佐野恵太、祝勝会で相川監督にバントミスを謝罪 DeNA日本シリーズ進出、ビール3000本のビールかけ

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン
DeNAが10月17日、甲子園でのCSファイナルステージ第4戦で阪神に8-5と逆転勝ちし、2年ぶりの日本シリーズ進出を決めた。試合後に兵庫県芦屋市内の宿舎で祝勝会があり、佐野恵太(31)が壇上から相川亮二監督に向けて、前日の送りバント失敗を大声でわびた。監督もあいさつでこのバントに触れ、会場は笑いに包まれた。
牧の中締めで指名された佐野
ビールかけは、試合と記者会見を終えたあとに始まった。用意されたのはビール3000本と樽酒2つ。相川監督らによる樽酒の鏡開きのあと、選手会長の東克樹が「僕たちはリーグ3位」と語り、挑戦者の気持ちを忘れずに日本シリーズを戦おうと乾杯の音頭を取った。
中締めのあいさつを任されたのは牧秀悟(28)だった。スタッフやコーチ陣への感謝を述べ、負けられない戦いが続くと仲間に呼びかけたあと、最後にどうしてもひとこと言いたい人がいると前置きして、佐野にマイクを回す。
佐野は「監督」と声を張り上げ、バントミスを謝った。しっかり練習すると約束し、チームメートにもひとこと呼びかけている。中締めのあと、佐野は掛け声をかけながら行進し、ナインも声をそろえた。祝勝会は、高校野球の甲子園の行進のようなパフォーマンスで選手たちが引き揚げて締めくくられた。
謝罪の理由は10月16日の第3戦初回
佐野が謝ったのは、前日10月16日の第3戦の初回だった。阪神先発の才木浩人に対し、度会隆輝の左前打と牧の四球で無死一、二塁の好機をつくる。続く佐野は送りバントを試みたが、打球は捕手へのゴロとなり、走者を進められなかった。一死一、二塁から宮﨑敏郎が遊飛、勝又温史が空振り三振に倒れ、先制のチャンスはしぼんだ。
だが、佐野はそのままでは終わらない。3回一死二、三塁で再び打席に立つと、才木から中堅席へ3ランを運んだ。8回には牧のソロで加点し、先発の片山らの完封リレーでDeNAは4-0で勝利。ファイナルステージ第1戦の6回に村上頌樹から放ったソロに続き、このシリーズ2本目の本塁打だった。
バントは失敗しても、バットで取り返した。チームの勝利があったからこそ、祝勝会で笑いに変えられる話になったのだ。
第4戦でも佐野のバットは止まらなかった。初回一死一塁から右前打でつなぎ、宮﨑の左犠飛による先制点を呼び込む。6回には先頭で中前打を放ち、8回は先頭の牧の死球に続いて四球を選び、反撃の好機を広げた。3打数2安打1四球。打線の中軸として、ファイナルステージの4試合すべてに3番で名を連ねた。
相川監督が8回にバントを出さなかった理由
相川監督は、ビールかけの前のあいさつでこのバントを持ち出していた。話題にしたのは第4戦の8回の攻撃だ。
第4戦は点を取り合う展開になった。1-1の4回、ドラフト5位ルーキーの成瀬脩人が大竹耕太郎から左中間へ2ランを放って勝ち越す。しかし阪神は5回に森下翔太のソロで1点差とし、6回には三塁の失策で同点。7回には森下がこの日2本目のソロを放ち、伏見寅威の左犠飛も加えて5-3と阪神がリードを広げた。
DeNAは3-5の8回、牧の死球と佐野の四球で無死一、二塁とし、宮﨑の右前適時打で1点差に迫った。四球で出た佐野には代走の三森大貴が送られ、なおも無死一、二塁。ここで打席に入ったのが、ソフトバンクから加わった井上朋也だった。
送りバントで走者を進め、同点を狙う手もある。相川監督は、井上の打席でバントが頭をよぎったと明かした。それでも出さなかった理由として、佐野の前日のバント失敗が頭にあったからだと冗談まじりに語り、日本シリーズに向けて全員でバントの練習をしておくよう呼びかけた。選手たちは大笑いでこたえている。
井上は阪神の工藤泰成に見逃し三振、代打の筒香嘉智も空振り三振に倒れ、成瀬脩人の一飛でこの回は同点に届かなかった。
佐野の代走・三森が9回に逆転打
勝負が動いたのは9回だった。8回から続投した工藤を攻め、一死から松尾汐恩が四球、度会が二塁への内野安打で一、三塁。牧の一ゴロで二死二、三塁となり、打席には8回に佐野の代走で入った三森が立った。
この試合の初打席だった三森は、工藤の速球に空振りとファウルで追い込まれる。甲子園が「あと1球」コールに包まれるなか、3球目を中前へはじき返し、2人が生還して6-5と逆転。ドリスに代わった後も井上の左前適時打、代打・林琢真の右前適時打で2点を加え、最後は9回裏にレイノルズが一死満塁のピンチをしのいで逃げ切った。
8回に佐野が四球で出塁し、その代走が決勝打を放つ。バント失敗から始まった祝勝会の笑い話は、試合の流れの中で別の形でつながっていた。
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6連勝で日本シリーズへ、相手はソフトバンク
DeNAはレギュラーシーズン3位から勝ち上がった。CSファーストステージで巨人に2連勝し、ファイナルステージではリーグ優勝の阪神に4連勝。阪神のアドバンテージ1勝を含めた対戦成績を4勝1敗とした。ファーストステージから負けなしの6連勝での日本シリーズ進出は、プロ野球で初めてとなった。ファイナルステージのMVPには、ファーストステージとあわせて計4本塁打の牧が選ばれている。
ファイナルステージの4試合は、どれも接戦か投手陣の踏ん張りで拾った白星だった。10月14日の第1戦は平良拳太郎が勝ち投手となり、佐野のソロなどで2-0。15日の第2戦は8回に牧が髙橋遥人からソロを放ち、この1点を7投手の継投で守って1-0で競り勝った。16日の第3戦は佐野の3ランを含む4-0の完封リレーで、阪神打線に3試合続けて得点を許していない。17日の第4戦は試合時間3時間54分の打ち合いの末に、9回の逆転で決着した。
日本シリーズは10月24日に横浜で開幕し、ソフトバンクと対戦する。日本一に輝いた2024年と同じ顔合わせだ。今季の成績はDeNAが71勝69敗3分けで貯金2、ソフトバンクが91勝49敗3分けで貯金42と、勝敗も貯金の数も2年前と同じになった。
相川監督は就任1年目でたどり着いた大舞台へ、日本シリーズも全員で戦って日本一をつかみ取りたいと意気込む。佐野が約束したバント練習の成果が、シリーズのどこかで見られるかもしれない。
[文/構成 by スポーツライター TAKU]










































































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