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小林幸子、東京農業大学世田谷キャンパスの水田で稲刈り 6月に田植えした稲を学生らと収穫

小林幸子、東京農業大学世田谷キャンパスの水田で稲刈り 6月に田植えした稲を学生らと収穫

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歌手の小林幸子(72)が10月18日、東京都世田谷区の東京農業大学世田谷キャンパスにある新エリア「農と水の森」の水田で稲刈り式に参加した。6月13日に自ら田植えをした稲を、同大の学生や東京農業大学稲花小学校の児童らと一緒に刈り取った。水田ができて初めての収穫で、刈り取った米は稲花小学校の給食に使われる予定だ。

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「農と水の森」で初めての稲刈り式

稲刈り式があったのは10月18日。会場は世田谷通りに面した「農と水の森」の水田エリアで、今年誕生した2つの水田が舞台となった。夏の大雨で生育が心配されたものの、稲は無事に実り、収穫の日を迎えた。

参加したのは小林のほか、同大の学生や、併設する東京農業大学稲花小学校の子どもたち。児童の多くにとって、稲刈りはこれが初めての経験だった。

田植えからおよそ4カ月。黄金色に実った稲穂を前に、小林は「うれしかった」と笑顔を見せた。稲穂は1本持ち帰り、神棚に供えるという。

都会の大学のキャンパスで、歌手と小学生と大学生が並んで稲を刈る。世田谷の住宅街ではめったに見られない光景だ。

6月13日の田植えから約4カ月

水田の始まりは6月13日にさかのぼる。東京農業大学はこの日、世田谷キャンパスの新エリア「農と水の森」をお披露目し、エリア内の2つの水田で田植えイベントを開いた。

田植えには小林のほか、TOKYO FMのラジオ番組「あぐりずむ」でパーソナリティを務めるタレントの川瀬良子、江口文陽学長をはじめとする教員、水田管理サークル「Agri+no(アグリノ)」や収穫祭実行委員会の学生、稲花小学校の児童らが参加し、その数はおよそ60人にのぼった。田植えの前には全学応援団が学歌と、農大名物の「青山ほとり」(大根踊り)を披露している。

植えた苗は、神奈川県の厚木キャンパスで育てたもの。大学の発表によると、高温に強い品種「にじのきらめき」に加え、茎やもみが色づく紫黒米や赤米、もみが細長いインディカ米と、色とりどりに育つ稲が選ばれた。元・同大農学部農学科の上地由朗氏は、世田谷通りやキャンパスを歩く人に「大きく首を垂れた稲穂を是非とも見て欲しい」とコメントを寄せていた。その願いどおり、10月に収穫の時期を迎えた。

「農と水の森」は、馬事公苑やけやきひろば、上用賀公園といった周辺のみどりをつなぐ拠点として設計された。水田のほかにビオトープや芝生広場、木漏れ日テラスも備え、世田谷通りから大学の風景を見渡せる場所も設けている。大学は「農ある風景のキャンパスづくり」を進めており、キャンパスの中に食と農の風景を再現し、学生と地域の人が交流する場にする狙いがある。

6月の田植えの場では、上岡美保副学長が、2027年3月から横浜市の旧上瀬谷通信施設跡地で開かれる「2027年国際園芸博覧会(GREEN×EXPO 2027)」への出展も伝えた。「農と水の森」を含む学内のみどりのエリアは、大学が持つ総合農学の知見を集めた取り組みの一部と位置づけられている。造園科学科の福岡孝則教授は、都市の真ん中に生まれた水田やビオトープが、ここで暮らし学ぶ人たちと自然との接点になることを願うとコメントしていた。

「初めては、一生残るから」子どもたちへの言葉

水田は大学前の大通りから見える場所にある。小林はこの通りを通るたびに、稲の成長を見守っていたと明かした。大雨が続いた時期は心配したといい、無事に実ったことを喜んだ。

小林が力を込めたのは、子どもたちに向けた言葉だった。

「初めては、一生残るから」。稲刈りが初めてだという児童たちを前にそう話し、自分で植えて、刈り取って、食べるという体験は都会の子どもにとって貴重なものになると語った。そのうえで、お米の一粒一粒を大切にしてほしいと呼びかけている。

収穫した米は後日、稲花小学校の給食に出る予定。子どもたちは6月に自分の手で植えた稲を、学校の給食で味わうことになる。

稲花小学校は東京農業大学が運営する私立小学校で、2019年4月に世田谷区に開校した。定員は1学年72人で、大学の資源を生かした食育や環境教育を特色とする。大学の水田で田植えから稲刈り、給食までを一続きで体験できる環境は、農大の併設校ならではだ。

新潟・山古志から世田谷へ 小林幸子と米作り

小林は新潟県出身で、両親の実家は農家だった。米作りとの関わりは長い。

きっかけは2004年10月に故郷を襲った新潟県中越地震。大きな被害を受けた山古志地区(現在の新潟県長岡市)の復興支援を目的に、2006年から地元の人たちと米作りを続けてきた。山古志の「小林幸子田」での田植えと稲刈りは毎年の恒例行事となり、地元の小学生と一緒に作業をする姿もたびたび伝えられている。

活動の幅は広がり続ける。小林は農林水産省の初代「お米大使」を務め、農業や子ども食堂の支援を目的とするNPO法人「幸せプロジェクト」にも取り組む。東京農業大学とは、新潟県内の中学生・高校生が地域の課題をもとにオリジナルのおにぎりを考える探究型の教育プログラム「おにぎり探究」で協力している。

「おにぎり探究」は同大の生物産業学部自然資源経営学科が手がけ、セブン-イレブン・ジャパン(甲信越・北陸地区)と幸せプロジェクトが協力する。2026年度は小林も審査員に名を連ねており、審査は10月末から11月ごろ、表彰式は12月の予定。優れた提案は2027年3月ごろに商品化される計画だ。

新潟の山あいの田んぼと、東京・世田谷の大学キャンパスの田んぼ。2006年に始まった小林の米作りは、20年かけて故郷の外へも広がった。

給食、収穫祭、そして来年も

水田のこれからも決まりつつある。大学は「農と水の森」の水田やビオトープで、生物調査や観察会、収穫体験、マルシェ、米の加工や餅つき会、耕作イベントなどを開く予定を示している。江口学長は6月の発表で、自ら苗を植え、水を管理し、一粒の籾が実るまでの過程を肌で知った学生の言葉こそが、収穫祭の来場者や地域の人の心を動かす力になると述べていた。世田谷キャンパスの収穫祭は10月31日と11月1日に開かれる。

小林は稲刈り式で「今回が1回目」と話し、これからも続けていきたいと意欲を見せた。来年もスケジュールを合わせて参加したいとも話している。

初夏に田植えをし、夏は豪雨に気をもみ、秋に実りを迎えた。6月に小林と子どもたちが植えた苗は、世田谷の真ん中で一粒一粒の米になり、まもなく子どもたちの給食に並ぶ。

[文/構成 by エンタメライター 真柴 ことね]

寄稿者

真柴 ことね
芸能ニュースや音楽、テレビ番組の話題を中心に書いているWebライター。ライター歴は11年。朝は情報番組をはしごするのが日課で、気になった話題はその日のうちに調べ始める。心がけているのは「公式発表を最初に読む」こと。所属事務所やレーベルの発表、番組の公式サイトまで確かめてから書く。ドラマは録画して週末にまとめて観る派。

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