錦織圭、現役最後の大会へ会見「満足感があって、来週が楽しみ」 2度優勝のジャパンオープンは30日開幕

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン
男子テニスの錦織圭(36)が9月25日、東京・有明コロシアムで記者会見を開き、現役最後の大会となる木下グループジャパンオープンへの思いを語った。「満足感があって、来週が楽しみ」と話し、コート上で悔いなく終わりたいと繰り返した。2012年と2014年に優勝した大会で、本戦は9月30日に始まる。
有明で大会前会見、引退表明後は国内で初めて
錦織圭(36)=ユニクロ=が会見に臨んだのは9月25日の午前だった。場所は大会のメイン会場となる有明コロシアム。2026年5月1日(日本時間)に今季限りでの引退を発表してから、日本国内で会見を開くのはこれが初めてになる。
大会の正式名称は「木下グループジャパンオープンテニスチャンピオンシップス2026」。ハードコートで争うATP500の大会で、本戦は9月30日から10月6日まで開かれる。錦織は主催者推薦(ワイルドカード)で本戦に出る。
心境を問われると、錦織はまず「満足感があって、来週が楽しみ」と口にした。結果への期待は特にないとしたうえで、最後に試合ができる楽しみのほうが大きいと続けている。日本で最後に試合ができることは「ボーナスみたいなもの」。そう表現し、「コートで悔いなく終われるようにしたい」と語った。
ジャパンオープンが最後の公式戦になるのかという問いには、今のところはそうだと答えるにとどめた。
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体は万全でなくても「気持ちで押し切れる」
体の状態は、すごく良いわけではないが、できないわけでもないと説明した。コートに入ればアドレナリンや気持ちで押し切れる部分もあるという。引退を決めてから海外でいくつか試合に出てきたが、日本でプレーするのはまた違う感覚になるとも話し、自分のしたいテニスで最後を締めくくりたいと意気込んだ。
見せ方への考えも独特だった。ファンがどう受け取るかは人それぞれで、自分が楽しめればいい。錦織はそう言い切っている。会見前日の9月24日には、アジア大会の卓球男子団体決勝をテレビで見たといい、スポーツには人に光を与える力があると実感したことも明かした。
会見を終えた錦織は、同じ有明コロシアムで20歳の坂本怜と約1時間打ち合った。8月の全米オープン予選決勝で錦織を6-4、7-6で破り、同大会で初めて本戦に進んだ後輩だ。2人はともに推薦枠でジャパンオープンの本戦に並ぶ。
19年のキャリアに「よく頑張ったな」、残る悔いも
会見では、19年に及ぶプロ生活の総括にも話が及んだ。錦織は「よく頑張ったな」と自分をねぎらった。アジアの男子で上を目指す前例が少ないなか、トップ10に入れたこと、けがが多いなかで戦い続けられたことを理由に挙げている。
2014年の全米オープンでは、アジア男子として初めて四大大会シングルスの決勝に進み、準優勝した。2015年3月には世界ランキング4位に上り、アジア男子の最高位を記録する。2016年のリオデジャネイロ五輪では銅メダルを手にした。
それでも、心残りははっきりしていた。四大大会とマスターズ1000のタイトルに届かなかったことを一番の悔いに挙げ、ほかの選手と比べて劣等感のような、煮え切らない思いもあると率直に話した。けがで合計すると何年もツアーを離れたことにも触れ、それがなければと思うことはあると述べている。
ビッグ4と呼ばれたフェデラー、ナダル、ジョコビッチ、マリーがしのぎを削った時代については、あの頃が一番楽しかったと懐かしんだ。
ジャパンオープンは2012年と2014年に制した大会
錦織にとってジャパンオープンは特別な舞台だ。2012年の決勝でミロシュ・ラオニッチ(カナダ)を7-6、3-6、6-0で破り、初優勝。大会が1973年にツアー公式戦になって以降、日本選手の優勝は初めてだった。2年後の2014年も決勝でラオニッチと当たり、7-6、4-6、6-4で2度目の優勝を飾っている。
会見では初優勝の瞬間を今も忘れないと語った。この大会はほかの大会とは違う意味を持つ大きな目標で、ここで勝ったことは格別だったという。
引退の決断に至った経緯は、7月に米ワシントンで開いた引退表明後初の会見で説明していた。体に痛いところが三つ、四つあり、戦う決断をすることがメンタル面でできなくなっていったという内容だった。その直後のムバダラDCオープンでは、1回戦で商竣程(中国)に6-7、6-3、6-4で逆転勝ちし、約3カ月ぶりの実戦で白星を挙げている。
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8月の全米オープンは予選から出場し、予選1回戦と2回戦を勝ち上がった。予選決勝で坂本に敗れ、最後の四大大会は本戦に届かなかった。
公開練習は28日と29日、最終日にはセレモニー
有明では本戦の前にも錦織のプレーを見られる。9月28日と29日には有明コロシアムでオープンプラクティスセッション(公開練習)があり、錦織の練習相手は28日がホルガー・ルネ(デンマーク)、29日がロレンツォ・ムゼッティ(イタリア)に決まった。
大会最終日の10月6日には、錦織のこれまでの活躍をたたえるセレモニーを有明コロシアムで行う予定だ。本人も出席する。
大会には前年王者のカルロス・アルカラス(スペイン)らが名を連ねる。一方、世界4位のベン・シェルトン(アメリカ)はけがのため欠場すると、大会側が9月25日に発表した。
本戦の組み合わせは9月26日時点でまだ発表されておらず、錦織の初戦の相手と試合日は決まっていない。引退後の具体的な計画もまだないという。ただ、日本のテニスが強くなってほしいという思いから、自分の経験をジュニア選手に伝えることには意欲を見せた。
2度頂点に立った有明のコートで、錦織は最後の大会に臨む。
[文/構成 by スポーツライター 疾風(HAYATE)]








































































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