正で税率は変わらない。
| 区分 | 改正前(350ml換算) | 10月1日以降(350ml換算) | 差 |
|---|---|---|---|
| ビール | 63.35円 | 54.25円 | 9.10円の減税 |
| 発泡酒(麦芽比率25%未満) | 46.99円 | 54.25円 | 7.26円の増税 |
| 新ジャンル(第3のビール) | 46.99円 | 54.25円 | 7.26円の増税 |
| チューハイ等 | 28円 | 35円 | 7円の増税 |
| 清酒・ワイン | 1kL10万円(2023年10月から) | 変更なし | ― |
30年続いた「税の安いビール風」の歴史に区切り
ビール系の税率がここまで分かれたのは、メーカーが原料の麦芽を減らした商品を次々に投入してきたからだ。TBS系「サンデーモーニング」の報道によると、1994年にサントリーが麦芽使用率67%未満の発泡酒「ホップス」を出し、1998年にはキリンが麦芽25%未満の「淡麗」を投入した。2004年にはサッポロがエンドウたんぱくを使った商品を開発し、「第3のビール」と呼ばれる新ジャンルが生まれる。
安い商品が売れるたびに国が税率を見直す。同番組はこの攻防をイタチごっこにたとえた。
流れを変えたのは2017年度の税制改正だった。似た種類の酒の間にある税の差が商品開発や販売量をゆがめているとして、税収を増やしも減らしもしない前提で、2020年10月から3段階で税額をそろえることが決まった。財務省の資料では、ビール系は2020年、2023年、2026年の各10月に段階を踏み、清酒・ワインなどの醸造酒は2020年と2023年の2段階で一本化している。
| 時期 | ビール | 発泡酒(麦芽比率25%未満) | 新ジャンル |
|---|---|---|---|
| 2020年9月まで | 77円 | 46.99円 | 28円 |
| 2023年10月〜2026年9月 | 63.35円 | 46.99円 | 46.99円 |
| 2026年10月から | 54.25円 | 54.25円 | 54.25円 |
かつて350mlあたり49円あったビールと新ジャンルの差は、6年かけて消えた。
税の歴史と「ビールのようなもの」の30年を一冊で追うなら、書籍『第3のビールはなぜ消えたのか:酒税一本化と「ビールのようなもの」の30年』が手がかりになる。
チューハイの事情は少し違う。食品新聞によると、缶チューハイなどのRTD(Ready to Drink、買ってそのまま飲める酒)は2020年以降の改正で税額が据え置かれ、10月の引き上げが初の増税となった。新しい税率の1kL10万円は、2023年に一本化された日本酒・ワインと同じ水準にあたる。
新ジャンルが相次ぎ「ビール」へ 店頭ではビール値下げ
メーカーは税率の一本化に合わせ、主力の新ジャンルを製法ごと切り替えた。朝日新聞によると、キリンビール「本麒麟」、アサヒビール「クリアアサヒ」、サッポロビール「サッポロ GOLD STAR」がビールに転換する。サントリーも「金麦」をビール化し、2007年の発売から2019年までCMに起用した檀れいをアンバサダーに再び迎えた。
食品産業新聞社は、大手4社が新ジャンル主力品の製法を変えてビールとして売り、新ジャンルとして増税分を上乗せした店頭想定価格のままビールに切り替える方針だと伝えている。10月以降のビール市場は高価格、スタンダード、エコノミーの3つの価格帯に分かれる見通しだという。
小売りの動きも早い。毎日新聞によると、イオンモール津田沼(千葉県習志野市)は1日、1階入り口にビールの特設売り場を設けた。プライベートブランド「トップバリュ プレミアム生ビール」は173円から162円へ、ドイツビール「クロンバッハ」は195円から184円へと、それぞれ11円下げた。イオンは全国約2450店でビールフェアを始め、下期のビール売上を前年の1.5倍に伸ばしたい考えを示している。
ただ、駆け込み需要は限られた。食品産業新聞社は、9月中下旬のまとめ買いが各社の想定を下回ったと報じている。飲食店でも、チェーン店や小規模店の多くがメニュー価格の改定を見送る傾向にあるという。
家飲みの財布はどう変わるのか
税額だけで見れば、ビール党は350ml1本あたり約9円、発泡酒と新ジャンル派は約7円、チューハイ派は7円の影響を受ける。店頭価格は各社・各店の判断で決まり、税の増減分がそのまま反映されるとは限らない。
価格差が縮まった分、選ぶ基準は値段から味や銘柄へ移る。新ジャンルからビールに転換した商品がどの価格帯に並ぶのか、無糖チューハイなどRTDの勢いが増税で鈍るのかが、この秋の売り場で見えてくる。
10月は酒税のほか、飲食料品3000品目超の値上げも重なった。1本数円の差でも、毎日の晩酌では積み重なる。
[文/構成 by MEDIA DOGS編集部]











































































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