亀田和毅、世界戦中止でインスタ更新「必ず近いうちに、皆さんに良い報告をさせていただきます」

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン
ボクシングのWBA世界フェザー級3位・亀田和毅(35)=TMK=が日本時間10月19日、自身のインスタグラムを更新した。米ラスベガスで予定されていた世界3階級制覇をかけたタイトルマッチが、相手の体重超過と体調不良で当日に中止となってから一夜。悔しさとファンへの感謝をつづり、最後は「必ず近いうちに、皆さんに良い報告をさせていただきます」と結んだ。空位となった王座の決定戦をめぐるWBAの世界選手権委員会の結論は、日本時間10月20日午前6時半の時点で発表されていない。
「俺は一人じゃないんやな」、一夜明けの投稿
投稿はまず、メキシコでの日々から始まる。「今回、約3ヶ月間メキシコで強化合宿をして、15歳で初めてメキシコに渡った頃の気持ちに戻れました」。ボクシングだけに集中できた毎日はものすごく楽しかったと書き、「過去一番の仕上がりで、試合をするのが自分でも本当に楽しみでした」と続けた。そのうえで、試合がこのような形で中止になったことは「悔しくて、残念な気持ちでいっぱいです」と明かしている。
ただ、文面は後ろを向いたままでは終わらない。「でも、この3ヶ月間は絶対に無駄じゃない」と書き、この経験は必ずこれからの自分に生きると信じている、とつづった。
中盤には、周りの支えへの思いがあふれた。「そして今回、改めて感じたのは、『俺は一人じゃないんやな』ということです」。続けて「今、一人でこの文章を打ちながら、涙が止まりません」と打ち明け、自分を心から応援してくれる人が全世界にこんなにもたくさんいる、それだけでもう勝ちだ、と書いている。「俺はほんまに幸せ者です!」。関西弁のまじる言葉で、支えてくれる人たちに礼を伝えた。
締めくくりは次の一文だった。「生きていたら色んなことが起こる。それでも俺は、常に前を向いて進んでいきます。必ず近いうちに、皆さんに良い報告をさせていただきます。これからも亀田和毅をよろしくお願いします!」。何を報告するのかは、具体的に書かれていない。
試合当日の朝に消えた世界戦
和毅が挑むはずだったのは、WBA世界フェザー級王者ブランドン・フィゲロア(29)=米国=だった。試合は現地10月17日(日本時間18日)、ラスベガスのザ・コスモポリタン・オブ・ラスベガス内にあるザ・チェルシーで、WBC世界スーパーウエルター級王者セバスチャン・フンドラ(米国)の防衛戦をメインとする興行のセミファイナルに組まれていた。
崩れ始めたのは前日計量だ。現地10月16日(日本時間17日)、フィゲロアはリミットの126ポンド(約57.1キロ)に対して1回目に127.4ポンドを計測し、その後に量り直した体重も126.8ポンドで、リミットを超えたままだった。王座はその場ではく奪された。和毅は一発でパスし、試合は和毅が勝った場合だけ新王者が誕生し、フィゲロアの勝利か引き分けなら王座は空位のまま、という変則のタイトルマッチとして行われる予定になった。
関連記事:亀田和毅の世界戦が当日朝に中止 体重超過で王座はく奪のフィゲロアが体調不良、和毅「プロとして失格」
ところが試合当日の朝、フィゲロアが体調不良となり、試合は中止に。主催の米興行大手プレミア・ボクシング・チャンピオンズ(PBC)が発表したが、体調不良の具体的な中身は明らかにされていない。和毅は現地の取材に、朝起きたら相手の体調が悪いと言われ、正直信じられなかったと話した。自身はプロ47戦で一度も体重超過をしたことがないとも強調している。
勝てば、2013年のWBO世界バンタム級、2018年のWBC世界スーパーバンタム級暫定王座に続く世界3階級制覇だった。2025年5月に大阪でIBF世界フェザー級王者アンジェロ・レオ(米国)に0―2の判定で敗れて以来、1年5か月ぶりのリング。それが、ゴングを聞かないまま終わった。
中止直後の投稿では「優先権の約束」
和毅がインスタグラムで発信したのは、19日が最初ではない。中止が決まった現地10月17日(日本時間18日)にも、ファイティングポーズの写真を添えて報告を出していた。
その投稿で和毅は、相手選手の体重超過と体調不良で試合が中止になったと伝え、日本から応援していたファンやスポンサーに「心からお詫び申し上げます」と謝罪した。7月末から約2か月半、メキシコでハードなトレーニングを積んで最高の状態を整えていただけに、悔しい気持ちでいっぱいだとも記している。
そのうえで、こう書いた。「しかし、これで終わりではありません。プロモーターおよびWBAから、次回のWBAフェザー級王座決定戦における優先権をいただく約束を交わしました」。続けて「必ず世界チャンピオンのベルトを掴み取ります」と宣言している。19日の投稿にある「良い報告」は、この流れの先にある言葉だ。
会長の書き込みと委員会、日本時間20日朝の状況
約束の中身をめぐっては、WBA内部で見方が分かれた。報道によると、試合の立会人を務める予定だったWBAのホセ・オリバー・ゴメス氏が、空位王座の決定戦で和毅に優先権を与えると伝えたという。一方、WBAのヒルベルト・メンドーサ会長は自身のXで、フィゲロア対亀田戦は指名試合ではなく選択防衛戦だったと指摘し、順位は1位がミルコ・クエジョ(アルゼンチン)、2位が中野幹士(帝拳)になるはずだと書き込んだ。そのうえで、月曜日(現地10月19日)に世界選手権委員会を開いて決定を下す、としていた。
WBAのフェザー級ランキングは、1位が元暫定王者で16戦16勝(13KO)のクエジョ、2位が16戦15勝(14KO)1敗の中野、3位が和毅という並びだ。会長の挙げた2人は、和毅より上にいる2人そのものだった。
関連記事:中野幹士、WBA世界フェザー級ランキング2位 会長の見解と19日の世界選手権委員会、戦績16戦15勝1敗
その後、WBAは公式サイトにフェザー級王座についての声明を出した。日本時間では10月20日午前1時52分の掲載。メンドーサ会長の名前で出された声明は、試合が行われなかったことを残念だとし、フィゲロアはWBAのルールに従って王座を失ったと説明した。和毅については、プロとして求められることをすべてやり、何か月も練習して計量もクリアしたと記し、10月19日に開かれる世界選手権委員会で、ランキングに入っている選手たちの権利とあわせて「最優先」で扱うと明言している。ネバダ州アスレチック・コミッションなどと計量の手順をそろえる作業を進めていることにも触れた。
ただ、声明は決定戦の相手や時期を示していない。日本時間10月20日午前6時半の時点で、委員会の結論はWBAから発表されていない。
決定戦に入れるか、委員会の判断待ち
焦点は、和毅が空位の王座を争う決定戦に入れるかどうかだ。立会人が伝えたとされる優先権が認められれば、和毅は上位ランカーとの決定戦に進む道が開ける。会長の書き込みどおり指名の順番が重んじられれば、決定戦はクエジョと中野の顔合わせに傾く。どちらに転ぶのかは、委員会の判断にかかる。
和毅にとっては、1年5か月ぶりの試合がいきなり世界戦という大舞台だった。そのチャンスが、自分の落ち度ではない相手の計量失敗と体調不良で消えた。それでも19日の投稿では、相手を責める言葉を前に出さず、支えてくれる人への感謝と次への意欲を並べている。
「必ず近いうちに」。その言葉どおりの知らせが届くかどうかは、WBAの次の発表で見えてくる。
[文/構成 by スポーツライター 久遠(KUON)]









































































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