フィギュア五輪金のアリサ・リュウが今季欠場を発表 「私は必ず戻ってきます」と引退は否定

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米国のフィギュアスケート選手アリサ・リュウ(21)が8月25日、自身のインスタグラムで2026-27シーズンの競技会に出場しないと発表した。今年2月のミラノ・コルティナ冬季五輪で個人と団体の金メダルに輝いたばかりだった。引退ではなく、2027-28シーズンでの復帰を目指すという。
インスタグラムで来季の不出場を発表
リュウは8月25日、自身のインスタグラムで「みんなが今季のプログラムを発表しているところですが、私からは今季は競技会に出場しないことをお伝えします」と投稿した。事前の予告はなく、米国時間の火曜日、突然の発表だった。
理由についてリュウは「常に新しい形で自分に挑戦し、芸術性とスケーティングを進化させたい」とつづった。続けて「この時間を使って、調整したり細部を磨いたりするつもりです」と説明した。今季をまるごと休養に充てる決断だが、引退を意味する発表ではない。目標に掲げるのは2027-28シーズンでの復帰だ。
米メディアの取材にはこうも語った。「これが正しいと感じました。だから自分の直感を信じることにしたんです」
このタイミングでの発表には理由がある。多くの選手がすでに来季のプログラムや振り付けを発表し始めており、リュウの不出場は競技会シーンにとって小さくない一報だった。ミラノ五輪王者の名がエントリーリストから消えることになる。
16歳での一度目の引退、その先の道のり
リュウが競技会を離れるのは、今回が初めてではない。2019年、当時13歳で全米選手権を史上最年少で制し、翌2020年も連覇したリュウは、2022年2月の北京冬季五輪に出場した。その約2カ月後、当時16歳で競技からの引退を発表した。
インスタグラムには「スケート人生には十分満足している。目標はやり遂げたので、これからの人生に進みたい」とつづった。10代前半で頂点に立った少女が、自ら区切りをつけた瞬間だった。
引退後はカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)に進学し、一般の学生として過ごした時期もあった。だが氷への思いは消えず、2024年3月、今度は競技復帰をインスタグラムで発表した。約2年のブランクを経て競技に戻ると、2025年の世界選手権でいきなり優勝を果たした。米国女子選手の世界選手権制覇は、約20年ぶりのことだった。
関連記事:アリサリウ、壮絶な生い立ちと素晴らしいその経歴を辿る 16歳で引退→UCLA→復帰2年で頂点へ ミラノで金メダルまで
そして迎えた2026年2月のミラノ・コルティナ五輪。個人戦ではフリーで圧巻の演技を見せて逆転優勝し、2002年以来となる米国女子選手の五輪個人金メダルを手にした。団体戦でも米国代表の一員として金メダルに貢献し、ミラノ五輪はリュウにとって2冠の大会となった。16歳で一度競技を離れた少女が、約4年をかけて世界の頂点に立ったことになる。
師弟で選んだ休養、磨くのは表現力
リュウを指導するのは、フィリップ・ディグリエルモ氏とマッシモ・スカリ氏の2人だ。ともにベイエリアを拠点とするコーチで、2020年からリュウを指導していたが、2021年に一度契約を解消し、2022年の北京五輪時は別のコーチ陣の下で戦った経緯がある。2024年の競技復帰を機に師弟関係を再開しており、今回の休養の決断もこの師弟の間で話し合って固めたという。
休養中もリュウが氷から完全に離れるわけではない。両コーチとの練習は続け、”アーティストリー”や回転、ジャンプなど、演技を支えるあらゆる要素を磨き直す期間にするという。技術ではすでに世界の頂点に立っただけに、この休養で見つめ直すのは表現力の部分になりそうだ。
なぜ、勝ち続けてきたこのタイミングで立ち止まるのか。
答えの一端は、本人の言葉ににじむ。「常に新しい形で自分に挑戦し、芸術性とスケーティングを進化させたい」というリュウにとって、金メダルの先にはまだ次の目標がある。技術点を積み上げるだけでなく、演技構成点の柱となる表現力そのものを鍛え直す。それが今回の休養に込められた狙いだ。
投稿の終盤には、こう書き添えた。
心配しないでほしい。私は必ず戻ってきます。それまでは、近くにいる仲間も遠くにいる仲間も、みんなを応援しているつもりです。また近いうちに会いましょう。
自身が積み上げてきた技術を土台に、次はどんな表現を見せるのか。今季のリュウは、リンクの外からその答えを探す。
2027-28シーズン復帰へ、次章の始まり
リュウが目標とする2027-28シーズンは、ミラノ・コルティナ五輪の2シーズン後にあたる。今季1年をまるごと空けることで、来季の全米選手権や世界選手権への出場も見送ることになる。当面、国際大会のリンクでリュウの姿を見ることはできない。
それでも本人の言葉に迷いはない。技術ではすでに世界の頂点に立ったリュウが、あえて今のタイミングで立ち止まり、表現力という新たな課題に挑む。16歳での引退、UCLAでの学生生活、わずか2年での世界頂点への復帰。ここまでの道のりを振り返れば、今回の1年間の休養も、リュウにとっては次の跳躍に向けた助走の一部と捉えることができる。
2027-28シーズン、鍛え直した”アーティストリー”を携えてリンクに戻ってきたとき、五輪王者がどんな演技を見せるのか。ファンの視線は、すでに1年先に向く。
[文/構成 by スポーツライター 久遠(KUON)]

































































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