中田譲治、「NO MORE 無断生成AI」を掲げてきた声優がハロウィンに山の翁のAI加工画像を投稿しツッコミ相次ぐ 『Fate』言峰綺礼などを演じ、説明の投稿は削除

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン
生成AIによる声の無断利用に反対し、Xのアイコンに「NO MORE 無断生成AI」の文字を掲げてきた声優の中田譲治が、10月31日にハロウィンに合わせた画像をXに投稿し、自ら「made by AI」と返信した。翌11月1日の説明によると、自身が声を担当するキャラクター・山の翁のフィギュアの画像の背景を、AIでハロウィン仕様にしたものだった。
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10月31日の投稿「Azrael or Treat?」の中身
AIの無断利用に声を上げてきた本人がAIで作った画像を出したことに、返信欄やネット上では、言っていることと違うのではないかというツッコミが相次いだ。批判的な声がある一方で、反対しているのは「無断」の利用だと受け止める見方もある。
問題の投稿は10月31日の午前11時過ぎだった。本文は「Azrael or Treat?」の一文で、ハロウィンの決まり文句「トリック・オア・トリート」をもじっている。
添えられた画像は1枚。満月と枯れ木、ジャック・オー・ランタンを背に、剣を突き立てた骸骨の騎士が台座の上に立つ絵だ。「Azrael」は、中田が声を担当するFGOの山の翁の宝具(必殺技にあたる技)「死告天使(アズライール)」を思わせる言葉で、返信欄には山の翁を連想したファンの書き込みが並んだ。
Azrael or Treat? pic.twitter.com/fl9EmceRyz
— 中田譲治 (@joujinakata123) October 31, 2026
約1時間後、中田は自らこの投稿に「made by AI」と返信し、AIで作った画像だと明かす。投稿の表示回数は11月4日時点で460万回を超え、いいねは6500件を上回った。
「NO MORE 無断生成AI」のアイコンと食い違うとのツッコミ、擁護の見方も
反応が集まった理由は、中田のXのアイコンにある。顔写真に重ねて「NO MORE 無断生成AI」の文字が入っており、生成AIの無断利用に反対する立場をはっきり示してきた。
返信欄には、無断生成AIに反対しながら自分は生成AIを使うのは筋が通らない、という趣旨の書き込みが寄せられた。内外タイムスは、声はだめでもイラストならよいという線引きを「ダブスタ」(二重基準)と批判する意見も出たと伝えている。
一方で、問題を「無断」の利用に絞って受け止める人もいた。中田が参加する声優有志の会も、新しい技術は人に大きな恩恵を与えるとしたうえで、声が本人の許しなく使われることを問題にしている。AIを使うこと自体と、他人の声や作品を無断で使うことは別の話だという見方だ。
内外タイムスも、生成AIで作られたすべてのイラストが権利を侵害するわけではないとしつつ、漫画やイラストなどの知的財産が簡単にAIに学習されている現状には議論の余地があると指摘した。
削除された説明「購入したフィギュアの背景をハロウィン仕様に」
指摘が広がるなか、中田は11月1日に説明の投稿をした。フォロワーが心配するといけないので一応言っておく、と前置きしたうえで、画像の成り立ちを次のように明かしている。
- 投稿したのは、公式に販売されていて自身が購入した山の翁のフィギュア
- ちょうどハロウィンだったので、X上で使えるAI「Grok」で背景をハロウィン仕様にした
- 返信欄に、AIで作成したことも補足している
キャラクターそのものをAIに描かせたのではなく、購入したフィギュアの画像の背景をAIで加工したという説明だった。投稿の最後には、Xには文字数の制限があること、匿名の相手と議論をするつもりはないことも書き添えていた。
この説明に対しても、フィギュアは原作のキャラクターデザインをもとにした商品で、その画像をAIで加工することに原作側の意思はどう関わるのか、という指摘があった。
説明の投稿は、11月4日の時点で「このページは存在しません」と表示され、見られなくなった。削除について中田は触れておらず、謝罪や追加の説明の投稿も見当たらない。11月1日以降も、朗読劇の配信の告知やファンへの返信など、ふだんどおりの投稿を続けている。
2024年から「無断生成AI」に声を上げてきた
中田と生成AIの問題との関わりは、少なくとも2年前にさかのぼる。2024年10月15日、声優有志による「NOMORE無断生成AIの会」が発足した。中尾隆聖、山寺宏一、梶裕貴ら26人が参加し、中田もその1人に名を連ねた。
会は、本人が演じた覚えのない朗読や歌、声そのものがネットに公開され、時に販売されている現状を訴えた。同じ月に公開された啓発動画の第2弾には、浪川大輔、島田敏、朴璐美らとともに中田が出演し、生成AIの望ましい使われ方などについて自分の考えを語っている。
2026年10月15日には、俳優や声優が加盟する日本俳優連合(日俳連)が「音声に関する生成AI利用ガイドライン」を公表した。声をAIの学習や音声の生成、作品での利用に使う場合は、どの段階でも本人の事前の許諾を求める内容で、故人の声を新たな作品に使うことや、映画やドラマの吹き替えをAIで置き換えることも原則として行わないよう求めた。
法的な拘束力はない自主的な基準だが、日俳連は法制化に向けた働きかけも強める方針だ。中田のハロウィンの投稿は、このガイドラインの公表から約2週間後のことだった。
言峰綺礼、アーカード、ギロロ伍長 声優としての歩みと代表キャラ
中田は東京都出身で、大沢事務所に所属する。1970年代後半に俳優としてデビューし、特撮や刑事ドラマなどに出演したのち、1990年代以降は声優の仕事が中心となった。
アニメでは神父や吸血鬼、軍人、武人まで幅広い役を演じてきた。アニメ情報サイト「アニメ!アニメ!」が2020年に行った誕生日記念の読者アンケートでは、1位が『ケロロ軍曹』のギロロ伍長、2位が『HELLSING』のアーカード、3位が『Fate/stay night』の言峰綺礼だった。
主な役は次のとおり。
| 作品 | 役 |
|---|---|
| Fateシリーズ | 言峰綺礼 |
| Fate/Grand | 山の翁 |
| HELLSING | アーカード |
| ケロロ軍曹 | ギロロ伍長 |
| ゴールデンカムイ | 土方歳三 |
| 巌窟王 | モンテ・ |
| ONE | ホーディ・ |
| 機動戦士Vガンダム | ナレーション |
| 300 | レオニダス |
| 動物戦隊ジュウオウジャー | アザルドの声 |
ナレーションやラジオでも活躍し、NHKラジオ第1『マイあさラジオ』ではサタデーエッセーも担当した。2026年6月に公開された、16年ぶりの劇場版『新劇場版☆ケロロ軍曹 復活して速攻地球滅亡の危機であります!』でも、ギロロ伍長を演じた。
11月4日時点でも、中田のXのアイコンには「NO MORE 無断生成AI」の文字が残っている。
[文/構成 by ライター ミヅキ]








































































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