【尾道市立美術館】黒猫ケンちゃん天国へ旅立ち、「もう会えないなんて‥」警備員さんや飼い主さんとの思い出エピソード
突然の別れと、寄せられる思い
静かな旅立ち
最後の「攻防戦」が目撃されたのは2024年4月。その後、ケンちゃんの姿は徐々に見られなくなった。2025年に入ってからは病気療養のため、ほとんど外に出ることはなく、飼い主さんの元で穏やかな日々を過ごしていたという。そして9月20日、ケンちゃんは愛する飼い主に見守られながら、静かに天国へと旅立った。
美術館がその死を公表したのは、約2カ月後の11月11日。この日は、ケンちゃんが正式に飼い猫となった記念日だった。飼い主の意向を尊重し、この特別な日に合わせての発表となった。美術館は「ケンちゃんとの日々、決して忘れません。ありがとう」と、感謝の言葉でその旅立ちを伝えた。
SNSに溢れる追悼の声
訃報が流れると、XなどのSNSには世界中から追悼のメッセージが殺到した。「たくさんの癒やしをありがとう」「警備員さんとのやりとりが大好きでした。もう見られないなんて寂しい」「天国では美術館に入り放題だね」。多くのファンがケンちゃんとの思い出を語り、その死を悼んだ。
一方で、一部からは「なぜ保護しなかったのか」といった批判的な声も上がったが、ケンちゃんは隣接するレストランで大切に飼われていた飼い猫であり、美術館の対応は所有者との関係性を尊重した上でのものであった。多くの投稿は、このユニークな関係性を見守ってきたファンからの温かい感謝の言葉で埋め尽くされた。
関係者が語るケンちゃんの思い出
長年、ケンちゃんを見守ってきた人々も、悲しみを隠せない。警備員の馬屋原さんは、美術館職員にこう漏らしたという。
「今でも、ケンちゃんがあの角からやって来るように思うんよぉ」
さらに、「犬を飼っていますが、こんなに懐いてくれた猫はケンちゃんが初めてでした。たくさんの思い出を『ありがとう』と伝えたいです」と、withnewsの取材を通じてコメントを寄せた。言葉の端々から、ケンちゃんへの深い愛情がにじみ出る。
ケンちゃんが遺したもの
未来へ続く物語
ケンちゃんの姿はもう見られない。しかし、彼が紡いだ物語は終わらない。尾道市立美術館は、今後も公式SNSで元気だった頃のケンちゃんの写真や動画を「時をかける猫」シリーズとして投稿し続ける予定だ。また、在りし日のケンちゃんを偲び、「2026年ケンちゃんカレンダー」の制作・販売も発表された。報道によると、カレンダーの最後のページには、蝶ネクタイ姿でレストランの前にたたずむ写真が選ばれたという。これは、「攻防戦だけでなく、最後は大好きなおうちで幸せに過ごしたことを伝えたい」という美術館職員の思いが込められている。
一匹の猫が、人と美術館、そして世界をつないだこの物語。ケンちゃんは、多くの人の心の中に、温かい記憶として生き続けるだろう。
[文/構成 by MEDIA DOGS編集部]




























































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