母の待つ里が映画化、吉永小百合さん『私にとって125本目の映画です』 2027年秋公開

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俳優の吉永小百合(81)が、浅田次郎原作の映画『母の待つ里』で主演を務めると発表した。吉永にとって映画出演125本目の節目の作品で、2027年秋の公開を予定している。浅田原作の映画への出演は今回が初めてだ。脚本を小山薫堂、監督を前田哲が手がける。
浅田次郎原作に初挑戦、125本目の節目
『母の待つ里』は、浅田が2022年に発表した長編小説の映画化だ。発行部数は26万部を超えるヒットとなっている。吉永が演じるのは、血のつながりのない”母”ちよ。大企業の社長として孤独を抱える松永徹、定年と同時に妻から離婚された室田精一、親を看取ったばかりの医師・古賀夏生という、人生に疲れた3人が、ちよの待つふるさとへ里帰りする物語だ。
囲炉裏端に並ぶ手料理や昔話を交わすうち、ちよと過ごす時間が3人の心を少しずつ変えていく。浅田作品はこれまで『鉄道員(ぽっぽや)』『地下鉄(メトロ)に乗って』『壬生義士伝』など数多くの映画化作品がある。
映画化のオプション権は、原作刊行の直後に製作のセディックインターナショナルが押さえ、企画が動き出した。『老後の資金がありません!』(2021年)、『九十歳。何がめでたい』(2024年)を手がけた前田に白羽の矢が立ち、企画と脚本を固めたうえで、吉永へのオファーとなった。
日刊スポーツによると、吉永は当時、2025年の主演作『てっぺんの向こうにあなたがいる』(阪本順治監督)の準備中で、スケジュールを理由に一度は出演を断っている。それでもプロデューサーの中沢敏明が「待つ」と伝えると、心が動いた。前作を終えたあとに台本を読み直し、出演を決めたという。
成島出監督と2度タッグ、吉永の歩み
吉永は監督の成島出と、2014年の『ふしぎな岬の物語』、2021年の『いのちの停車場』で2度タッグを組んでいる。『いのちの停車場』では、医師役に初めて挑んだ。その成島は8月24日に肺がんのため65歳で死去し、所属事務所が28日に発表したばかりだ。長年二人三脚で作品を重ねてきた監督の訃報と、新たな”母”役への挑戦が、同じ日に伝えられた。
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吉永と浅田、コメントに込めた思い
吉永は主演にあたり、次のようにコメントを寄せた。
15才で映画俳優になり、好運に恵まれて今日まで歩いて来ました。『母の待つ里』は、私にとって125本目の映画です。浅田先生原作の映画に初めて出演させて頂くことになり、嬉しくて舞い上がっています。そして、前田監督の若々しいエネルギーをしっかり受け止め、『心の母』をひたむきに演じたいと、祈る様な思いです。5月にクランク・インして、これから秋編、厳しい寒さの中での冬編の撮影に入って行きますが、スタッフ、キャストの皆様と共に、来年秋の公開に向けて力を尽くします。
原作者の浅田次郎(74)も、感慨深いコメントを残している。
思い起こせば高倉健さんに『鉄道員』の佐藤乙松を演じていただいてから、四半世紀あまりの歳月が流れました。そして今、吉永小百合さんに『母の待つ里』のちよを演じていただくのは、昭和の時代に生まれ育ったひとりの小説家として望外の幸せを感じます。私たちは人間らしい自然な営みを忘れて、便利さと快楽の追求でしかない不自然の中で生きています。ちよさんはそんな私たちにとって、虚も実もない、あらたかな自然そのものです。
脚本の小山薫堂(62)は、米アカデミー賞外国語映画賞を受賞した『おくりびと』で知られる脚本家だ。映画脚本を手がけるのは2023年公開の『湯道』以来となる。吉永と親交が深い二宮和也が所属した嵐の楽曲「ふるさと」の作詞も手がけた経歴を持ち、”ふるさと”への思いを創作の軸にしてきた自分が、ふるさとを持たない人たちの心を描く難しさに向き合ったといい、「これは私にとって一つの大きな挑戦でした」と日刊スポーツに打ち明けている。
初タッグとなる前田監督は、吉永について「心の中にいつも他者へのギフトを持ってられる方」と評した。「悲しみも苦しみも寂しさも包むように全てを受け入れて、命ある限り懸命に『母』として生きていく」ちよの姿と重なる、と語っている。企画・プロデュースの岡田有正も「圧倒的な美しさと気品で時代を彩り、日本映画界の光であり続ける吉永小百合さんを主演にお迎えし、浅田次郎先生の『母の待つ里』を映画化できることを大変光栄に思います」とコメントした。
吉永自身、台本には手応えを感じている様子だ。日刊スポーツには「日本の伝統的な生活やさまざまな生き方が描かれていて、とても感動しました」と読後の印象を述べた。「ファンタジーでもありますし、ミステリーというものも感じました」と多面的な脚本の魅力に触れ、「それが最後に向かって、どういう形に映画としてでき上がるのだろう」と、演じる立場からの高揚感ものぞかせている。
岩手・遠野で9カ月撮影、2027年秋に完成へ
撮影は今年5月、浅田が取材を重ねて舞台に選んだ岩手県遠野で始まった。春編と夏編は7月にクランクアップし、これから厳しい寒さの中での秋編、冬編の撮影に入る。四季の移ろいとともに登場人物の関係が変わっていく様子を、時間をかけて描く狙いだ。撮了は2027年1月を予定している。
吉永は劇中、ちよが口にする東北弁のセリフにも挑戦した。高倉健と初共演した1980年の『動乱』のように、春夏秋冬を時間をかけて撮る往時の日本映画の作り方に重なるといい、同紙には「9カ月かけて撮影をやるんですけども、体力をつけて頑張らなければ」との言葉ものぞかせている。9カ月に及ぶ長期の撮影の先で、”心のふるさと”を描く一本が2027年秋、スクリーンに姿を現す予定だ。
[文/構成 by MEDIA DOGS編集部]

































































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