MediaDogs

新着記事

伊藤光、楽天から戦力外通告 FA加入わずか1年、オリックス・DeNA・楽天と渡った経歴を整理

伊藤光、楽天から戦力外通告 FA加入わずか1年、オリックス・DeNA・楽天と渡った経歴を整理

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン

楽天は10月20日、伊藤光捕手(37)に来季の選手契約を結ばないと伝えたと発表した。2025年オフに横浜DeNAから海外FA権を使って加わったばかりで、1年での退団となる。移籍1年目の2026年は22試合で打率.133、1本塁打、2打点。2014年に捕手でベストナインとゴールデングラブ賞を受けた捕手が、プロ19年目のオフに次の道を探す。

楽天が10月20日に通知、今季は22試合で打率.133

楽天が伊藤に来季の契約を結ばないと通知したのは10月20日だった。球団の発表と同じ日に、各社が一斉に伝えている。

楽天での初出場は3月28日、京セラドーム大阪でのオリックス戦だった。プロ生活を始めた古巣を相手に、途中出場で新天地の1歩目を踏み出す。4月18日の本拠地・楽天モバイルでのロッテ戦では9番・捕手で先発して2安打を放ち、チームも9対1で勝った。ただ、複数安打はこの1試合だけだった。

2026年の1軍成績は22試合、36打席で30打数4安打。本塁打1本、打点2で、打率は.133にとどまった。報道によると、下半身のコンディション不良も響いたという。

唯一の本塁打は、古巣との対戦で生まれた。6月2日、横浜スタジアムでの交流戦DeNA戦。1点リードの9回に代打で登場すると、DeNA5番手の坂本からセンター越えのソロを放つ。移籍後初の一発で、楽天は7対3で勝った。3万2610人が入った古巣の本拠地で、かつての仲間から打った1本だった。

しかし、その3日後が最後になる。1軍で最後に出たのは6月5日、甲子園での阪神戦だ。8番・捕手で先発し、3打数無安打。チームも1対8で敗れ、この試合を最後に1軍の舞台から遠ざかった。

プロ野球の第2次戦力外通告期間は10月18日に始まり、30日に終わる。楽天は第1次期間の初日にあたる9月28日、酒居知史、今野龍太ら6人(育成2人を含む)に通告しており、伊藤への通知はそれから3週間あまり後だった。

関連記事:戦力外通告2026はいつまで? 第2次期間が10月18日開始、30日に終了 22日にドラフト

海外FA権を使い1年契約で加入、出場機会を求めた移籍だった

伊藤が楽天入りを決めたのは2025年11月だった。日本野球機構(NPB)が公示した2025年度のFA宣言選手の一覧では、伊藤は「海外FA宣言選手」の欄に載り、DeNAから楽天へ移っている。楽天にとっては2019年オフの鈴木大地以来のFA補強で、このオフのFA移籍第1号でもあった。

FA権には、国内の他球団へ移れる国内FA権と、海外の球団とも交渉できる海外FA権の2種類がある。海外FA権を持つ選手は国内の球団へも移籍でき、伊藤はこの権利を使って国内の楽天を選んだ。NPBの公示では、楽天との契約日は2025年11月19日となっている。

なぜ36歳で移籍を選んだのか。

答えは、DeNAでの2025年にある。この年の1軍出場はわずか6試合で、9打数無安打に終わった。出場機会を求めてFA宣言に踏み切ると、楽天は捕手の補強を急いでいた。2025年の楽天は支配下の捕手が5人しかおらず、12球団で最も少なかったためだ。契約は1年と報じられ、推定年俸は5000万円だった。報道によると、米大リーグの球団から接触があったものの、最初に熱意を示した楽天を選んだという。

結果として、その1年で区切りがついた。報道によると、FA移籍から1年での戦力外通告は、1995年の山沖之彦以来31年ぶりだ。山沖は1994年オフにオリックスからFAで阪神へ移り、1軍登板のないまま1年で阪神を去っている。伊藤と同じく、阪急・オリックスでプロ生活を始めた選手だった。

明徳義塾高からオリックスへ、2014年にベストナイン

伊藤は1989年4月23日生まれ。高知の明徳義塾高から、2007年の高校生ドラフト3巡目でオリックスに指名された。1軍デビューは入団1年目の2008年で、出場は1試合だけだった。

出番が一気に増えたのは2013年だ。137試合に出場して打率.285を記録し、正捕手の座をつかむ。翌2014年も137試合でマスクをかぶり、パ・リーグの捕手部門でベストナインとゴールデングラブ賞をそろって初受賞した。その後も2015年に104試合で打率.271、2017年は103試合で5本塁打を放つなど、捕手陣の中心として出場を重ねた。オリックスには2018年途中まで11シーズン在籍し、703試合に出場している。

転機は2018年7月9日に訪れた。オリックスとDeNAが2対2の交換トレードを発表し、伊藤は赤間謙投手とともにDeNAへ、白崎浩之内野手と高城俊人捕手がオリックスへ移る。シーズン途中に実績のある捕手が動く異例のトレードで、正捕手を求めていたDeNAと、内野手を補いたいオリックスの狙いが一致した。オリックスでは一塁や三塁を守る野手に故障者が相次いでおり、内野の補強が急がれていた。7月11日には入団会見が開かれ、伊藤は新天地で背番号29を受け取った。

所属在籍試合主な成績・出来事
オリックス2008〜2018年途中7032013年に137試合で打率.285、2014年にベストナインとゴールデングラブ賞
横浜DeNA2018年途中〜2025年3602019年に84試合で自己最多の8本塁打
楽天2026年22打率.133、1本塁打、2打点
通算19年1085638安打、31本塁打、264打点、打率.234

成績はNPB公式記録(2026年シーズン終了時)による。

DeNAで8年、楽天で1年 通算1085試合の歩み

移籍1年目の2018年は、途中加入ながら47試合に出場した。2年目の2019年は84試合に出場し、打率.254、8本塁打。本塁打はプロ入り後の最多で、打てる捕手として期待された役割を数字で示した。2021年は53試合、2022年は40試合で打率.277、2023年は61試合に出場するなど、捕手陣の一角を担い続ける。2024年も39試合で14打点を挙げた。ただ、2025年は6試合と出番が大きく減り、これが移籍の引き金になった。

19年間の通算成績は1085試合で638安打、31本塁打、264打点、打率.234。内訳はオリックスで703試合、DeNAで360試合、楽天で22試合となる。3球団で通算1000試合を超える出場を重ねてきた捕手だ。オリックスで正捕手をつかみ、DeNAでは打撃で存在感を見せ、楽天では古巣相手に一発を放った。

古巣DeNAは日本シリーズへ、伊藤の今後は

発表から2日後の10月22日には、ドラフト会議が控える。各球団が来季の枠を整理する時期で、11月17日にはバンテリンドーム ナゴヤで12球団合同トライアウトが予定されている。

一方、古巣のDeNAは10月24日に横浜スタジアムで開幕する日本シリーズに進んだ。かつてのチームメートが頂点を争う時期に、伊藤は来季の所属先を探すことになる。

伊藤本人のコメントは、10月21日時点で伝えられていない。現役を続けるのか、どんな道を選ぶのか。37歳の捕手の決断が待たれる。

[文/構成 by スポーツライター 高瀬翔吾]

寄稿者

高瀬翔吾
Webメディアでスポーツ、エンタメ、時事ニュースなど、累計数千本の記事制作に携わってきたスポーツ系ライター。野球分野では、プロ野球の試合結果や選手の記録をはじめ、MLB、高校野球、ドラフト、移籍、契約更改などの記事を継続的に担当。数字や公式記録を基に情報を整理する記事を得意としており、結果を伝えるだけでなく、その記録が持つ意味や、選手・球団を取り巻く背景までわかりやすく解説することを心がけている。主な執筆分野は、プロ野球、MLB、高校野球、侍ジャパン、ドラフト、移籍情報。

コメントはこちら

*
*
* (公開されません)

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

エンタメ

More

スポーツ

晴れた日の野球場のマウンドに置かれた硬式野球ボール

米沢友翔、能登半島地震で「珠洲に残る」と言った長男に両親は「大阪へ戻って野球をし...

石川県珠洲市出身、関西大の左腕・米沢友翔。大学1年の正月に能登半島地震に遭い「珠洲に残る」と伝えた長男に、両親は「大阪へ戻って野球をしなさい」と背中を押した。左肘のけがを越え、54年ぶりの日本一で最高殊勲選手賞。ドラフト1位候補の原点をたど...
More

ライフハック/実用

More

グルメ

More

社会/ニュース

More
Return Top