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山本祐大、古巣DeNAとの日本シリーズへ 今季途中に交換トレードでソフトバンクに加入

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時間がない人向けの30秒で理解ゾーン

ソフトバンクの捕手・山本祐大(28)が、10月24日に開幕する日本シリーズで古巣のDeNAと戦う。5月12日に1対2の交換トレードでDeNAから加わり、移籍後は55試合で打率.267、6本塁打、41打点。プロ9年目で初めて立つ大舞台を前に「日本一になりたい」と話した。

3連覇の王者と3位からの挑戦者、その間に山本がいる

SMBC日本シリーズ2026の顔合わせは、10月17日に決まった。パ・リーグ3連覇のソフトバンクは、CSファイナルステージで日本ハムに3連勝し、2勝のアドバンテージを含めて5勝0敗で突破。セ・リーグ3位のDeNAは、ファーストステージで巨人に2連勝すると、ファイナルステージでも阪神に4連勝し、アドバンテージを含む4勝1敗で勝ち上がった。

シリーズは10月24日に横浜スタジアムで始まる。第1・2・6・7戦がDeNAの本拠地、第3〜5戦がソフトバンクの本拠地・みずほPayPayドーム福岡で行われる。

関連記事:日本シリーズ、DeNA進出でソフトバンクと対戦 第1戦10/24はTBSが地上波中継

両球団が日本シリーズで顔を合わせるのは2024年以来となる。2年前はDeNAが4勝2敗で26年ぶりの日本一を手にした。当時、DeNAの正捕手だったのが山本だ。今度はソフトバンクの一員として、かつての仲間と日本一を争う。

山本はCSファイナルステージの3試合すべてにスタメンで出た。第2戦までは無安打だったものの、日本シリーズ進出を決めた10月16日の第3戦では三塁打と二塁打を放ち、2安打1打点。報道によると、山本はシリーズを前に「どこが相手となっても、自分がやれることの準備だけはしていこうとは思います」と話し、「新しい気持ちでやりたいと思います。僕らしい野球をみんなと一緒にできるように頑張りたい」とも意気込んだ。

5月12日の朝に届いた連絡、1対2のトレード

トレードは5月12日、両球団から発表された。DeNAが山本を出し、ソフトバンクから尾形崇斗投手と井上朋也内野手を迎える1対2の交換だった。NPBの公示は5月13日付で、山本の背番号はDeNAの50からソフトバンクの39に変わっている。

当時のDeNAは、コックスが左ひじの手術で今季絶望となり、デュプランティエもコンディション不良で離れるなど、投手陣が手薄だった。一方のソフトバンクは、捕手を補強ポイントの一つと考えていた。城島健司チーフ・ベースボール・オフィサー(CBO)は球団を通じ「山本選手はプレースタイルがホークスに合うと思っていました」とコメント。「中長期的なチーム強化になると考えています」と狙いを説明した。

山本はシーズン中の放出を、この日の朝に知った。前のカードの阪神3連戦では全試合に出て、2試合でスタメンマスクをかぶったばかり。横浜スタジアムで開いた会見では「今日の朝に連絡が来たのでびっくりしている」と明かし、「そういうこともあるのがこの世界だと思うので」と受け止めた。

会見では、同じ2017年のドラフトで入団した東克樹への思いも口にしている。「東さんは1軍にいるきっかけを作ってくれた人。バッテリーを組めないっていうのはグッときた」。同い年の牧秀悟については「秀悟の存在が自分を成長させてくれたなと」と語り、最後は「ユニホームを脱ぐわけじゃない」と前を向いた。

骨折から2か月足らずで戻り、優勝に加わる

新天地での出だしは早かった。移籍翌日の5月13日にさっそくスタメンマスクを任され、5月16日の楽天戦で移籍後初安打を記録。6月5日時点で14試合に出て、打率.349、2本塁打、9打点を残していた。小久保裕紀監督は「一昨年くらいからセ・リーグで一番いいキャッチャーというイメージだった」と評価している。

ところが、6月上旬に左手の有鉤骨(ゆうこうこつ)を骨折する。有鉤骨は、手のひらの付け根の小指側にある小さな骨だ。6月12日に手術を受け、競技に戻るまで2〜3か月とされた。

それでも山本は、7月22日に1軍へ戻った。ソフトバンクは9月17日、京セラドーム大阪でオリックスを7−1で破り、2位の西武が敗れたことでパ・リーグ3連覇を決めた。南海時代の1964〜66年以来となる3連覇で、福岡に本拠地を移してからは初めてだ。

NPBの公式記録で、2026年の山本の打撃成績はこうなる。

所属試合打数安打本塁打打点打率
DeNA28882018.227
ソフトバンク5519151641.267

移籍後の打点41は、DeNAでの28試合の8打点を大きく上回る。けがで離れた期間を挟みながら、2チーム合わせて83試合に出て7本塁打、49打点を積み上げた。

9位指名、独立リーグからの叩き上げ

大阪府出身の山本は、京都翔英高からBCリーグの滋賀に進み、2017年度のドラフト9位でDeNAに入った。この年のドラフトでは、支配下で指名された選手の中で最後に名前を呼ばれている。プロ初出場は2018年5月25日のヤクルト戦。この年は1打数1安打で、ただ1つの打席が本塁打だった。

1軍に定着したのは2023年。71試合に出て盗塁阻止率.455をマークし、東とともに最優秀バッテリー賞に選ばれた。2024年は108試合で打率.291と打撃でも伸び、セ・リーグ捕手部門のベストナインとゴールデングラブ賞を初めて受賞。ゴールデングラブ賞は、独立リーグ出身の選手として両リーグを通じて初めてだった。

だが、2024年の日本一の輪の中で、山本はグラウンドに立てなかった。9月15日の広島戦で死球を受けて右の尺骨を折り、手術を受けている。日本シリーズでは第4戦でベンチに入ったものの、出番はなかった。2025年も104試合に出て打率.262を残し、正捕手の座を守っていた。

DeNAでの最後のシーズンは28試合。トレード当日の会見で、山本は捕手出身の相川亮二監督について「優勝させたいってずっと思っていた」と話していた。その相川監督が率いるDeNAが、今度は日本シリーズの相手として待っている。

審判員の回復の知らせ、古巣と戦う準備

山本には、DeNA時代から気にかけていたことがあった。4月16日、神宮球場でのヤクルト戦。スタメンでマスクをかぶっていた山本の目の前で、ヤクルトのオスナの手から離れたバットが球審の川上拓斗審判員の頭部を直撃した。10月16日には、緊急手術を受けていた川上審判員の意識が回復したことを、家族がNPBを通じて明らかにした。

報道によると、知らせを聞いた山本は「えっ、本当ですか。知らなかったです。良かった」と喜んだ。そのうえで「ずっと気にはしていました」と明かしている。

日本シリーズでは、トレードで入れ替わった3人が同じ舞台に立つ可能性がある。尾形はCSファイナルステージ第2戦で先発を任され、井上は第4戦の9回に適時打を放ち、DeNAの勝ち上がりに加わった。DeNA打線には、同い年の牧や、山本が「道しるべになってくれた人」と呼んだ佐野恵太が並ぶ。

かつての仲間の打ち方も、投手陣の持ち味も、山本はよく知っている。日本シリーズは初出場。「日本一になりたい」と語った28歳が、10月24日、プロ入りから8年あまりを過ごした横浜スタジアムで初戦を迎える。

[文/構成 by スポーツライター 高瀬翔吾]

寄稿者

高瀬翔吾
Webメディアでスポーツ、エンタメ、時事ニュースなど、累計数千本の記事制作に携わってきたスポーツ系ライター。野球分野では、プロ野球の試合結果や選手の記録をはじめ、MLB、高校野球、ドラフト、移籍、契約更改などの記事を継続的に担当。数字や公式記録を基に情報を整理する記事を得意としており、結果を伝えるだけでなく、その記録が持つ意味や、選手・球団を取り巻く背景までわかりやすく解説することを心がけている。主な執筆分野は、プロ野球、MLB、高校野球、侍ジャパン、ドラフト、移籍情報。

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