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ロブチェン、杉山晴紀調教師が認めた三冠ならずの敗因は出負けと「距離の壁」 次走はオーナーと相談

ロブチェン、杉山晴紀調教師が認めた三冠ならずの敗因は出負けと「距離の壁」 次走はオーナーと相談

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン

史上9頭目のクラシック三冠を狙ったロブチェンが、10月25日の菊花賞(京都・芝3000m)で14着に敗れた。単勝1.8倍の1番人気だったが、スタートで出遅れて後方からの競馬になり、直線で失速。管理する杉山晴紀調教師はレース後、ゲートでの出負けと3000mの距離を敗因に挙げ、次走はオーナーと相談して決めると話した。

1番人気ロブチェンは勝ち馬から1秒3差の14着

第87回菊花賞(GⅠ)は10月25日、京都競馬場の芝3000m(外回り)で18頭が出走して行われた。天候は曇り、馬場は良。JRAの成績によると、ロブチェン(牡3、栗東・杉山晴紀厩舎)は4枠8番から発走し、走破タイムは3分5秒8だった。勝ったゴーイントゥスカイの3分4秒5から1秒3遅れての14着。

デビューから6戦5勝、3着1回と一度も馬券圏内を外したことのなかった馬が、初めて大きく崩れた。単勝オッズは1.8倍で、ファンの支持はほかの17頭を大きく引き離していた。

関連記事:菊花賞の前日最終オッズ、ロブチェンが単勝1.7倍の1番人気 三冠かかる一戦

レースを制したのは武豊(57)が騎乗した3番人気のゴーイントゥスカイ(美浦・上原佑紀厩舎)だった。2着は8番人気のバステール(川田将雅)で、着差はハナ。2番人気のダノンヒストリー(C.ルメール)が1馬身差の3着に入った。武豊にとっては菊花賞6勝目となり、JRAの記録では1988年スーパークリーク、2005年ディープインパクトなどに続く勝利だった。上原調教師は菊花賞初勝利。

関連記事:上原佑紀調教師、菊花賞でGI初勝利 開業4年目・36歳、ゴーイントゥスカイの血統

着順馬名騎手人気タイム・着差
1着ゴーイントゥスカイ武豊3番人気3分4秒5
2着バステール川田将雅8番人気ハナ
3着ダノンヒストリーC.ルメール2番人気1馬身
14着ロブチェン松山弘平1番人気3分5秒8

勝ち馬の父は、2020年に無敗で三冠を制したコントレイルだ。最後の三冠馬の産駒が、6年ぶりの三冠を止めた。

ゴーイントゥスカイは馬主がフィールドレーシング、生産は北海道新ひだか町の千代田牧場。春は青葉賞(GⅡ)を勝ち、日本ダービーではロブチェンから0秒1差の4着だった。菊花賞を終えて7戦3勝。ダービーでロブチェンの後ろにいた2頭、3着のバステールと4着のゴーイントゥスカイが、約5か月後の京都で1、2着を分け合った。

出遅れから後方へ、直線で脚が止まる

つまずきは最初の一完歩で起きた。ロブチェンはゲートの中で半立ちになり、伸び上がるように出て後手を踏む。先行してスタミナを生かすはずの作戦は、ここで崩れた。

JRAのコーナー通過順位は12番手、12番手、8番手、5番手。キンググローリーが大きく逃げる展開の中、ロブチェンは後方から進み、2周目の向こう正面から位置を押し上げて4コーナーを5番手で回った。だが直線では伸びを欠き、推定上がり3ハロンは36.7秒。上位3頭が34秒9から35秒6で上がった中で、直線の差はそのまま開いた。

関連記事:菊花賞の枠順確定、3冠を狙うロブチェンは馬番8番 8番は22連敗中、25日京都で発走

騎乗した松山弘平(36)は「ゲートのタイミングが悪くて」と出遅れを悔やみ、今までにしたことのない動きだったと振り返った。報道によると、松山はこれまでもゲート内で半立ちになることはあったが、今回は開く寸前にそれが出てしまったと説明している。2周目の3コーナー過ぎには外から早めに並びかけられ、そこでバランスを崩したとも語った。思い描いていたのは、しっかり位置を取ってスタミナを生かす競馬。それがイメージとは違う競馬になってしまったと肩を落とした。

杉山晴紀調教師が語った2つの敗因

杉山調教師はレース後、敗因を2つ挙げた。各社が伝えた談話はそれぞれ細部が異なるが、出負けで思い描いた競馬ができなかったこと、最後に脚が上がったのは距離の影響だったことの2点は共通している。

調教師は、ゲートのタイミングが合わずに出負けしたと振り返り、本当は「正攻法の競馬」で距離が持つかどうかを見極めたかったと続けた。正攻法の競馬で負けたのなら距離のせいだと受け止められたが、出遅れでその見極めすらできなかったという意味だ。

そのうえで、距離の問題からも目をそらさなかった。体つきの面から3000mが合うかどうか疑問だと以前から言い続けてきたと明かし、世代の中で能力が抜けていれば3000mをこなせると期待して送り出したと説明した。最後に脚が上がったことから、結論として「距離の壁」がはっきり出たと認めた。ファンへの謝罪の言葉も口にしている。

ロブチェンの父は2019年の菊花賞馬ワールドプレミア。父が勝った舞台で、息子は距離の壁に当たったことになる。

皐月賞はレコード、ダービーはアタマ差の二冠馬

なぜこれほど支持を集めたのか。

ロブチェンは2023年4月9日生まれ。父ワールドプレミア、母ソングライティング(母の父Giant’s Causeway)という血統で、北海道安平町のノーザンファームで生まれた。馬主はフォレストレーシング。2025年に京都でデビュー勝ちを収め、12月のホープフルステークス(GⅠ)を制した。

3歳になって2月の共同通信杯(GⅢ)で3着に敗れたが、4月19日の皐月賞では先手を取ってそのまま押し切った。勝ち時計1分56秒5はJRAの成績表で「レコード」と記録されている。5月31日の日本ダービーでは一転して中団から運び、上がり33秒2の末脚でパントルナイーフをアタマ差かわした。逃げても差しても勝てる器用さが、三冠への期待を大きくした。

秋は9月21日の神戸新聞杯(GⅡ)から始動し、ハナ差で勝ち切った。菊花賞前の時点の戦績は6戦5勝。菊花賞の結果を加えて7戦5勝となった。

松山と杉山調教師は、2020年にデアリングタクトで牝馬三冠を達成したコンビでもある。報道では、同じ騎手と調教師で牡馬と牝馬の三冠をそろえる史上初の記録がかかっていたと伝えられた。

三冠の重さと、ロブチェンの次の一歩

JRAが「歴代三冠馬」として紹介する牡馬は8頭。1941年のセントライトに始まり、シンザン、ミスターシービー、シンボリルドルフ、ナリタブライアン、ディープインパクト、オルフェーヴル、そして2020年のコントレイルと続く。皐月賞とダービーを勝っても、秋の京都の3000mで最後の一冠をつかめる馬は限られる。

次走は決まっていない。杉山調教師は今後について「オーナーと相談して」決めると話し、次のレース選びは一から考え直す考えを示した。具体的なレース名は、10月26日時点で陣営から示されていない。

皐月賞でレコード、ダービーで世代の頂点に立った力は、2000mと2400mで証明済みだ。三冠の夢は京都で終わったが、二冠馬の次の舞台がどこになるのか、陣営の判断が待たれる。

[文/構成 by スポーツ担当ライター 疾風(HAYATE)]

寄稿者

疾風(HAYATE)
スポーツニュースサイトでの執筆を経て、ゴルフ、競馬、大相撲、フィギュアスケート、陸上など、競技の枠を越えてスポーツ記事を書いてきたWEBライター。経験は6年。大会結果や記録、番付、レース展開など、数字と公式記録を土台に「何がすごかったのか」を整理する記事を得意としている。ルールや採点方式が分かりにくい競技でも、初めて観る人がその一戦を楽しめるよう、背景や見どころまでかみくだいて伝えることを心がけている。主な執筆分野は、ゴルフ、競馬、大相撲、フィギュアスケート、陸上、バスケットボール。

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