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西山実沙、初出場の世界体操で平均台にミス「初めての緊張だった」 日本女子は予選5位で団体決勝へ

西山実沙、初出場の世界体操で平均台にミス「初めての緊張だった」 日本女子は予選5位で団体決勝へ

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン

体操の世界選手権(オランダ・ロッテルダム)で、初出場の西山実沙(16)=なんば体操クラブ=が女子予選の平均台などでミスを重ね、悔し涙を見せた。演技後は「初めての緊張だった」と語りつつ、団体決勝へ気持ちを切り替えている。日本は3班終了時点で暫定3位につけたが、全10班を終えた最終順位は5位。上位8チームが進む団体決勝へ駒を進めた。

4種目合計51.398点、平均台は12.666点

日本女子は現地時間10月18日の第2班(日本時間19日午前0時50分〜2時10分)で予選に臨んだ。メンバーは西山、岸里奈、杉原愛子、岡村真、中村遥香の5人。跳馬から段違い平行棒、平均台、ゆかの順で回り、4種目合計161.630点をマークした。3班までを終えた時点で首位は米国の164.529点、2位はイタリアの162.430点で、日本は暫定3位だった。

西山の個人総合は4種目合計51.398点。跳馬は12.233点で、出来栄えを示すEスコアは7.533点にとどまり、0.3点の減点も付いた。段違い平行棒では13.933点を出したものの、3種目めの平均台は12.666点と伸びない。技の難しさを示すDスコアは5.400点あったが、Eスコアが7.366点に沈み、0.1点の減点も重なった。最後のゆかは12.566点だった。

団体予選は1種目につき4人が演技し、上位3人の得点を合計する。西山の跳馬と平均台はチーム内で最も低い得点となり、団体の合計からは外れた。逆に段違い平行棒の13.933点は日本勢トップで、チームの得点を支えている。

平均台で日本の柱になったのは岡村だった。14.266点を出し、3班終了時点では種目別の暫定トップに立った。全10班を終えた順位は4位で、上位8人が進む種目別決勝の圏内に入っている。

種目ごとの日本の合計は、跳馬41.466点、段違い平行棒41.133点、平均台40.899点、ゆか38.132点。ゆかが4種目で最も低かった。合計では予選1位の中国と3.366点の差がついた。個人では岸が跳馬14.000点、平均台13.633点と安定し、杉原は跳馬14.200点、ゆか13.100点とチーム最高点を2種目で出した。

「初めてこんなに足が震えた」

演技を終えた西山は、目に涙を浮かべた。「ずっといい調子で来ていたのに、本番一発でミスをたくさんしてしまったことはすごく悔しい」。そう悔しさをにじませつつ、すぐに「でも次はまだ団体決勝が残っているので、それに向けていい試合ができた」と続けた。

シニアの世界選手権は初めてだった。「ジュニアの世界の試合とはまるで違って、初めてこんなに足が震えたり、初めての緊張だった」と明かす一方で、「それをここで味わえてすごいよかった」と前を向いている。

崩れかけた気持ちを立て直したのは仲間の声だった。最終種目のゆかについて、西山は「平均台でミスが出てしまって、少し切り替えられてないままアップに行ったんですけど、他の選手がたくさん声をかけてくれた。自分らしい演技が最後できたので、それはよかった」と話した。

全日本、NHK杯の2冠から初の世界へ

西山は2010年9月7日生まれ。相愛高校(大阪市)に通い、なんば体操クラブで力をつけてきた。2025年11月の世界ジュニア選手権ではゆかで金メダル、跳馬で銀メダル、個人総合で銅メダルを手にしている。

シニアに上がった2026年は勢いが止まらなかった。4月の全日本個人総合選手権を15歳で初制覇し、5月のNHK杯も優勝。2冠で世界選手権の代表入りを決めた。9月の愛知・名古屋アジア大会では個人総合で銅メダル、団体、段違い平行棒、ゆかで銀メダルと、4種目で表彰台に上がっている。

だが、アジア大会でも平均台には泣かされた。演技中に落下があり、団体総合は中国に敗れて銀メダル。西山は「自分のミスがあったから負けてしまった」と自分を責め、悔し涙を流した。

平均台は西山にとって、この1年ずっと向き合ってきた種目でもある。4月の全日本選手権でも、決勝の平均台は13.033点で予選の得点を下回り、ゆかで逃げ切っての優勝だった。初の世界選手権でも、課題は同じ場所に残った。

予選は5位、団体決勝へ

女子予選は24チームが10班に分かれて争い、現地時間19日夜(日本時間20日早朝)の第10班で全日程を終えた。国際体操連盟(FIG)の速報によると、最後の10班で演技した中国が164.996点で1位に入り、米国が164.529点で2位、ロシアが163.662点で3位、イタリアが162.430点で4位。日本は161.630点で5位となり、6位のフランスとは0.200点差だった。

日本は上位8チームが進む団体決勝の出場権を手にした。10班の韓国は152.197点で17位だった。

個人総合は全10班を終えて岸が53.499点の13位、杉原が52.266点の21位、西山は51.398点の33位。個人総合決勝は上位24人が進み、1カ国2人までが出場できる決まりで、日本勢3番手の西山は決勝に進めない。岸と杉原はともに24人の枠内に入り、現地時間23日午後7時30分(日本時間24日午前2時30分)に始まる個人総合決勝に臨む。

団体決勝は日本時間22日、3位までにロス五輪の出場枠

今大会は2028年ロサンゼルス五輪の予選を兼ねる。女子の団体決勝は現地時間10月21日午後7時30分(日本時間22日午前2時30分)に始まり、3位までに入ったチームが五輪の出場枠を手にする。

西山の目標ははっきりしている。「団体決勝でメダルをとってロス五輪の権利を取るのが最優先の目標」と語り、「そこにしっかり貢献できるように、あと2日しっかり調整してできるようにしたいと思います」と最後は笑顔を見せた。

男子は団体予選を首位で通過し、団体決勝は日本時間21日午前2時30分に始まる。

関連記事:世界体操2026男子予選結果、日本は団体首位通過 個人総合は岡慎之助1位・橋本大輝2位で決勝へ

女子の団体決勝は予選と違い、1種目につき3人が演技して3人全員の得点が合計に入る。ミスをした選手の点を外せない分、一つの落下が順位に直結する。初めての緊張を味わった16歳は、ロス五輪の出場枠がかかる決勝へ向けて調整を続ける。

[文/構成 by スポーツライター 南條楓]

寄稿者

南條楓
学生時代に陸上の中距離を続けていたこともあり、記録で勝負が決まる競技に惹かれてスポーツを書くWebライターに。執筆歴は8年。陸上や水泳、体操、フィギュアスケートなど、記録と採点が結果を左右する競技を中心に、国際大会の速報から選手の歩みをたどる記事まで担当してきた。タイムや得点の意味、予選から決勝までの流れを、初めて観る人にも伝わる言葉で書くことを大切にしている。

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