慶応(神奈川)が関東4強、来春センバツ当確 湯本琢心が延長10回141球完投、森林監督「新しい湯本が見られた」

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秋季関東高校野球大会の準々決勝が10月19日、前橋市の上毛新聞敷島球場で行われ、神奈川1位の慶応が山梨学院(山梨1位)に延長10回タイブレークの末、2-1でサヨナラ勝ちした。先発した2年生エースの湯本琢心が10回141球を投げて5安打1失点で完投。4年ぶりの4強入りで、来春の選抜高校野球大会(センバツ)への出場が当確となった。
延長10回、矢口翔大の一打で山梨学院を振り切る
慶応は横浜市港北区日吉にある慶應義塾高等学校の野球部だ。秋季神奈川県大会を1位で勝ち上がり、群馬県で開かれている第79回秋季関東地区高等学校野球大会に乗り込んだ。
試合は1回裏に慶応が適時打で先制した。2回表、山梨学院は2死一、二塁から左前打を放ち、失策も絡んで二塁走者が生還。同点に追いついた。
そこから先は投手戦になる。山梨学院は2023年春のセンバツで初優勝した強豪で、この日の先発は左腕で主将の渡部瑛太(2年)。9回1/3を投げて12三振を奪い、慶応打線に追加点を許さなかった。慶応の湯本も3回以降は得点を与えず、1-1のまま延長タイブレークに入った。
勝負が動いたのは10回だった。表の山梨学院は1死満塁と攻めたが、湯本が代打を三ゴロ併殺に打ち取ってしのいだ。その裏、慶応は1死一、二塁とすると、2番の矢口翔大外野手(2年)が2球目を捉える。打球は一塁手の頭上を越えて右方向へ弾み、二塁走者が生還した。
12三振を喫した渡部から、最後の最後に1点をもぎ取った。山梨学院は勝てば4強だったが、あと一歩届かなかった。
141球の完投、尻上がりに良くなった湯本
湯本は右投げ左打ちの2年生で、この日は「3番・DH兼投手」で先発した。打者としては3三振に終わったが、投手としては10回を投げ抜き、5安打1失点に抑えた。2回の1点は失策が絡んだもので、自責点は0。球数は141球だった。
立ち上がりは万全ではなかったが、中盤から調子を上げる。捕手の延末遵太(2年)とのバッテリーは、途中から内角の直球を増やし、カーブで緩急もつけて山梨学院の打者を打ち取った。
終盤ほど球に力があった。延長10回にも140キロ台後半を計測し、1死満塁のピンチで直球勝負を挑んでいる。
試合後、湯本は「抽象的だけど、なんかいける気がした。あまり疲れなかった」と手応えを口にした。強敵の山梨学院を相手に「バックも支えてくれて、抑えられた」と守備陣にも感謝している。
森林貴彦監督は「新しい湯本が見られた」と目を細めた。尻上がりに調子を上げる湯本の姿は、これまで見たことがなかったという。
夏は横浜に完敗、秋は県大会決勝で雪辱
湯本の秋は、夏の悔しさから始まっている。7月24日、全国高校野球選手権神奈川大会の準決勝で、慶応は横浜に0-4で敗れた。横浜の先発・織田翔希(3年)は自己最速の157キロを記録し、慶応打線は7回途中まで1本の安打も打てなかった。
湯本はこの試合を「衝撃」だったと語っている。157キロの直球を打てなければ甲子園では勝ち上がれない。そう考えるようになり、新チームでの練習の原動力にしてきた。
その横浜と、秋は県大会の決勝で再び顔を合わせた。10月1日、サーティーフォー保土ケ谷球場での一戦は、序盤にリードを許した慶応が中盤に逆転し、追いつかれた後の8回に勝ち越して5-4で制した。神奈川1位の肩書は、夏に完敗した相手から奪い取ったものだった。
中1日での2試合、計233球を1人で投げた
湯本は10月17日の1回戦、佐野日大(栃木2位)戦にも先発していた。7回を92球、4安打無失点に抑え、毎回の8三振を奪っている。打っても1回の第1打席で右前打を放って先制点につなげるなど2安打。慶応は1回に東修平、4回に渡辺英亜の適時打で奪った2点を守り、2-1で逃げ切った。
1回戦から中1日で迎えた準々決勝で141球。2試合の合計は233球になる。「あまり疲れなかった」という本人の言葉どおり、延長に入っても球威は落ちなかった。
最速148キロの直球を投げ、打っても中軸を担う二刀流。1年生だった2025年夏には背番号9で神奈川大会に出場し、デビュー戦で適時三塁打を放った。早くから投打の両面で期待を集め、高校卒業後のプロ入りも選択肢に入れている。慶応からは、1965年に始まったドラフト制度のもとで高校から直接プロに進んだ選手はまだいない。湯本自身は「結果を出すことが将来のことにつながる」と話し、まずは目の前の大会に集中する姿勢を見せた。投手としての評価を一段上げる完投となった。
「当確」は報道上の表現、正式決定は2027年1月29日
センバツの出場校は、各地区の秋季大会の成績などをもとに、日本高等学校野球連盟と毎日新聞社が開く選考委員会で決まる。関東大会で4強に入った学校は選出が有力とされ、報道では「当確」と表現される。ただし、この段階で出場が正式に決まったわけではない。
日本高野連によると、第99回選抜高等学校野球大会の選考委員会は2027年1月29日に開かれる。大会は3月19日から13日間、阪神甲子園球場で行われる予定だ。慶応の出場が正式に決まるのは、この選考委員会での発表になる。
選ばれれば、慶応にとっては2023年以来4年ぶりのセンバツとなる。2023年春は初戦で仙台育英(宮城)と対戦し、延長10回タイブレークの末に1-2で敗れた。その年の夏、慶応は全国高校野球選手権の決勝で同じ仙台育英を8-2で破り、107年ぶり2度目の全国制覇を成し遂げている。
準決勝は10月24日、健大高崎と対戦
慶応は10月24日の準決勝で、地元群馬1位の健大高崎と対戦する。会場は上毛新聞敷島球場で、午前10時に試合開始の予定だ。健大高崎は2024年春のセンバツを制した学校で、10月19日の準々決勝では霞ケ浦(茨城2位)に7-0の8回コールドで勝ち、センバツ当確としている。山梨学院に続き、慶応は2試合続けて春の甲子園の優勝経験がある相手に挑む。
関連記事:健大高崎(群馬)がセンバツ当確 エース主将の石垣聡志が3安打完封、8回コールドで関東4強
残る2校は、10月20日の準々決勝、横浜(神奈川2位)と樹徳(群馬2位)、帝京第三(山梨2位)と水城(茨城1位)の勝者で決まる。決勝は10月25日に同じ上毛新聞敷島球場で行われる。
チームが第一に掲げる目標は「関東制覇」。湯本も試合後、今の目標をそう語り、そこだけを見て戦う考えを示した。センバツ当確を手にした慶応は、中4日で健大高崎との準決勝に向かう。
[文/構成 by スポーツライター 高瀬翔吾]









































































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