「車いすVチューバー」七竈ななさん死去 X最終投稿「私だけ置いて、朝が来てしまう」…障害者支援に残した遺志とその活動経歴を辿る

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン
車いすVチューバー七竈ななさんが2026年6月21日早朝、自宅で亡くなった。母親が25日、本人の公式Xでこの訃報を伝えている。今後の収益は本人の遺志により、障害者支援活動へ寄付される予定だ。「2.5次元車いす旅人VTuber」として歩んだ活動の足跡と、残された言葉を辿る。
↓ 詳細が気になる方は、このまま下へ ↓
車いすVチューバー七竈ななさん死去、母が25日に公式Xで報告
車いすVチューバーとして配信を続けてきた七竈ななさんが、2026年6月21日早朝、自宅で亡くなった。発表があったのは25日のこと。母親が本人の公式Xアカウントを通じて、突然の訃報を伝えた。
「七竈ななを応援してくださった皆様へ 母よりご報告申し上げます。七竈ななは、2026年6月21日早朝、自宅にて永眠いたしました」
母親はそう書き出し、突然の知らせとなったことを詫びている。続けて「生前、多くの方々に支えていただき、温かい応援を賜りましたことを、家族一同心より感謝申し上げます」とつづり、応援してきた人々への謝意を伝えた。
死因は現時点で公表されていない。本名や年齢も、生前から非公表のまま、配信者として活動を続けてきた人だ。
車いすで歩んだ「2.5次元車いす旅人VTuber」の日々
七竈さんは、下肢が不自由な状況を本人から公表し、車いすユーザーとして配信を行ってきた。肩書きには「2.5次元車いす旅人VTuber」を掲げ、実写を交えた発信も続けている。
公式Xの自己紹介に並ぶのは、こんな書き出しだ。
「みつけてくれてありがとう、2.5次元Vtuberの七竈ななです!実写アリ注意!今からでも古参!」
配信の中心はゲーム実況と雑談。オリジナル楽曲の発表やほかの配信者とのコラボ企画を重ね、活動の幅を少しずつ広げていった配信者だ。大手企業の所属ではなく、ライブの一つひとつでファンとのやり取りを大事にしてきた印象が強い。
本人は車いすという事情を隠さず、配信のなかで自然な形で見せ続けてきた配信者でもある。
チャンネル開設から約6年、458本の動画が残った
七竈さんがYouTubeチャンネルを開設したのは2020年8月21日。個人勢のVTuberとして、そこから約6年にわたる活動を積み重ねてきた。
配信の中心にあったのはゲーム実況だ。「FF14(ファイナルファンタジーXIV)」や麻雀ゲーム「雀魂」の参加型配信を軸に、視聴者と一緒に遊ぶスタイルを続けてきた。狩野カルノさんとの「カルななお悩み相談室」、知恵千知さんとの「ちいかまど」シリーズなど、定期コラボも複数抱え、亡くなる直前の6月まで配信を重ねている。
オリジナル楽曲の発表やBOOTHでのグッズ販売、VRChatでの配信や実写を交えた旅行の発信など、活動の場はYouTubeの画面の中だけに収まらなかった。
チャンネル登録者数は約800人、投稿された動画は458本。大きな数字ではない。それでも一本一本の配信で言葉を交わし、コラボを重ねてきた。その積み重ねが、6年近い活動の厚みとして残っている。
「障害者支援に寄付」の遺志と、母が綴った感謝の言葉
母親の発表で目を引いたのが、収益の扱いに関する一文だ。
「故人の遺志により、今後発生する収益につきましては、障害者支援活動に役立てていただくため寄付いたします」
自身が車いすで配信を続けてきた七竈さんが、活動の続きを、同じように障害と向き合う人たちのために残したいと願っていた、その遺言となっている。葬儀は本人の遺志により行わず、近親者のみでお別れの場を設けた。遺骨は本人の希望に沿って海洋散骨される予定で、母親はその点もあわせて記している。
「突然のお知らせとなりましたことをお詫び申し上げます」
文面には、家族として伝えきれない胸の内をのみ込みながら、それでもファンへ届けたい言葉を選んだ気配が漂う。
「これまで七竈ななを愛し、支えてくださった皆様、本当にありがとうございました」
母親の言葉は、画面の向こうで七竈さんを応援してきた人たち、一人ひとりに向けて添えられた一文だ。
Xに残ったひと言「私だけ置いて、朝が来てしまう」
七竈さんの公式Xに、最後の投稿が並んだのは亡くなる5日前の2026年6月16日だった。「私だけ置いて、朝が来てしまう」というひと言が、いまも公式アカウントのタイムラインに残されている。
訃報が広がると、生前にコラボした配信者や視聴者から、追悼のメッセージが投稿された。「みつけてくれてありがとう」という自己紹介の呼びかけに重ねて、配信で出会えたことへの感謝が、Xのタイムラインに並んでいく。
ゲーム実況、雑談、オリジナル楽曲、コラボ企画。一つひとつの配信で、車いすという事情を画面に出しつつ、それを暗さに変えず、明るさを保ちながら言葉を交わしてきた配信者だった。生身の身体を抱える「2.5次元」の旅人として、Vtuberの世界では珍しい立ち位置を、自分自身で耕してきた人でもある。
海洋散骨と、画面の向こうに残ったつながり
葬儀を行わず、海洋散骨を選んだ理由は、母親の文面では語られていない。それでも、「2.5次元車いす旅人VTuber」という、画面の中と外を行き来する肩書きを大切にしてきた七竈さんらしい締めくくりだ。
今後、公式Xや動画チャンネルから生まれる収益は、本人の遺志に沿って障害者支援活動へ。視聴者と支えてきた人々にとって、活動の続きが別の誰かの暮らしを支える形へと、姿を変えていく。
配信で出会った無数のやり取り、コラボで広がった人とのつながり、ファンへ向け続けた「ありがとう」という言葉。七竈ななさんが画面の向こうに残したものは、海へと送られる遺骨と一緒に、しばらくの間、見ていた人たちの中で静かに息づいていく。
[文/構成 by 小川 そら]



































































コメントはこちら