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ANA、SFC新制度を一部見直し 「SFC LITE」でも国内線ANAラウンジを混雑時除き利用可能に、2028年4月開始

ANA、SFC新制度を一部見直し 「SFC LITE」でも国内線ANAラウンジを混雑時除き利用可能に、2028年4月開始

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン

全日本空輸(ANA)は9月29日、上級会員向けカード「ANAスーパーフライヤーズカード(SFC)」の新制度を見直すと発表した。4月の案では年間決済額300万円未満の「SFC LITE」はANAラウンジを使えないとしていたが、国内線のANAラウンジは混雑時を除いて利用できるように改める。300万円で2区分に分ける仕組みは変えず、新しい区分でのサービスは2028年4月に始まる。

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4月案から何が変わったのか

見直しの中心は、SFC LITEのラウンジの扱いだ。ANAの案内ページでは、SFC LITEのラウンジ利用は「国際線:利用可」「国内線:混雑時を除き、利用可」と記された。4月の案では同じ欄が「×」だったので、一律に使えない扱いから、条件付きで使える扱いへ切り替わったことになる。

ただし、「混雑時」には幅がある。ANAは注記で、年末年始やゴールデンウィークなどの大型連休、出発便が集中する時間帯など、混雑が予想される期間・時間帯は利用できない場合があると説明した。当日に入れるかどうかは電話やウェブでは確かめられず、搭乗日にラウンジの受付で案内を受ける仕組みだ。ANAは予約の動向などから利用人数を予測し、入室後に確実かつ円滑に着席できる状況であれば入室を認めるという。

混雑時でも確実に入りたい会員向けには、SFC LITE専用の事前予約の仕組みを新しく設ける。枠数には限りがあり、成田空港の国内線出発ラウンジ「ANA ARRIVAL LOUNGE」と、名古屋(中部)・関西・熊本・宮崎の国内線共用ラウンジは予約の対象外となった。コードシェア便のように、ANAグループが運航していてもANA便名ではない便を使う場合も予約できない。予約方法の詳細は2027年度中に案内するとしている。

予約の対象外になる共用ラウンジや成田のANA ARRIVAL LOUNGEは、混雑時を除いてそのまま使える。国際線では、ANAグループ運航便に乗る場合に羽田、成田、ホノルルのANAラウンジを利用できる。一方で、他社との提携ラウンジは使えない。

変わらなかった「300万円」とスターアライアンスの格下げ

区分の線引きは4月案のままだった。ANAカードとスマートフォン決済「ANA Pay」の年間決済額が300万円以上なら「SFC PLUS」、300万円未満なら「SFC LITE」となる。決済額には航空券だけでなく、公共料金やスーパー、飲食店での支払いも含まれ、ANAカード家族会員の利用分は本会員に合算される。

最初の判定期間は2026年12月16日から2027年12月15日まで。この1年間の決済額で、2028年4月1日から始まる年度の区分が決まる。判定は毎年行い、翌年度の区分は3月ごろにメールで知らせる予定だ。300万円に届かなくてもSFCを退会扱いにはならず、翌年度はSFC LITEのサービスになる。

スターアライアンスの資格も、4月案どおりの内容となった。SFC PLUSは従来と同じ「スター アライアンス・ゴールド」、SFC LITEは「スター アライアンス・シルバー」へ下がる。シルバーでは、スターアライアンス加盟の他社便に乗る際のラウンジ利用や優先チェックイン、優先搭乗、手荷物の優先受け取りといった特典が原則として対象外になる。

ANAグループの運航便に乗る場合は話が違う。優先チェックインカウンターや専用保安検査場、優先搭乗、手荷物許容量の優待などは、PLUSとLITEのどちらでもこれまでどおり受けられる。

項目従来制度(2028年3月31日まで)4月発表のSFC LITE9月発表のSFC LITESFC PLUS(4月・9月とも)
区分の条件区分なし年間決済額300万円未満年間決済額300万円未満年間決済額300万円以上
ANAラウンジ利用可利用不可国際線:利用可(羽田・成田・ホノルル)/国内線:混雑時を除き利用可利用可
スターアライアンスの資格ゴールドシルバーシルバーゴールド
SFCマイル特典なしなしなし5,000マイル
ヒースロー・エクスプレスの優待ありなしなしあり

例外とされるミリオンマイラーと、SFCを取得する条件

区分には例外がある。ANAグループ運航便で100万ライフタイムマイル(LTマイル)に達した、いわゆるミリオンマイラーは、決済額にかかわらずSFC PLUSとなる。ただし、PLUS向けの5,000マイルの進呈は年間決済額300万円以上が条件で、ミリオンマイラーでも300万円に届かなければもらえない。

SFCに申し込むための条件は、新制度でも変わらない。「ダイヤモンドサービス」か「プラチナサービス」のステイタスを得るか、ANAグループ運航便の搭乗で100万LTマイルに達することが求められる。SFCは一度入会すればカードを持ち続ける限り上級会員の特典を受けられるため、1年間に集中してANA便に乗り、プラチナ以上を目指す人も少なくなかった。いわゆる「マイル修行」「SFC修行」だ。

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新制度では、この入口の条件は同じでも、これから入会する人は100万LTマイル到達者を除いて一律にSFC LITEから始まる。プラチナなどのステイタスが有効な期間は、そのステイタスのサービスも使える。カードの年会費は種類ごとに異なり、本会員で一般カードの11,275円から、ANAダイナーススーパーフライヤーズ プレミアムカードの198,000円まで幅がある。ゴールドカードはJCB・VISA・マスターカードが16,500円、ダイナースが34,100円、アメリカン・エキスプレスが42,900円だ。

4月に退会した会員には「特例の再入会」

4月の発表を受けてSFCを手放した会員への措置も示された。2026年4月23日から9月29日までの間に、制度改定を理由にSFCを退会した人は、特例として再入会を申請できる。受付は2027年3月31日の送信分までで、専用のウェブフォームから申し込む。

再入会には提携カード会社の審査があり、入会時には年会費がかかる。クレジットカード番号とANAマイレージクラブのお客様番号は新しくなり、入会記念のネームタグは対象外だ。

ラウンジの利用では、細かな扱いも決まった。SFC LITEでもブロンズ会員のステイタスがあれば、混雑時もマイルを使ってANAラウンジに入れる。ANAカード プレミアムを持つ会員は、カードの特典として本会員1人なら国内線ANAラウンジに入れるが、同行者を連れる場合はその特典での同伴入室は対象外となり、混雑時を除いて受付で入室を受け付ける。

ANAが見直しに至った経緯

4月23日の発表は、利用者の強い反発を招いた。カードを持っているだけで使えたラウンジが、年300万円を決済しなければ使えなくなる内容だったからだ。ANAは6月25日、株主総会を翌日に控えて見直しを検討していると明らかにし、9月末までに改めて案内するとしていた。

9月29日の記者説明会で、ANAは4月の制度について、ラウンジの混雑緩和を優先するあまり、長年使ってきた会員への配慮が足りなかったと説明し、謝罪した。検討の過程では、300万円の基準を引き下げる案や、搭乗実績を示すプレミアムポイントとの併用も検証したが、最終的に基準は変えなかった。

なぜ300万円を残したのか。

ANAの説明では、SFCの会員規模は2026年時点で2019年の約1.5倍に膨らみ、2030年には現在の約1.2倍、2035年には約1.4倍になると見込む。羽田など主要空港の国内線ANAラウンジでは、出発便が重なる時間帯や年末年始に満席や入室待ちが常態化しているという。一方で、SFC会員の約4割は年間のカード利用が100万円未満、約3割は50万円未満にとどまり、利用額は縮小傾向にある。ANAはSFCを日常のメインカードとして使ってもらい、その収入を設備投資に回す考えだ。

ラウンジ側の対策も進める。新制度に先立ち、2027年度中に羽田空港の国内線ラウンジを拡張し、SFC LITE向けの事前予約に対応するシステムの改修も進める。ANAは今後の制度変更について、現時点で決まったものはないとしたうえで、見直す場合は十分な周知期間を設けて案内するとしている。

ラウンジは条件付きで戻った一方、スターアライアンス・ゴールドの資格と300万円の線は残った。海外で他社便を使う機会が多い会員ほど、変更の影響は大きく残る。2026年12月16日に始まる最初の判定期間まで、2カ月半あまりとなった。

[文/構成 by MEDIA DOGS編集部]

寄稿者

MEDIA DOGS 編集部
メディアドッグス株式会社のMEDIA DOGS 編集部チーム。インターネットマーケティングに約10年携わるメンバーで編成し、企画・取材・執筆から公開後の改善まで一貫して担当。「出会いを、設計する。」のもと、人と企業が正しく出会える場をつくるために、一次情報の確認とファクトチェックを徹底。情報をわかりやすく誠実に届け、読者の疑問を解決します。

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