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LIVゴルフ、スタッフの大半に解雇を通知 広報『事業規模を縮小している』、LIV2.0へ移行

LIVゴルフ、スタッフの大半に解雇を通知 広報『事業規模を縮小している』、LIV2.0へ移行

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LIVゴルフが8月26日、大半の従業員に9月第1週での雇用終了を通知した。サウジアラビア政府系ファンド(PIF)が今季限りでの資金提供終了を決めたことへの対応だ。広報担当者は事業規模の縮小を認め、新体制「LIV2.0」への移行を進めていると説明した。

スタッフの大半に9月退社通知

LIVゴルフは8月26日、世界に300人超を抱える従業員の大半に対し、9月第1週での雇用終了を通知した。対象は英国と米国の拠点で働く社員が中心で、具体的な人数は明らかにしていない。

広報担当者は取材に「PIFの資金提供終了に伴い、われわれは事業規模を縮小している。新たな章へ移行し、LIV2.0の実現に向けて取り組んでいる」とコメントした。9月以降は限られたスタッフのみが残り、運営の骨格を維持する体制になる。来季以降の見通しが立てば、多くの従業員を呼び戻す方針だという。

LIVは7月の時点で、米国の労働関連法に基づく人員削減の事前通知をすでに提出していた。この通知は、その延長線上にある動きだった。

PGAとの対立、そして資金撤退

PIFを後ろ盾にロンドンで初戦を開いたのが2022年6月。フィル・ミケルソンやダスティン・ジョンソンら大物選手を巨額の契約金で引き抜き、PGAツアーは参加選手を即座に出場停止とするなど、両者の対立は法廷闘争にまで発展した。

転機は2023年6月。PIFとPGAツアー、DP世界ツアーの3者が係争中の訴訟をすべて取り下げ、新会社設立に向けた基本合意を交わした。当初は「統合」と受け止められたが、詳細を詰める協議は難航が続く。同年12月には世界ランキング上位のジョン・ラームがLIV入りを決め、両者の綱引きは収まらなかった。2024年1月にはPGAツアーが米投資家グループ「戦略スポーツグループ」から30億ドルの出資を受け入れ、選手にも株式を持たせる新会社「PGAツアー・エンタープライズ」を設立し、PIFへの依存度を下げた。

LIVを率いてきたグレッグ・ノーマンは2024年末に退任し、スポーツ経営の経験が豊富なスコット・オニールが新CEOに就いている。

統合協議はその後も進展しなかった。PGAツアーのブライアン・ロラップCEOは8月7日、ブルームバーグの取材に「統合はない。協議もしていない」と言い切っている。3年越しの構想は、事実上の白紙撤回。

追い打ちをかけるように、PIFは今年4月、今季限りでLIVへの資金提供を終了すると発表した。以降のLIVは、大会中止が相次ぐ苦しいシーズンとなる。6月には予定されていたニューオーリンズ大会が中止に追い込まれ、シーズン最終戦のはずだった8月のミシガンでのチーム選手権も取りやめとなった。個人と団体の王者は、インディアナポリス大会でようやく決まった。

投資家との会合、割れる反応

混乱の兆しは8月上旬から表面化していた。ゴルフ専門サイトのALBA Netは8月5日、大量解雇の観測とともに、翌6日開幕のLIVゴルフ・ニューヨーク大会に合わせて選手向けの説明会が開かれると報じている。

より踏み込んだ内容が示されたのは8月18日だった。インディアナ州のチャタム・ヒルズ・クラブハウスに全選手を集め、オニールCEOと出資候補とされる人物が今後の構想を説明した。出資候補は英投資会社BC・パートナーズの関係者とみられているが、LIVは正式には名前を明らかにしていない。約50分に及んだ会合では、10大会への再編や選手への株式付与、賞金の減額、他ツアーへの出場容認などが示される。

参加した選手の受け止めは割れる。ブレンダン・スティールはESPNの取材に「部屋には期待感があふれていた」と手応えを語った。一方でセルヒオ・ガルシアは「まだ様子見だ。いろいろな話が出ている段階だから」と慎重な姿勢を崩さない。マーティン・カイマーも「出資者側は前向きだが、詰めるべき点はまだ残っている」と述べ、楽観一色ではない空気を伝えた。

資金繰りの厳しさを裏付けるように、映像制作会社やIT関連会社など複数の取引先がLIVを相手取り、未払い代金の支払いを求める訴訟を起こしている。請求額は数千ドルから100万ドル超まで幅がある。

2027年10大会、鍵は新出資者

オニールCEOが描く「LIV2.0」は、2027年に10大会(うち米国5大会)を開催する計画だ。海外開催地には香港やリヤド、南アフリカなどの名が挙がっており、規模を絞り込んだ上で収益性を重視する路線への転換となる。

CEOは2億5000万〜3億5000万ドル規模の新規投資を募っており、出資合意は9月にも固まる見通しだという。新体制では選手が過半数の株式を持つ仕組みが検討されており、実現すれば主要プロスポーツリーグとしては前例のない試みになる。出資には1ダース(12社)を超える候補が関心を示しており、単独ではなく複数の投資家による体制を目指す方向だ。黒字化の目標は、新体制発足から3年後(2029年ごろ)とされる。

一方で、ブライソン・デシャンボーやジョン・ラームら看板選手の去就は定まっていない。PGAツアーのロラップCEOは、他団体と契約が残る選手を対象にした復帰制度を再開する計画がないと明言し、実力で出場権を勝ち取る従来の仕組みを崩さない姿勢を示した。LIV勢に無条件で門戸が開かれる見込みは薄い。人員を大幅に減らしてまで生き残りを図るLIVと、門戸を狭めるPGAツアー。ゴルフ界の勢力図がどう塗り替わるのか、行方はなお見通せない。

[文/構成 by スポーツライター 久遠(KUON)]

寄稿者

久遠(KUON)
WEBライター(主にスポーツ記事)経験7年。スポーツ、格闘技が好きで、ボクシング世界チャンピオンが主宰するジムに4年間在籍。自分でも練習を重ね、”3分”の過酷さと濃さを体で知る。観戦もライフワークで、会場には年4回ほど足を運ぶ。選手目線の実感とファン目線の熱量、その両方を武器に、試合の見どころやリングのリアルをライター経験を活かしてわかりやすく伝えます。

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