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「SNOW」ステマで消費者庁が措置命令 報酬渡しのX投稿72件、広告と分からぬ表示に

「SNOW」ステマで消費者庁が措置命令 報酬渡しのX投稿72件、広告と分からぬ表示に

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写真加工アプリ「SNOW」を提供するSnow Corporation(韓国)とSNOW Japanに、消費者庁が8月6日、景品表示法に基づく措置命令を出した。第三者に対価を渡してXへの投稿を依頼しながら、広告だと分かる表示をしていなかった。対象の投稿は72件に上る。

対価を渡してX投稿を依頼、広告表示は一切なし

消費者庁によると、SNOW Japanは第三者に対し、対価の提供を条件に、SNOWの機能を使った投稿をXでするよう依頼した。加工前と加工後の画像を並べ、「今流行ってるAI生成画像SNOWでやってみた」といった感想めいた一言を添えて投稿する内容で、企業から依頼された広告だと明示する記載はなかった。消費者庁は、この投稿による表示が一般消費者にとって事業者の表示だと判別しにくいものだったと認定し、景品表示法第5条第3号が禁じる「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」、いわゆるステルスマーケティングに該当すると判断した。

命令の対象となったのは、2025年4月2日から22日にかけて投稿された72件。多くは1年以上たった2026年6月時点でも削除されずに残っていた。Snow CorporationはSNOW Japanの株式の議決権を全て保有する親会社で、代表理事のキム・チャンウク氏がSNOW Japanの代表取締役も兼ねる。日本国内向けの表示内容の決定はSNOW Japanに委ねられていたといい、消費者庁は両社をそろって処分の対象とした。

「かわいい」「便利」投稿の裏に依頼の事実

命令書に添付された投稿例を見ると、内容の大半は等身大の暮らしの一コマだ。「こないだイオンで息子がプラレールの冊子みながら選定しててめっちゃおたくでかわいすきた」「双子のピレ子犬みたいになった」「特徴捉えつつ可愛さと面白さが残ってて今までやったAIで一番しっくりきた」といった、ペットや子どもの写真をAIでイラスト風に加工したという体験談が並ぶ。文面はいずれも自然な口コミそのもので、対価を受け取った投稿だとうかがわせる記載は見当たらない。

消費者庁は、こうした投稿が第三者の自発的な感想ではなく、SNOW Japanが「指示する方針に沿った投稿」として依頼したものだったと事実認定した。表示内容の決定に事業者が関与している以上、それは第三者による自発的な口コミではなく「事業者の表示」そのものだというのが判断の骨格になっている。朝日新聞の報道では、報酬として電子ギフト券などが数千円から数万円程度支払われていたとされる。

措置命令が求める4つの対応、報告義務も

措置命令は、2社に4点を求めている。該当する表示を速やかに取りやめること、この表示が景品表示法に違反していた旨を一般消費者に周知徹底すること、再発防止策を講じて役員・従業員に周知すること、そして今後同様の表示をしないことだ。周知徹底の方法は事前に消費者庁長官の承認を受ける必要があり、対応状況は文書で消費者庁へ報告しなければならない。

ステルスマーケティング規制は2023年10月、景品表示法の告示として新たに施行された制度だ。広告だと隠したまま第三者に投稿させる手法を規制対象とし、2024年6月には医療クリニックに対する初の措置命令が出されている。SNSでのインフルエンサー活用が広告手法として広がる一方、依頼の事実を隠して「口コミ」として発信させるケースが規制の的になりやすい構図が、今回のケースにも重なる。

国内外で使われる加工アプリ、今後の対応が焦点

「SNOW」はセルフィーの加工やAI生成機能で知られ、若年層を中心に日本を含むアジア圏で広く使われてきたアプリだ。今回の措置命令を受け、両社は対象の投稿を速やかに取りやめたうえで、一般消費者への周知や再発防止策の実施が求められる。両社は連名で消費者庁を通じてコメントを出し、「再発防止に向けた管理体制の強化を徹底いたします」としている。

ステマ規制は始まってまだ3年に満たない新しい制度で、適用例が少しずつ積み上がっている段階だ。インフルエンサーに依頼して発信してもらう手法自体が禁じられているわけではなく、問われているのは「広告だと分かるようにする」という一点になる。今回の一件は、SNSでの宣伝手法をめぐる事業者側の管理体制が、これまで以上に問われる契機になりそうだ。

[文/構成 by MEDIA DOGS編集部]

寄稿者

MEDIA DOGS 編集部
メディアドッグス株式会社のMEDIA DOGS 編集部チーム。インターネットマーケティングに約10年携わるメンバーで編成し、企画・取材・執筆から公開後の改善まで一貫して担当。「出会いを、設計する。」のもと、人と企業が正しく出会える場をつくるために、一次情報の確認とファクトチェックを徹底。情報をわかりやすく誠実に届け、読者の疑問を解決します。

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