13年ぶり復活の伝説的番組、最大の焦点は「AIみのもんた」

「ファイナルアンサー？」の決め台詞で一世を風靡したフジテレビ系の伝説的クイズ番組『クイズ$ミリオネア』が、2026年1月1日に13年ぶりに復活することが発表された。2000年から2007年までレギュラー放送され、その後も2013年まで特番として人気を博した同番組。今回の復活では、2代目司会者に嵐の二宮和也が就任し、新たな歴史を刻む。しかし、発表内容の中で最も大きな注目と議論を呼んでいるのは、2025年3月1日に80歳で亡くなった初代司会者、みのもんた氏がCG・AI技術によって番組に「登場」するという企画である。

新司会者・二宮和也と刷新される「新生ミリオネア」

“みの”から“にの”へ、バトンは二宮和也に

今回の復活特番は『クイズ＄ミリオネア 2026新春3時間半SP』と題され、2026年1月1日18時から放送される。直前の17時からは、みの氏が司会を務めた過去の名場面を集めた傑作選も放送予定だ。

司会のバトンを受け継ぐ二宮和也は、就任にあたり「最初お話を聞いた時は本当に！？と驚きましたが、本当でした笑 昔、観させていただいていた番組の中にまさか自分が入れるだなんて、、、番組ファンの方々にも楽しんでもらえるように頑張ります」とコメントしている。

挑戦者には、二宮と親交の深いtimeleszの菊池風磨や俳優のムロツヨシ、橋本環奈、あの、そして21年ぶりに挑戦する実業家の堀江貴文氏らの名が連なる。挑戦者の一人であるムロツヨシは「二宮くんがどのような間を使うのか。その〈間〉を体感したく、出場することに致しました」と、二宮流の司会術への期待を語った。

ルール変更と令和時代のクイズ番組

番組の骨格は維持しつつ、ルールの一部変更も明らかになった。問題数は従来の15問から12問に短縮。ライフライン（救済措置）では、観客に答えを問う「オーディエンス」が廃止され、新たに司会者に意見を聞ける「アスク・ザ・ホスト」が導入される。

このルール変更の背景には、時代の変化がある。タレントの有吉弘行は、自身のラジオ番組で、ライフラインの一つ「テレフォン」について、電話相手がAIに音声認識で質問すれば即座に正解が導き出される可能性を指摘 。テクノロジーの進化が、クイズ番組の根幹を揺るがしかねないという、令和ならではの課題も浮上している。

「かなり悩んだ」制作陣の葛藤とAI登場の意図

今回の復活劇で最大の論点となっているのが、「AIみのもんた」の登場である。フジテレビは「CG・AIチームの英知を集結させ、初代司会者・みのもんたさんに再びステージに登場いただく」と発表。その目的を「偉大なる司会者であり、数々のスリルと興奮と感動を生んできたみのさんに対する敬意を表し」と説明している。

総合演出の錫木亮氏は、この企画に至った経緯と葛藤を次のように語っている。

「みのもんたさんという偉大すぎるMCの後を国民的スターの二宮さんが引き継ぐ。そんなテレビの歴史的な転機を、ミリオネアらしく視聴者の方に伝えたいと思考していた時、番組の象徴ともいえるセンターのテーブルで“引き継ぎの儀”を行うのはどうだろうと考え、“AIみのもんたさん”の企画は始まりました。正直、みのさんにAIの姿でご出演いただくことはかなり悩みました。さまざまなご意見もあると思います。でも、みのさんが作り上げてきた伝説の番組を我々は越えなければならない。それをみのさんにも見届けてほしい。決断に踏み切ったのは、そんな思いからでした」

錫木氏は、AIのみの氏と2代目司会者の二宮が対峙する「みのVSにの」の夢の2ショットが実現するとし、制作陣の熱意を強調した。この演出は、単なる懐古ではなく、番組の歴史的な継承を象徴的に描くための苦渋の決断であったことがうかがえる。