メドベージェフ、チャイナ・オープン準決勝で観客に打球が当たり失格「100%事故だった」 勝ち上がったジョコビッチはデミノー棄権で7度目の優勝

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テニスのチャイナ・オープン(北京、ATP500)男子シングルス準決勝が5日にあり、ダニール・メドベージェフ(ロシア)が客席へ打ったボールが観客の顔に当たり、失格になった。本人は「100%事故だった」と説明している。勝ち上がったノバク・ジョコビッチ(セルビア)は6日の決勝で、アレックス・デミノー(オーストラリア)の途中棄権により11年ぶり7度目の優勝を決め、ツアー通算102勝目となった。
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勝利まで3ポイントの場面で起きた失格
準決勝は5日夜、第3シードのメドベージェフ(30)と第6シードのジョコビッチ(39)の顔合わせだった。第1セットは79分の競り合いの末、ジョコビッチが7-5で先取。第2セットもジョコビッチが1ブレークをリードし、5-3から勝利を目指してサーブを打っていた。
ATP公式サイトによると、問題の場面はスコア7-5、5-3、15-15。ジョコビッチのボレーがコート後方の壁に当たって跳ね返り、メドベージェフがそのボールを打ち返すと、打球は客席へ飛び、観客の顔に当たった。
審判団の協議の結果、危険な行為と判断され、メドベージェフは失格。試合は2時間29分で打ち切られ、ジョコビッチの決勝進出が決まった。
代償は小さくない。テニス365によると、メドベージェフはベスト4入りで得た200ポイントのランキングポイントと、賞金21万9295ドル(約3500万円)を没収される。米ヤフースポーツは、ATPツアーの大会で選手が失格になったのは、2024年のワシントン大会でのデニス・シャポバロフ以来だと伝えた。
世界ランキング5位のメドベージェフにとって、北京は4年連続4度目の出場だった。1回戦でパブロ・カレノブスタ(スペイン)、2回戦でヤン=レナード・シュトルフ(ドイツ)、準々決勝でフランシスコ・セルンドロ(アルゼンチン)を破っての4強入り。2023年の準優勝を超える成績も見えていた。
「100%事故だった」 観客への謝罪を最初に口にした
試合後、メドベージェフは真っ先に観客を気づかった。テニスクラシックが伝えた会見の言葉は次のとおりだ。
「何よりもまず、観客に対して本当に申し訳なく思っている。もし本人が望むのであれば連絡を取りたい。直接謝罪して、どういう状態なのかを確認したい」
故意を問われる行為ではなかったことも、はっきりと説明している。
「100%事故だった。怒ってボールを打ったわけではない。ボールが跳ね返ってきたので、コートの外に出ないようにとにかくどこかへ打とうとした」
ATP公式サイトに載った英語の原文は「It was 100 per cent an accident. You can see that I didn’t hit the ball in anger.」。メドベージェフは結果を知ったとき「ひどい気分になった」とも話し、これほどの状況に近づいたことはこれまで一度もなかったと続けた。
試合内容については、ジョコビッチを素直にたたえた。「彼は本当にいいプレーをした。僕たちが最高の試合をしたときのようなプレーだった」。自分にもチャンスはあったが、それを逃したと認めている。
ジョコビッチ「気持ちは痛いほどわかる」
勝ち上がったジョコビッチの反応は複雑だった。テニスマガジンによると、ジョコビッチは「少しショックを受けている。ボールが当たった人は気の毒だったと思う。実を言うと何が起こったのか見ていなかった」と話し、観客のけがが重くないことを願った。
メドベージェフには同情を寄せた。
「ダニールにも同情するよ。僕も2020年USオープンで経験しているから気持ちは痛いほどわかる。彼が故意にやった訳ではないと確信している。こういうことは起こってしまうんだ」
6年前の全米オープン4回戦。ジョコビッチはポイントを失った直後に後ろへ打ったボールが線審ののどに当たり、失格になった。相手はカレノブスタだった。今回、北京でメドベージェフが1回戦で破った選手と同じだ。
立場は逆になった。当時コートを去ったジョコビッチが、今回は相手の失格で決勝へ進む側に回った。
決勝はデミノーが棄権 北京で11年ぶり7度目の優勝
6日の決勝は、第5シードのデミノー(27)が相手だった。第1セットはタイブレークまでもつれ、ジョコビッチが7-6(3)で奪う。そのあと両者がトレーナーを呼び、デミノーは左内転筋(股の付け根)の治療でいったんコートを離れた。第2セットの第1ゲームを取ったところで、デミノーは続行をあきらめた。
「この試合を見に来てくれた素晴らしいファンのみなさんに謝りたい。こんな形で終わりたくなかった」。デミノーはATP公式サイトでそう話している。
準決勝は相手の失格、決勝は相手の途中棄権。2試合続けて最後まで戦わずに勝ったジョコビッチは「正直に言うと少し不思議な気分だ」と率直に語った。それでも「ここ数年で最高の1週間の一つを戦った。だから喜びたい」と続けている。準々決勝では第1シードのアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)を破っていた。
数字で見ると、この優勝の重みが分かる。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| チャイナ・オープンの優勝回数 | 7回(前回は2015年、決勝でラファエル・ナダルに勝利) |
| 北京での通算成績 | 34戦全勝 |
| ツアー通算優勝 | 102回(ロジャー・フェデラーの103回まであと1) |
| 連続シーズン優勝 | 21年連続(オープン化以降の男子で初めて) |
| ハードコートでの優勝 | 73回 |
北京に戻ってきたのは2015年以来11年ぶりだった。それでも一度も負けていない記録は途切れず、34連勝に伸びた。オープン化以降の最多優勝はジミー・コナーズの109回で、フェデラーの2位まであと1つに迫る。
ツアーファイナル争いへの影響
この優勝は、年末の上位8人だけが出られるATPファイナル(イタリア・トリノ)の出場争いにも関わる。ATPによると、ジョコビッチはその年の獲得ポイントで競う「ライブ・レース・トゥ・トリノ」で6つ順位を上げて9位に浮上し、10位のデミノーを140ポイント上回った。
一方のメドベージェフは、準決勝まで勝ち進んで手にした200ポイントを失った。勝ち取ったはずのポイントが、1本の打球で消えたことになる。
メドベージェフは怒りや苛立ちから打ったのではないと繰り返し、何より観客の無事を願っている。シーズン終盤の大事な時期に起きた失格が、両者のこの先の戦いにどう響くのか。
[文/構成 by スポーツライター TAKU]










































































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