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プロボウル、NFLがオールスター戦の試合廃止を発表 名誉としての選出と投票方式は継続

プロボウル、NFLがオールスター戦の試合廃止を発表 名誉としての選出と投票方式は継続

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米NFLが8月26日、オールスター戦「プロボウル」の試合開催を廃止すると発表した。選手・コーチ・ファン投票で選ぶ「名誉」としての選出は続き、今シーズンから88人を正式選出する。辞退による繰り上げ選出は行わない方針だ。選ばれた選手は来年2月、ロサンゼルスで表彰される。

試合は廃止でも選出と投票は継続

NFLはアトランタで開催されたオーナー会議の場、および公式サイトで、プロボウルからAFC対NFCの試合をなくすと明らかにした。発表したのはNFL上級副社長のピーター・オライリー氏とトロイ・ビンセント氏の2人だ。オライリー氏はクラブ事業・国際事業・リーグイベントを統括する立場で、ビンセント氏はフットボール運営の責任者を務める。

両者の説明によれば、プロボウルという名称と選出制度そのものはなくならない。選手、コーチ、ファンの投票を均等に反映する仕組みも従来通りだ。2026年シーズンからは88人を正式なプロボウル選出選手として一括発表し、そこに含まれなかった選手が繰り上がることはない。

これまでは出場を辞退した選手の代わりに次点の選手が繰り上げで選ばれ、「プロボウル選出選手」の肩書きを得る仕組みが続いてきた。オライリー氏は、この変更を「試合から栄誉への転換だ」と表現した。選ばれた88人だけがプロボウルの名誉を受け取る、というシンプルな形に戻す狙いだ。

1951年から続いた伝統、迎えた転機

プロボウルの歴史は長い。1951年に始まり、新型コロナウイルスの影響で中止になった2021年を除いて、ほぼ毎年欠かさず開催されてきた。長らくハワイ・ホノルルが定番の開催地だったが、最近はオーランドやラスベガス、サンフランシスコなどを転々としてきた。

大きな転機は2023年。負傷のリスクを理由に、選手同士がぶつかり合うタックル形式をやめ、接触プレーのないフラッグフットボールと、パスやキャッチの精度を競うスキル競技を組み合わせた「プロボウルゲームズ」に衣替えした。

それでも人気低迷には歯止めがかからなかった。わかりやすい例が、2025年ドラフトで144位指名だったクリーブランド・ブラウンズのルーキークオーターバック、シェドール・サンダースのケースだ。AFCの補欠にすら入っていなかったが、上位の候補選手が相次いで負傷や出場辞退となったため繰り上げでプロボウル入りした。シーズン終盤の7試合に先発し、パスは7タッチダウンに対して10インターセプション。2008年のデレク・アンダーソン以来となる、ブラウンズ所属クオーターバックのプロボウル入りだった。選出の重みが薄れている実例となった。

テイラー・スウィフトの夫として知られるトラビス・ケルシー(36)=チーフス=も、長年にわたってプロボウルの常連であり続けてきた選手の一人だ。こうした実績ある選手にとって、選出は今もキャリアを彩る勲章であり続ける。

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視聴率200万人、幹部が語った理由

視聴率を専門に追う米メディア、スポーツ・メディア・ウォッチの集計によると、2026年版は2月3日にサンフランシスコで開催され、従来の日曜午後から火曜夜に開催日時を移したことでABCでの同時ネットも失った。結果、ESPN系列全体の平均視聴者数は200万人にとどまり、新型コロナで録画放送になった2021年版の190万人を除けば過去最低となった。前年(2025年)は平均470万人で、同じ年のNBAオールスター戦と並ぶ数字を保っていた。わずか1年での急落。

過去25年で最も視聴されたのは2011年のFOX放送版で、平均1340万人を集めた。それでも、その年のFOXによる通常シーズン中継の平均2220万人には遠く及ばなかった。プロボウルは全盛期でさえ、リーグ本体の人気には届かない。

他競技との差も鮮明だ。同じ2026年に開催されたMLBとNBAのオールスター戦は、五輪や国際大会の追い風を受けてともに平均879万人を記録し、WNBAオールスター戦も316万人を集めた。最後のプロボウルは、前年のプレシーズン平均220万人にすら届かなかった。

ビンセント氏は、選手たちから「プレーオフの後に本気の勝負はしたくない」という声を聞いたと明かした。「プレーオフを終えたばかりの時期に、あの激しさを見せようとしても、正直どこかちぐはぐになる。プロボウルは今の姿を映したものにはならない」。オーナー会議の場では、オライリー氏も「競技性のあるオールスター戦から真っ先に手を引くリーグになってもかまわない」と言い切った。

元名選手「恥じるべきだ」と厳しく批判

決定への反応はファンや元選手の間にも広がった。プロボウルに8度出場した元NFL選手のシャノン・シャープは、自身が出演する番組「Nightcap」で選手たちを痛烈に批判した。

「この10年でプレーしてきた選手たちは恥じるべきだ。自分たちの親が生まれる前から続いてきたものを、お前たちがぶち壊した。終わらせたのはお前たちだ」

シャープはNBAオールスター戦が形骸化していった経緯にも触れながら、実際の勝負が伴っていた時代のプロボウルを知る世代として、今の選手たちの姿勢に苦言を呈した。一方で、補欠選手が乱立する現状こそが選出の価値を薄めてきたとして、この決定を歓迎する見方も広がる。

88人は12月発表、来年2月にLAで表彰

今後の流れも固まりつつある。プロボウル選出選手は例年通り12月下旬に発表され、NFLや各クラブ、SNS、放送パートナーの各プラットフォームで大きく扱われる予定だ。選ばれた88人はユニフォームに恒久的な記章が加わるほか、トップス社が製作する一点物の記念トレーディングカードなど記念品を受け取る。

選ばれた選手は来年2月、ロサンゼルスで恒例となってきた「プロボウルウィークエンド」に招かれ、家族とともに表彰される。同じ時期にはフラッグフットボール関連のイベントも予定されており、2028年のロサンゼルス五輪で正式競技となるフラッグフットボールの普及を後押しする狙いもある。すでに25以上の国と地域から200人を超えるNFL選手が、自国代表としての五輪出場に関心を示すという。

2026年シーズンは9月9日(日本時間10日)に開幕する。試合のないプロボウルは、どんな形で選手をたたえるのか。本格的な姿が見えてくるのは、年末以降になる。

[文/構成 by スポーツライター 久遠(KUON)]

寄稿者

久遠(KUON)
WEBライター(主にスポーツ記事)経験7年。スポーツ、格闘技が好きで、ボクシング世界チャンピオンが主宰するジムに4年間在籍。自分でも練習を重ね、”3分”の過酷さと濃さを体で知る。観戦もライフワークで、会場には年4回ほど足を運ぶ。選手目線の実感とファン目線の熱量、その両方を武器に、試合の見どころやリングのリアルをライター経験を活かしてわかりやすく伝えます。

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