ちびまる子ちゃん、劇中で中日優勝の胴上げとビールかけ 今季最下位の中日ファンが反応

※この記事には、商品・サービスの広告リンクが含まれています。
時間がない人向けの30秒で理解ゾーン
フジテレビ系アニメ『ちびまる子ちゃん』が10月18日に放送した第1552話で、優勝した中日ドラゴンズの監督胴上げとビールかけの場面が描かれた。作品の時代設定から、巨人の10連覇を止めた1974年の優勝を描いたとみられている。現実の中日は2026年シーズンをセ・リーグ最下位で終えたばかりで、ファンの間では「予祝」と受け止める反応が広がった。
↓ 詳細が気になる方は、このまま下へ ↓
冒頭から中日ナインの胴上げ、10月18日の第1552話
10月18日午後6時からの放送は2本立てだった。番組公式サイトによると、第1552話のサブタイトルは「ヒロシ、憧れのビールかけ」の巻と「お母さんの栗ごはん」の巻で、脚本は富永淳一と髙橋幹子が手がけた。
話題になったのは1本目の冒頭だった。報道によると、テレビの画面から「優勝した中日の選手たちによる監督の胴上げです」という実況が流れ、続いて「こちらの会場では優勝した中日の選手達のビールかけが行われてます」と、中日の選手たちが歓喜に浸る場面が映し出された。
それを見ていたのが、まる子の父・ヒロシ(声・屋良有作)だ。巨人ファンのヒロシはほろ酔いのまま「悔しいなあ。ホントは王や長嶋にやってほしかったのによぉ」とぼやき、ひいきのチームが優勝を逃した悔しさをにじませた。
公式サイトの予告文には「今度の野球の試合、勝ったらお父さんはビールかけ、まる子はサイダーかけをやるよ」とあり、回の中身が紹介されている。プロ野球のビールかけに憧れたヒロシの思いが、さくら家の小さな祝勝会の計画につながっていく。テレビの中の中日の優勝は、物語の入り口に置かれていた。
舞台は1974年か 巨人のV10を止めた20年ぶりの優勝
なぜ中日だったのか。
『ちびまる子ちゃん』は、静岡県清水市(現在の静岡市清水区)を舞台に、小学3年生のまる子と家族、友だちの日常を描く作品だ。放送後の報道では、時代設定から取り上げられたのは1974年の中日優勝とみられると伝えられた。
1974年のセ・リーグは、まれに見る接戦だった。日本野球機構(NPB)の記録では、優勝した中日は70勝49敗11分で勝率.588、2位の巨人は71勝50敗9分で勝率.587。勝ち星は巨人が1つ多く、ゲーム差は0.0だった。勝利数で下回りながら、わずかな勝率の差で中日が頂点に立ったのだ。
投手陣では、松本幸行が20勝9敗で、広島の金城基泰と並ぶリーグ最多勝と、最高勝率(.690)を手にした。のちに中日の監督を務める星野仙一も49試合に登板して15勝、10セーブを挙げ、この年から設けられたセ・リーグ最多セーブ投手の初代に輝き、沢村賞にも選ばれた。打線では捕手の木俣達彦が打率.322でリーグ2位に入り、来日1年目のジーン・マーチンが35本塁打、谷沢健一が22本塁打を放った。新人王には外野手の藤波行雄が選ばれ、投打の柱がかみ合った1年だった。
中日が優勝を決めたのは1974年10月12日、本拠地の中日球場(現在のナゴヤ球場)で行われた大洋ホエールズとのダブルヘッダーだった。第2試合に勝って決着をつけると、与那嶺要監督が胴上げで宙に舞う。中日にとって20年ぶりのリーグ優勝となった。
巨人にとっては、1965年から続けてきたリーグ優勝が9年で途切れ、10連覇の夢がついえたシーズンだった。この年の巨人では王貞治が打率.332、49本塁打、107打点で三冠に輝き、最優秀選手にも選ばれている。中日の優勝が決まった夜、巨人は長嶋茂雄の現役引退を発表した。2日後の10月14日、後楽園球場での中日とのダブルヘッダーが長嶋の引退試合となった。
劇中のヒロシが「王や長嶋」と名前を挙げたのは、こうした時代を背景にしている。V9に慣れた当時の巨人ファンにとって、他球団の胴上げは見慣れない光景だった。
現実の中日は60勝81敗の最下位 前日にはDeNAがビールかけ
一方、2026年の現実の中日は苦しいシーズンを送った。NPBの公式記録によると、中日は143試合で60勝81敗2分、勝率.426。首位の阪神から19.0ゲーム差で、セ・リーグ6位に沈んだ。最下位は2年ぶりとなる。
放送の前日には、もう一つのビールかけがあった。10月17日、横浜DeNAベイスターズが甲子園球場でのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ第4戦で阪神に8-5で逆転勝ちし、4連勝で日本シリーズ進出を決め、ビールかけで喜んだと報じられた。リーグ3位からファーストステージを含めて6連勝で勝ち上がり、日本シリーズ進出は2年ぶり5度目となる。10月24日に横浜スタジアムで開幕する日本シリーズでは、パ・リーグを制したソフトバンクと戦う。
ビールかけが球界の旬の話題になっていたタイミングで、国民的アニメの画面に映ったのは、最下位に終わった中日の優勝シーンだった。偶然の重なりが、ファンの間で話題を大きくした。
「予祝してくれてる」竜党が沸いた放送後
放送後、SNSでは中日ファンの投稿が相次いだ。報道で紹介された反応には「国民的アニメが予祝してくれてる」「中日が優勝した世界線になってる」「中日の優勝から始まるちびまる子」「ちびまる子世界では中日がリーグ優勝」「大規模な予祝だ」といった言葉が並ぶ。
予祝とは、願いがかなったことを先にお祝いして、実現を引き寄せようとする考え方を指す。最下位に終わったチームのファンが、アニメの中の優勝を来季への前祝いとして受け止めた。巨人ファンのヒロシが悔しがる姿とは対照的に、現実の中日ファンは来季への期待を重ね合わせた。
工藤新監督のもとで始まる再出発
中日は2026年10月、新監督に工藤公康(63)を迎えた。就任2年目の井上一樹監督が成績不振を理由に辞任を表明し、球団は後任に愛知県出身の工藤を選んだ。工藤はソフトバンクの監督として2015年からの7シーズンで3度のリーグ優勝と5度の日本一を経験している。
関連記事:工藤公康、中日監督就任会見で「自分のふるさとに帰って」 母校は愛知工業大学名電高等学校
10月15日に名古屋市内で開かれた就任会見で、工藤は「勝つことによって皆さんに喜んでもらえるようなチームをつくりたい。最終的な目標は優勝」と抱負を語った。
アニメの中のまる子は、放送開始から36年たった今も小学3年生のまま、昭和の清水で暮らしている。劇中で52年前とみられる優勝に沸いた中日だが、現実で胴上げを見るには、新監督のもとで最下位からはい上がる必要がある。中日のリーグ優勝は2011年が最後で、竜党はもう15年、現実のビールかけを待ち続けている。
10月18日放送回はTVerなどで見逃し配信されている。過去のシリーズでは、1990年放送開始の第1期と1995年からの第2期、『映画ちびまる子ちゃん イタリアから来た少年』が、10月19日時点でU-NEXTの見放題作品として配信されている。
\ 『ちびまる子ちゃん』はU-NEXTで見放題 /
[文/構成 by エンタメライター 和泉ユウスケ]















































































コメントはこちら